上映は前編のみ(第一部:太陽旗/144分)。
自然の中で生きるセデック族の暮らしが丁寧に描かれます。
狩猟民族の彼らは勇猛果敢、戦って死ぬことを恐れません。祖先から伝えられた土地と決まり事を守り、虹の橋の向こう(天国)に父祖たちが待っていると信じています。狩場をめぐっての部族間の戦いでは、敗者の首を狩ることで真の男と認められ、勇者のしるしの刺青を施すことができます。
台湾は日清戦争後、日本の植民地として割譲されました。日本人は先住民族の文化・慣習を野蛮と切り捨て、蛮族としてさらに差別します。誇り高い彼らは、全てを否定され踏みにじられることに不満が募っていき、ついに武装蜂起(彼らには血の儀式)してしまうのです。ここまでが前編。日本人としては辛い場面もありますが、ロケーションも台湾全土を回って集めたというセデック族を演じるひとたちも素晴らしい!! 絶対後編も観にいかなくっちゃ。 本日20日よりユーロスペースほかで公開。
上映後、三澤真美恵(日本大学教授、台湾映画史研究者)さんを進行役に、ウェイ・ダーション監督、松岡格氏(獨協大学准教授、台湾の先住民を研究)のトークシセッションが行われ、映画の背景となる歴史の説明、制作のきっかけやご苦労、映画公開までの道のりなどを聞くことができました。
ダーション監督は最後に「この映画を観て、重い気持ちになっていると思いますが、それを変えるには、後編を観ることです」としっかり後編を宣伝、「皆様はこのロングバージョンを初めて観た(大阪アジアン映画祭では上映済み)方々になるので、ぜひ宣伝にご協力ください」と念を押されましたので、ここで見せていただいたお礼にご報告。
★シネジャHPに別の日の会見&インタビューの詳しい記事があります。
http://www.cinemajournal.net/special/2013/seediq/index.html
2013年04月20日
2013年04月18日
4月17日水曜「ミッキーの映画日記」何も観ない日、1円も使わなかった日、非常用持ち出し袋を点検した日。
2週間に1回ほど家から出ない日を作っている。今日がその日。
マンションのロビーに郵便を見に行っただけだ。
地震情報がたくさん入ったので3ヶ月に1回やっている非常袋を点検した。
ついでにリュックも空っぽにして点検したら、なんと数年前から入れたままになっていた映画関連本が2冊出てきた。きっと避難先の体育館などで暇なときに再読しようと思って入れたようだ。非常時に何を考えているのだろうと我ながらあきれる。
浜野佐知さんの「女が映画を作るとき」と松江監督のサイン付きの「あんにょんキムチ」思わず点検もそのままに、ザザッと読んでしまった。
2冊ともすごく読みやすく面白かった。(お読みになりたい方に差し上げますよ)
この日は寝巻き(よれよれの綿セーターと綿パン)で過ごして、
顔も洗わず、1日外出せず、1円も使わなかった。
2013年04月17日
三國連太郎さんとの思い出 (咲)
三國連太郎さんご逝去の報に、思えば、これまでに2回お話する機会があったと懐かしく思い出しました。
日本イラン合作映画『風の絨毯』(2002年)で、高山の祭屋台のために絨毯をイランに発注する大旦那役を演じた三國連太郎さん。そのモデルになった飛騨高山の事業家・中山金太さんの功績を描いたドキュメンタリー『平成職人の挑戦』(2004年)では語りを務められたのですが、完成披露試写会の後の懇親会で思い切ってお声をかけてみました。『風の絨毯』の東京国際映画祭上映の折の舞台挨拶の時に、王政時代のイランにいらしたことがあるとおっしゃっていたので、そのことをちょっとお伺いしたかったのです。どんなお話をしてくださったのかは忘れてしまいましたが、その後に「実は、私の父が三國連太郎さんと同じ写真に写ったことがありまして・・・」と申し上げたら、「おや、そうですか」と、釣りバカ日誌のスーさんさながらの優しいまなざしをいただきました。

