2013年01月04日

2013年1月3日木曜「ミッキーの映画日記」『二つの祖国で 日系陸軍情報部』『蛇イチゴ』『カミハテ商店』『カルフォルニア・ドールズ ニュープリント版』


皆様 あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
3日が今年最初の映画デーです。4本頑張って観ました。

『二つの祖国で 日系陸軍情報部』すずきじゅんいち監督/日米合作/スコーレ

 長い間、MIS(米国陸軍の秘密情報機関=MIS(ミリタリーインテリジェンスサービス)の存在自体が国家の最高機密として極秘扱いであった。
米国の国籍を持っていたが、アメリカ国内で差別に合いながらも、父母の祖国日本と戦う運命を受け入れた日系二世の兵士たち。米国に忠誠を誓い、戦争の勝利に命をかけ、戦後すぐに日米の架け橋として日本再建に尽力した。高齢の彼らは長い沈黙を破り、二つの祖国への想いを語り始める・・・。

 今年、最初の映画をこれにしようと考えていたが、内容に新鮮味がないか心配だった。だが、その心配は杞憂に終った。
二世といっても最も活躍された方は、「高校、大学を日本に帰り学んだ方」が主力だったとは「二世をひとくくり」に、考えていたのでとても勉強になった。
敵味方に別れての戦いには(後から知ることだが)自分もそこにいたし、敵側には従兄弟もいた。
そして従兄弟の父親である叔父には、自分が帰国した高校・大学時代に世話になったと話す。その目からは止めども無く涙が流れていた。
このインタビューで初めて話す数々を、ちゃんと聞いて受け止めなければと思った。

 特に印象深いのは、アメリカ兵は捕虜になったときには、「出身地、配属先、身分、氏名」のほかは喋らない訓練を受けていたが、日本兵は日本語で話しかけ(尋問するのは彼ら二世)、フランクにタバコをすすめて質問すると、簡単に軍の機密をしゃべったと言っていた。それは捕虜になったら「死ね」だけの日本兵にとって不必要なものだったのだろうが・・・とても複雑な気持ちになった。

※日系四世の世界的るんるんウクレレ奏者ジェイク・シマブクロさんが最初のシーンに出てきた。
えっ?と驚いてしまい、言われた言葉を聞き逃してしまった。おじい様のことだったのだろうか・・。


『蛇イチゴ』西川美和監督/今池キノシタホール
 明智家の娘・倫子は真面目で優秀。学校の教師だ。同僚教師と将来は結婚しようとしていた。
彼女の父は働き者。優しい母はボケている義父を世話している。

その祖父が亡くなり、葬式に10年ほど行方不明だった長男・周治が姿を現わした。
それから一家の雰囲気が一変するが・・・。

公開当時に観ているが、西川美和監督作品で一番好きな作品なのでもう一度鑑賞した。

やっぱりこの作品が好きだ。あとの作品は「ゆるみ」がなく、きちきちのパズルが収まった感じがする。
計算しつくされたっていう感じかな?それが気に喰わない。

でもこの作品には「辛いと思って食べてみたけど、案外そうでもないわ。ね、辛くないよね・・・」と話しながら食べているうちに「う・・辛い、辛くなったわぁ、お水、お水」という展開に、間があるところがいい。
そして家族それぞれが持つ「隠し持った悩み」が底にとごんでいるのもいい。
なにかのきっかけ(ここでは祖父の葬式)で、とごんでいたものが、ぱぁ〜っと広がっていく様も見事。
最後のシーンも見事。

『カミハテ商店』山本起也監督/シネマテーク
 上終(かみはて)と呼ばれる山陰の町に、自殺の名所となっている断崖絶壁があり、その近くに小さなパン屋や雑貨を扱う古い店があった。
初老の女性・千代が店をやっていたが、そこには連日、自殺したい者たちが訪れて・・・。

期待はずれの作品。シリアスかな?と思って観ていたが、知能の低い(牛乳配達で2本を1本にしたいが、彼には通じないので諦めるシーンがある)青年が出てくるがバイクを運転している。「免許とれたんかい?」と聞いてみたくなった。
千代も自殺者を止めるでもなく、黙っている・・・そして断崖に残った靴だけを家に持ち帰る。
町も自殺名所になるのは困るといいながら何も手立てはしない・・・立て札一枚もなかった、と思うが途中眠い(睡眠)寝たのでわからない。
高橋恵子が23年ぶりに主演とはいっても、何年か前の『ふみ子の海』の助演の方がインパクトがあった。

『カルフォルニア・ドールズ ニュープリント版』ロバート・アルドリッチ監督/アメリカ/1981年/シネマテーク
 ブルーネットのアイリス(ヴィッキー・フレデリック)は気が強く、ブロンドのモリー(ローレン・ランドン)は陽気な人柄。2人はプロポーション抜群で美人のレスラーだ。
マネージャーのハリー(ピーター・フォーク/コロンボ刑事)は良き相談相手でもあるが、喧嘩相手でもある。彼は2人を一流にするため、いろんな興行師に頼み込んだり。プロダクションに売り込んだり、嫌がる彼女らの機嫌をとったりで、毎日頑張っている。

 マネージャーのハリーはコロンボ刑事さんだ!ニッポンのミミ萩原とジャンボ堀も出ていた。
真剣勝負と思いきや、楽屋では敵味方「つい、本気だしてごめん」「そんなの気にしない。お客さん大喝采じゃない!」とハグしている時もあって、「なんだ、ショーみたいなものかぁ」とあまり詳しくない私はホッとしたが、それは、始めのうちだけ。
人気が上がるに連れて、駆け引きや「やったらやり返せ」などでエスカレートしていくのだ。
わーい(嬉しい顔)プロレス好きには堪らない作品。
 闘う痛いシーンが好きじゃない人も、マネージャーのハリーのケチケチぶり、アー言えばコー言うジョーク、それに、それに、闘うときとはまったく違う2人の純情さと愛らしさがとってもいい。会場はほぼ満員。

posted by mikiko at 15:05| Comment(1) | ミッキーの映画日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする