昨年9月に開催された「あいち国際女性映画祭2012」で女性監督によるショートフィルムのコンペティションが初めて企画された。ほかの上映と重なって映画祭では観られなかったので、大須のシネマカフェで上映されると聞いて参加した。
上映されたのは3作品。
『つきのひかり』(2011年/18分/日本)監督:伊藤晴菜 出演:朝妻徹、椎名琴音
高校生の良太は、ピアノの音色に引きつけられ、音楽室に足を運ぶ。そこでは見知らぬ少女がピアノを弾いている。懐かしさを呼び起こされた良太の心は、子供のころへと還っていく。ドビュッシー「月の光」にのって過去との「邂逅」を描く。
・雰囲気だけで起承転結がしっかりしていない。ピアノの音に誘われて行くのだが、明らかに音は違う方向から聴こえてくるので、技術的に難あり。
『春節』(2012年/15分/中国)監督:曹静(ツァォ・チン)出演:シュ・ティェン、チン・ミン★あいち国際女性映画祭2012ショートフィルムコンペティション 準グランプリ受賞作品
30歳になるリーは、地方から北京に出てマッサージ店で働いている。恋人のチャンとは一緒に家を買う約束なのだが、春節を前に岐路に立たされることになる…。
彼女の携帯には親の要望、不動産会社からは手付金の要求、恋人とは連絡がつかない・・・。
中国映画やドキュメンタリーで見慣れてしまった「お金」にまつわるお話で、これも雰囲気だけで面白みはない。
『ボトルシップ』(2012年/31分/日本)監督:金谷真由美 出演:岩谷健司、内田量子★あいち国際女性映画祭2012ショートフィルムコンペティション グランプリ受賞作品
サラリーマンの谷川は、ボトルシップが趣味で、マイホームを手に入れることに必死な嫁に小言をいわれる毎日。それならばと小遣い稼ぎのため妻に内緒で、バー「ロマン」の日替わりマスターを始める。
これが案外向いていて居心地の良さを感じる谷川だったが・・・。
・グランプリ作品だけはある!夫婦のやり取りも現実的で、行動も突飛なところは無い。きめ細かに気配りができている作品。起承転結がしっかりしていて、オチも見事!
東京試写で、偶然、知り合いになった女優・内田量子さんが、がめつくて口やかましい妻を演じていた。
実際は楚々とした美人なのに・・・、やっぱり女優さんだ!