『風の絨毯』舞台挨拶 2002年10月29日
次にお話したのは、前述の中山金太さんの一代記「わしゃ、世界の金太!〜平成の大成功者と5人の父〜」(高山秀実著・毎日新聞社発行)の出版を祝う会の時のことでした。
その時のお祝いの言葉がとても素敵だったのを思い出し、スタッフ日記を探してみたら、ちゃんと書いていました。
という次第で、2006年9月第5週のスタッフ日記から引用です。
「益田さんという楊貴妃のような女性に騙されて、金太さんを紹介され、 映画に出ろと言われたんです。私、実は出演料高いんです。その100分の1位の額を言われ、さて、何の縁もないのに・・・と思いながら、金太さんとお付き合いしている内に、こんなお話を聞きました。 地質学者の方が、飛騨高山では温泉は出ないというのに、どうしても温泉を掘り当てたい。 3本同時に掘って、1970m掘ったところで、ついに温泉が出たのですが、 金太さんは、あと39m掘って欲しいと。なぜ?とお伺いしたら、サンキューベリーマッチだと。 自分の生き様を大事にしていらっしゃる方だなぁと感じて、 ささやかな出演料でも出てよかったなぁと・・・」

三國連太郎さんと楊貴妃のような益田祐美子さん

三國連太郎さんと金太さんご夫妻
金太さんも、その後、まもなく天国に召されました。きっとあちらの世界で三國連太郎さんを暖かくお出迎えされていることでしょう。
ご冥福をお祈りもうしあげます。合掌
日本イラン合作映画『風の絨毯』(2002年)で、高山の祭屋台のために絨毯をイランに発注する大旦那役を演じた三國連太郎さん。そのモデルになった飛騨高山の事業家・中山金太さんの功績を描いたドキュメンタリー『平成職人の挑戦』(2004年)では語りを務められたのですが、完成披露試写会の後の懇親会で思い切ってお声をかけてみました。『風の絨毯』の東京国際映画祭上映の折の舞台挨拶の時に、王政時代のイランにいらしたことがあるとおっしゃっていたので、そのことをちょっとお伺いしたかったのです。どんなお話をしてくださったのかは忘れてしまいましたが、その後に「実は、私の父が三國連太郎さんと同じ写真に写ったことがありまして・・・」と申し上げたら、「おや、そうですか」と、釣りバカ日誌のスーさんさながらの優しいまなざしをいただきました。

『風の絨毯』舞台挨拶 2002年10月29日
次にお話したのは、前述の中山金太さんの一代記「わしゃ、世界の金太!〜平成の大成功者と5人の父〜」(高山秀実著・毎日新聞社発行)の出版を祝う会の時のことでした。
その時のお祝いの言葉がとても素敵だったのを思い出し、スタッフ日記を探してみたら、ちゃんと書いていました。
という次第で、2006年9月第5週のスタッフ日記から引用です。
「益田さんという楊貴妃のような女性に騙されて、金太さんを紹介され、 映画に出ろと言われたんです。私、実は出演料高いんです。その100分の1位の額を言われ、さて、何の縁もないのに・・・と思いながら、金太さんとお付き合いしている内に、こんなお話を聞きました。 地質学者の方が、飛騨高山では温泉は出ないというのに、どうしても温泉を掘り当てたい。 3本同時に掘って、1970m掘ったところで、ついに温泉が出たのですが、 金太さんは、あと39m掘って欲しいと。なぜ?とお伺いしたら、サンキューベリーマッチだと。 自分の生き様を大事にしていらっしゃる方だなぁと感じて、 ささやかな出演料でも出てよかったなぁと・・・」

三國連太郎さんと楊貴妃のような益田祐美子さん

三國連太郎さんと金太さんご夫妻
金太さんも、その後、まもなく天国に召されました。きっとあちらの世界で三國連太郎さんを暖かくお出迎えされていることでしょう。
ご冥福をお祈りもうしあげます。合掌
2013年04月16日
4月13日土曜「ミッキーの映画日記」とことこ歩いて7分。 「花コリ」アニメ2012観客賞第3位までの作品をみる。
今日も名古屋地下鉄大須観音にあるTheaterCafeに行った。

1位の『ハトは飛ばない』の監督ユン・イグォンさんとは、シネマコリア代表・西村氏の司会によるインターネット通信でトークが行われた。
小さなシネマカフェとソウルの監督さんの仕事部屋が繋がっているなんてとっても不思議な感じだ。
この作品は短編だが20分ちかくあり、私好みのブラックなものだった。1度観ているはずだったが細かい描写など忘れている。
『city』と観客賞の1位が競ったらしいが、それもそのはずだと納得。
画面に映る監督さんは細身の優しそうな青年でご自宅の仕事部屋のようだった。
私が「お部屋の隅々までよろしければ見せてください」と図々しく言うと、
ノートパソコンを動かして見せてくださった。

