『鈴木先生』河合勇人監督/伏見ミリオン/http://www.tv-tokyo.co.jp/suzukisensei/
緋桜山中学の国語担当教師・鈴木先生(長谷川博己)は、手のかからない普通に見える生徒たちほど、心の中にいろんなものを抱えていると感じ、独自の教育理論で理想のクラスを作ろうと毎日奮闘していた。
だが、ひそかに気に入っていた一人の女子生徒・小川蘇美(土屋太鳳)の清純な魅力にとりつかれ、良からぬ妄想をすることもあった・・・。
武富健治の漫画が基。もちろん漫画は見ていないが、バイオリンの「鈴木メソッド」を思い出させるキャッチコピーだったので、あまり期待しないで観た。
バイオリンの方は、まず何回も教材のテープを聴かせて弾かせる方法だ。だから音感はいいが、さて受験になると「えっ、こんな難しいコンチェルトを弾いているのに楽譜が読めない?」と困ってしまった経験が何回もあった。そんな経験から期待しなかったのだが、この作品は上出来!
それは、最初に学校を全体で捉えるシーンが何回か出てくるが、その「感じ」がいつもの学校ものとは違うことに気付いた。どのシーンにも影の部分が必ずあるのだ。これで言わんとすることがわかり、腰をすえて観た。
学校内部で、社会が、人間が、隠し持った狂気が、再生する力が、見事に描かれていた。
なぜか、説教はあっても臭みがなく、久しぶりに教育関係の4名の方にオススメメールを送ってしまった。