(シネジャ作品紹介:
http://www.cinemajournal.net/review/2010/index.html#herb_dorothy)
1960年、郵便局員のハーブは図書館司書のドロシーの知的な姿に惹かれ結婚。ハネムーンでワシントンDCのナショナルギャラリーを訪れます。それまでドロシーはアートに疎かったのですが、ハーブの影響で興味を持つようになります。夫妻はつつましいお給料の中から自分たちの目に叶った現代アートを買い集めるようになります。自宅にところ狭しと置かれたアート。置き場は限られているので、壁や天井も埋め尽くされ、ベッドの下にも積むうちベッドはどんどん高くなっていきます。二人の好みは、一般の人が見ればどちらかというと美しさには欠けるハードな作品。けれども、プロから見れば二人の目は確かなもの。アーティストから直接購入することがほとんどで、安く買い叩いていると批判されることも多々。膨大になったコレクションを、二人はある日、すべてナショナルギャラリーに寄付する決意をします。
1箇所では収まりきらないコレクションは、50州にあるギャラリーに分散して保管されることになってしまいます。
3時からの上映終了後、ニューヨーク在住の佐々木芽生監督が登壇。続編である『ハーブ&ドロシー 50x50(原題)』(日本公開タイトル『ハーブ&ドロシー ふたりからの贈りもの』)を撮るに至った思いを語ってくださいました。監督は、あらためて二人のコレクションをインディアナポリスの美術館で見て、4年間2人を追っかけてきたのに、2人のことが全然わかってなかったと気付いたのだそうです。俳優の舞台裏を見ながら、実際の舞台を見ていない思い。50州全部は回りきれず、10州のギャラリーを訪ね、アートって何?
と、アートにまつわるお金や名声についても考えてみたそうです。アート探しの旅として撮り始めた続編ですが、2012年夏、ハーブが亡くなり、ドロシーはコレクションの終了宣言をします。まさしく映画は完結編となることに。現在、3月30日からの日本公開に向けて、字幕のチェックなど最終調整中とのことです。ドロシーも密かに日本語を勉強して、来日に備えているとか。また、日本全国での公開を目指して、現在、1000万円を目標に寄付を募っています。詳細は、こちら→ http://www.herbanddorothy.com/jp/
賛同された方は、是非ご協力を!
現代アート、幼馴染の同級生が毎年出展する展覧会にほぼ義理で行くのですが、本人も「感想はええからね」と言ってくれるくらい、わからない世界。笑
でも、この映画は、現代アートはちょっと苦手な私にも、ハーブとドロシーの人間ドラマとして興味深く観れました。続編の『ハーブ&ドロシー ふたりからの贈りもの』も楽しみです。(咲)