この他に私が1番去年感動した第2位の『city』、第3位の『片想い』を上映したが、改めて監督さんたちの実力のほどを再確認した。
短編アニメを丁寧にじっくり観ると2時間ものの映画作品と同量の内容と含蓄があるので今さらながらに驚く。
今週末(4月20、21日)には東京で「花開くコリア・アニメーション2013」が始まる。
もちろん上京する予定だ。もっと1本1本をじっくり観なきゃ

※以下は「花開くコリア・アニメーション2013」の情報です。東京、大阪、そして名古屋と開催されます。是非お出かけください。
Korean Independent Animation Film Festival
★花開くコリア・アニメーション2013★
今年も満開のコリア・アニメーション☆
韓国の今をユニークに語る短編28作と、長編初のカンヌ招待作<豚の王>を独占上映!
花開くコリア・アニメーション、略して花コリ!
今年で開催6回目を迎える、花開くコリア・アニメーション2013。
今回も、韓国唯一のインディーズ・アニメーション映画祭「インディ・アニフェスト」の最新ノミネート作品のうち、選りすぐりの短編28本を
「恋?愛!サラン!!」 「世界は万華鏡」 「心の扉をノック」の3つのテーマに分けてご紹介します。
今年はなんと、韓国長編アニメーションとして初のカンヌ国際映画祭出品を果たした『豚の王』(ヨン・サンホ監督)の上映も実現!
さらに東京会場では、『Noodle Fish/でこぼこ魚』でインディ・アニフェスト2012グランプリ、ワルシャワ国際映画祭2012アニメーション部門最優秀賞等を受賞し、国内外の観客を魅了した‘麺アニメーション’作家キム・ジンマン氏を招待し、自身の世界観や制作秘話について熱く語って頂きます。
Aプロ:恋?愛!サラン!!(78min/9作品)
Bプロ:世界は万華鏡(77min/9作品)
Cプロ:心の扉をノック(77min/10作品)
長編特別上映「豚の王」
トーク:日韓作家をゲストに迎えて
水江未来氏とインディ・アニフェスト2012大賞ストップモーション作家キム・ジンマン氏
会場でDVD物販も有。
日程:2013年4月20日(土) 〜 4月21日(日)(2日間)
場所 :アップリンク・ファクトリー(渋谷)
アクセス: http://www.anikr.com/2013/m_tokyo.html
主催:UPLINK、韓国インディペンデント・アニメーション協会(KIAFA)
後援:大韓民国文化体育観光部、韓国文化院、日本アニメーション学会、日本アニメーション協会
*東京後、大阪、名古屋と巡回予定。
■大阪:5月11日(土)〜16日(木)
■名古屋:5月18日(土)・19日(日)
最新情報はTwitterをフォローしてゲット! http://twitter.com/anikr2013
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詳細はリニューアルした公式HPで!
↓
http://www.anikr.com
2013年04月15日
4月12日金曜「ミッキーの映画日記」関根恵子『高校生ブルース』から高橋恵子『カミハテ商店』へ

16歳の高校生・美子は同じクラスの昇と愛し合い、体の関係を結ぶが妊娠してしまう。
昇は中絶費用を捻出するためにアルバイトをするが、美子は中絶しか頭に無い昇に「本当に愛しているのか」と詰め寄る。
名古屋・今池のキノシタホールでこの2作品が同時上映されていた。
いまから40年以上も前に、この大胆な役に挑んだ女子高校生・関根恵子が『カミハテ商店』の高橋恵子演じる千代そのもののように感じた。
以前に『カミハテ商店』は観ていたが、そのまま続きでもう一度観たくなった。
姿かたち、心持ちが「純のまま良い年輪」を重ねている女優さんだ。
最初に観た感想とはまったく違う

年に何度行かない映画館だがこんな企画をしているなんて、名古屋は、センチュリーもキノシタホールもなかなかやるわい!と

※昇の友人に篠田三郎が出ていた。真面目一方のイメージしかなかったが、育ちの良い不良高校生を好演していた。