
カソリックの神父による性的虐待を描いたドキュメンタリー映画。
教会に属する聾唖学校の寄宿舎において、約25年間にわたってマーフィー司祭が少年たちに性的虐待をしていて、200人以上の犠牲者がいた。それを訴えてもバチカンはつい最近までマーフィー司祭になんのアクションもおこしていなかった。
手話と喉から搾り出すような声で訴える数人の中年男性は、もう昔のことは思い出したくないはず。
過去の忌まわしい記憶が言葉ではなく、彼らの表情や手の動きで、当時の辛さや今もって癒えない心のうちが伝わってきた。
『GONZO〜ならず者ジャーナリスト、ハンター・S・トンプソンのすべて〜』や『ヤバい経済学』の監督さん。

1990年代に実際に起きた事件をドキュメンタリー風に作られている。
テキサスに住む13歳の少年ニコラスが忽然と姿を消した。その3年後、彼はスペインで生きていることが判明。彼はいろんな出来事のショックで記憶喪失になっていた。すぐに家族に会うが、その少年はニコラスとは似てもいなかったが、家族は受け入れてしまう。
家族が気付かないなんて信じられないが、13歳までいたのだからまわりからも違うと噂が広がったのだろう。ある研究者が耳かあごの線か忘れたが、ニコラスとは違うと発表して、とうとう詐欺ということがばれてしまう。
報道などで、ニコラスの環境などはちゃんとわかっているから話しは会わせることができたのだろう。それにしても家族の気持ちがわからない。
この男は刑務所を出てから、どこぞで家族を持って暮らしているらしい。
本物のニコラスは未だに行方知れずだ。
※原題は詐欺師の意味だ。それは後で知ったが、意味がわかっていたらこんなに心配しながら観なかったのに!

『SIDE EFFECTS』スティーブン・ソダーバーグ監督/アメリカ
夫が(チャニング・テイタム)インサイダー取引の罪で刑務所に入っていたが出所することになった。
喜んでいいはずの妻・エミリー(ルーニー・マーラー)はなぜか不安を感じ激突自殺(このシーンにはびっくり)を図ってしまう。
どうにか命は助かったが、担当の精神科医ジョナサン・バンクス(ジョード・ロウ)は、不安を感じながらも、通院治療することに決めた。
彼女の行動は正常異常の落差が激しく「薬は恐いと言えどもこんなに危険な薬ってどんなものだろう」と疑問が湧く。彼女の以前の精神科医ビクトリア(キャサリン・ゼダ・ジョーンズ)が、ここでは

えっ!

サイド・エフェクトとは副作用のことだが、薬って恐いよ〜

1939年6月。第32代アメリカ大統領フランクリン・ルーズベルト(ビル・マーレイ)と妻のエレノア(オリヴィア・ウィリアムズ)は、ハドソン川沿いのハイドパークにある広大なルーズベルトの別荘に、英国王夫妻(『英国王のスピーチ』のご夫婦)を招待していた。
英国の君主が初めてアメリカに来るのだ。新聞記者たちも待ち構えている。
もっと緊張してお迎えするものと思っていたら、軽んじてはいないが「アメリカ式」にフランクにいきたいルーズベルト。昼にはホットドッグを出すんだとか「冗談でしょ?」と思うが、それをやってしまうルーズベルト。
この時代のアメリカとイギリスの力関係がそうさせるのかなと興味を覚えた。
ビル・マーレイのお茶目な表情、歴史的史実を軽いタッチで描かれているこの作品は『英国王のスピーチ』同様、ヒットすると思う。