2013年03月12日

3月11日月曜「ミッキーの映画日記」『君と歩く世界』『愛、アムール』


カチンコ『君と歩く世界』ジャック・オディアール監督/フランス、ベルギー/4月6日公開
ステファニー(マリオン・コティヤール)は水族館アミューズメントパークのシャチの調教師。
ショウの事故でシャチが驚いた拍子に襲われてしまい、膝から下の両足を失う。
孤独な生活を送るステファニーは、事故以前にちょっとしたことで助けてもらった男・アリ(マティアス・スーナーツ)に電話をかけてみた。

主役は見た目も性格も荒っぽい貧乏男・アリだ。
彼には小さな男の子がいて、姉のアナ(コリンヌ・マシエロ)の住む地アンティーブを目指して、
ゴミ漁りや万引きをしながらやっとたどり着くのだ。
姉さん夫婦もメチャ貧乏で、スーパーのレジで働き、期限切れの食料品を黙って持ってきて生活している。
狭い部屋でも貧乏でも弟親子を気持ちよく受け入れる様子を見て、ホッとした。

この設定、日本ではちょっと出来ない相談だ。
長い間会ってなくて、貧乏も染み付いている姉弟だが、情はちゃんと通わせているところがいい。
そんな彼が用心棒として雇われた店で、調教師のステファニーが酔っ払いに絡まれているところを助けたのだ。この時は彼女は健康な身体だった。

事故の後、二人は急接近するが、すべてトントン拍子にはならず、
彼らが人生と格闘している姿を、フランス社会の底辺生活を絡めて、赤裸々に観せてくれる。

※去年観たサメに喰われてしまったハワイのサーファー映画『ソウル・サーファー』もそうだったが、
体の一部分が無い状態をうまく映している。CG技術の進歩に今さらながらに驚く。

カチンコ『愛、アムール 』ミヒャエル・ハネケ監督/フランス、ドイツ、オーストリア/127分

 音楽家の老夫婦ジョルジュとアンヌはパリのアパートで仲良く豊かな老後生活を送っていた。
だが突然、妻アンヌが病に倒れ、手術の失敗から体が不自由になる。
「二度と病院には入れないで」というアンヌの願いを聞き入れ、自宅で暮らすことにしたが・・・。

 始めから終わりまで「現実」という刃を突き付けられているようだった。ぐったりした。
月曜の朝一で8割の観客。その中には老夫婦もかなりおられた。
フランスは個人主義のお国柄ときくが、正確な台詞じゃないかもしれないが、
ジョルジュが「苦しみの元は始めにあった」という意味の言葉に共感した。
「老後」なんてまだまだと先延ばしにしている人に
「老後に、愛とお金があればOKなんて思っていても駄目だよ」と、言われているようだった。

 娘の立場もわかる気がするだけに、なんだか重く感じ入ってしまった。
この作品は一人でご覧になるより気心の知れた方と一緒がいい。
後からお話する材料はたっぷりある。

※知人が介護施設の入っているので、時々身の回りの世話をされている様子を垣間見るが、
とても細やかにシャンプーして、最後に「鏡で後ろを見ます?」と呼びかけていた。
当たり前と思っていたが、今度お会いしたら頭を下げたい。
posted by mikiko at 09:51| Comment(0) | TrackBack(0) | ミッキーの映画日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする