2013年01月17日

1月16日水曜「ミッキーの映画日記」『鈴木先生』



カチンコ『鈴木先生』河合勇人監督/伏見ミリオン/http://www.tv-tokyo.co.jp/suzukisensei/ 

 緋桜山中学の国語担当教師・鈴木先生(長谷川博己)は、手のかからない普通に見える生徒たちほど、心の中にいろんなものを抱えていると感じ、独自の教育理論で理想のクラスを作ろうと毎日奮闘していた。
だが、ひそかに気に入っていた一人の女子生徒・小川蘇美(土屋太鳳)の清純な魅力にとりつかれ、良からぬ妄想をすることもあった・・・。


 武富健治の漫画が基。もちろん漫画は見ていないが、バイオリンの「鈴木メソッド」を思い出させるキャッチコピーだったので、あまり期待しないで観た。
バイオリンの方は、まず何回も教材のテープを聴かせて弾かせる方法だ。だから音感はいいが、さて受験になると「えっ、こんな難しいコンチェルトを弾いているのに楽譜が読めない?」と困ってしまった経験が何回もあった。そんな経験から期待しなかったのだが、この作品は上出来!

それは、最初に学校を全体で捉えるシーンが何回か出てくるが、その「感じ」がいつもの学校ものとは違うことに気付いた。どのシーンにも影の部分が必ずあるのだ。これで言わんとすることがわかり、腰をすえて観た。

学校内部で、社会が、人間が、隠し持った狂気が、再生する力が、見事に描かれていた。
なぜか、説教はあっても臭みがなく、久しぶりに教育関係の4名の方にphone toオススメメールを送ってしまった。


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1月15日火曜「ミッキーの映画日記」『故郷よ』


カチンコ『故郷よ』ミハル・ボガニム監督/フランス、ウクライナ、ポーランド、ドイツ/シネスイッチ銀座他にて2月9日公開/http://kokyouyo.ayapro.ne.jp/

 1986年4月26日。チェルノブイリの隣町プリピャチで、アーニャとピョートルは結婚式を挙げていた。その同じころ、ヴァレリー少年は原子力発電所の技師である父アレクセイと林檎の木を川べりに植えていた。その近くの森の管理人が草木の異変に気付くが・・・。

これ3回目。観るたびに結末がわかっているのに「事故が起こりませんように」と祈り、「百万本のバラ」を涙なしでは聴けなくなる・・・そんな感情がだんだん高まってくる作品。

どうして技師であった父は妻子のところに戻らず、放浪して、あう人あう人に名前と出身地を聞いているのか、その疑問を解きたいがために3回目を観た。が、はっきりとはわからなかった。

妻の実家や親戚の場所を知らないわけじゃないのに・・・記憶喪失か?それとも自分の家族だけヨードを飲ませ遠くに行かせた責苦で「二度と家族に会わない」と神に誓ったのか・・・。

妻はもう十年になるから諦めから「もう死んだのよ」と言っているが、高校生くらいに成長したヴァレリーは、危険を承知で元住んでいたプリピャチの家に戻り「父さん、○○にいるよ」と書置きしている。

このヴァレリー少年そのものを監督さんは「希望」として描いているように感じた。
posted by mikiko at 01:40| Comment(1) | TrackBack(0) | ミッキーの映画日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする