2013年04月06日

3月31日日曜「ミッキーの映画日記」シドニーで映画最終日頑張って4作品『Silence in the House of God』『The Imposter』『SIDE EFFECTS』そして今秋公開の『Hyde Park on Hudson』


カチンコ『Silence in the House of God』アレックス・ギブニー監督/アメリカ、アイルランド

カソリックの神父による性的虐待を描いたドキュメンタリー映画。
教会に属する聾唖学校の寄宿舎において、約25年間にわたってマーフィー司祭が少年たちに性的虐待をしていて、200人以上の犠牲者がいた。それを訴えてもバチカンはつい最近までマーフィー司祭になんのアクションもおこしていなかった。

手話と喉から搾り出すような声で訴える数人の中年男性は、もう昔のことは思い出したくないはず。
過去の忌まわしい記憶が言葉ではなく、彼らの表情や手の動きで、当時の辛さや今もって癒えない心のうちが伝わってきた。
『GONZO〜ならず者ジャーナリスト、ハンター・S・トンプソンのすべて〜』や『ヤバい経済学』の監督さん。

カチンコ『The Imposter』バート・ライトン(Bart Layton)監督/イギリス

 1990年代に実際に起きた事件をドキュメンタリー風に作られている。
テキサスに住む13歳の少年ニコラスが忽然と姿を消した。その3年後、彼はスペインで生きていることが判明。彼はいろんな出来事のショックで記憶喪失になっていた。すぐに家族に会うが、その少年はニコラスとは似てもいなかったが、家族は受け入れてしまう。

家族が気付かないなんて信じられないが、13歳までいたのだからまわりからも違うと噂が広がったのだろう。ある研究者が耳かあごの線か忘れたが、ニコラスとは違うと発表して、とうとう詐欺ということがばれてしまう。

報道などで、ニコラスの環境などはちゃんとわかっているから話しは会わせることができたのだろう。それにしても家族の気持ちがわからない。

この男は刑務所を出てから、どこぞで家族を持って暮らしているらしい。
本物のニコラスは未だに行方知れずだ。

※原題は詐欺師の意味だ。それは後で知ったが、意味がわかっていたらこんなに心配しながら観なかったのに!バッド(下向き矢印)

『SIDE EFFECTS』スティーブン・ソダーバーグ監督/アメリカ
 夫が(チャニング・テイタム)インサイダー取引の罪で刑務所に入っていたが出所することになった。
喜んでいいはずの妻・エミリー(ルーニー・マーラー)はなぜか不安を感じ激突自殺(このシーンにはびっくり)を図ってしまう。
どうにか命は助かったが、担当の精神科医ジョナサン・バンクス(ジョード・ロウ)は、不安を感じながらも、通院治療することに決めた。

 彼女の行動は正常異常の落差が激しく「薬は恐いと言えどもこんなに危険な薬ってどんなものだろう」と疑問が湧く。彼女の以前の精神科医ビクトリア(キャサリン・ゼダ・ジョーンズ)が、ここではぴかぴか(新しい)メガネ美人で出てくる。だが、「なんだか用心しなきゃ」と思わせる恐い表情だった。

えっ!がく〜(落胆した顔)と驚く場面が思いがけないときに入るのでインパクトがあった。
サイド・エフェクトとは副作用のことだが、薬って恐いよ〜

カチンコ『Hyde Park on Hudson(ハイド・パーク・オン・ハドソン)』ロジャー・ミッチェル監督/イギリス/今秋公開

 1939年6月。第32代アメリカ大統領フランクリン・ルーズベルト(ビル・マーレイ)と妻のエレノア(オリヴィア・ウィリアムズ)は、ハドソン川沿いのハイドパークにある広大なルーズベルトの別荘に、英国王夫妻(『英国王のスピーチ』のご夫婦)を招待していた。

英国の君主が初めてアメリカに来るのだ。新聞記者たちも待ち構えている。

もっと緊張してお迎えするものと思っていたら、軽んじてはいないが「アメリカ式」にフランクにいきたいルーズベルト。昼にはホットドッグを出すんだとか「冗談でしょ?」と思うが、それをやってしまうルーズベルト。

この時代のアメリカとイギリスの力関係がそうさせるのかなと興味を覚えた。
ビル・マーレイのお茶目な表情、歴史的史実を軽いタッチで描かれているこの作品は『英国王のスピーチ』同様、ヒットすると思う。
posted by mikiko at 19:20| Comment(0) | TrackBack(0) | ミッキーの映画日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

試写とzine展

(千)さんと『極妻〜』試写でいっしょになり、次の『最後のマイウェイ』までの空き時間に、シネジャを展示していただいている奥野ビル6F「銀座モダンアート」へ行ってきました。銀座松屋裏の昭和レトロなビルですので、すぐわかります。1Fから手動式(!)のエレベーターで上がり、ちょっと奥まった部屋で「zine展」が開催中。zineはmagazinのジン。全国からミニコミが集まっていて、工夫をこらした装丁の可愛い本もいっぱい。どうみてもこのお値段では赤字になるでしょう、と思えるものも多く作り手の愛が伝わってきます。

〒104-0061東京都中央区銀座1-9-8 奥野ビル608
4月16日(火)12:00〜19:00(最終日は17時まで)IMG_5097.JPG

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posted by shiraishi at 13:39| Comment(3) | TrackBack(0) | イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

3月30日土曜「ミッキーの映画日記」シドニーで映画『PERFORMANCE』『The loneliest planet』そしてニコール・キッドマン主演の『The paperboy』


今日は歩いて8分の映画館に行く。
ここはちゃんと会員になっている。シニア料金いつでも8ドルで、4回行けば1回ただ。
だから32ドルで5本観られる。

カチンコ『PERFORMANCE』ヤーロン・ジルバーマン監督/アメリカ/原題が『A LATE QUARTET』邦題『25年目のカルテット』/今年7月公開予定


実績を積み上げてきた弦楽四重奏(第1バイオリン、第2バイオリン、ビオラ、チェロ)の1人であるチェロ奏者(クリストファー・ウォーケン)がパーキンソン病の診断を受けたのをきっかけに、メンバーたち4人の気持ちの変化を静かに捉えている。

音楽を聴かせるのを目的にはなっていないが、音楽家の生活などが、きめ細かく描かれていたので興味深かった。

この4人の中心の第1バイオリン(フィリップ・シーモア・ホフマン)とビオラ奏者であり妻(キャサリン・キーナー)の微妙な関係に、興味を持った。
今はどうかわからないが、以前は「バイオリンで活躍できない方がビオラに楽器をかえる」とよく耳にした。

この夫婦関係の立ち位置が、チェロ奏者の病気により変わってくるところがうまく描かれている。

でも難を言えば「地味すぎ」。だが、音楽関係者はその静かな中にある「うまみ」に気付くはず。
きっとこの監督さんは音楽家たちの本当の生活、そしてハレの日(演奏会、テレビなど)の対比を心を込めて描きたかったのでないかと感じた。

カチンコ『The loneliest planet』ジュリア・ロクテヴ監督/アメリカ

 結婚を間近に控えた恋人たちアレックス(ガエル・ガルシア・ベルナル)とニカ(ハニ・ファステンバーグ)は、グルジアのコーカサス山脈へトレッキングに出かける。
山歩きのガイド・ダト(この方の動きがよかった。俳優さんというよりそのまま山男っていう雰囲気だった)を雇い、3人で旅を続けるが、いろんなアクシデントの中でお互いの知らない部分をみてしまい・・・。

これは日本公開なしみたいだ。DVDは『孤独の惑星』の邦題で出ている。
監督さんは女性の方だ。心のひだをよく捉えている。

一番の収穫は景色!思わずため息が出た。
こんな広大な山々を狭いDVDに入れてしまってはいけない。大画面で観るべき作品。

トレッキングの道程には危険は常にはらんでいる・・・人生にだってそれは付き物なんだと教えてくれた。

カチンコ『The paperboy』リー・ダニエルズ監督/アメリカ/今年公開予定

ストーリーは正確じゃないかもしれないが、
ジョン・キューザック扮する死刑囚と手紙の文通を通して婚約した彼女シャルロット(ニコール・キッドマン)が彼の無実を証明するために、新聞記者をやっている男・ジャンセン(マシュー・マコノヒー)とその弟ジャック(注目若手ぴかぴか(新しい)ザック・エフロン/ぶらぶらしていて職なし?)を訪ねてくる。
早速、調査を開始するが・・・。

時代設定としては今から30年前くらいだと感じた。異様な作品だった。
依頼にやってきたニコール・キッドマンを見て、彼らたちは一瞬で魅力にとりつかれたはず。
私も「え!これキッドマン?蓮っ葉なキッドマン、いや、それとも違うなぁ、男たらしこみキッドマンかな」と思った。
まだ二十歳前後のジャック(ザック・エフロン)なんて彼女との妄想シーンまで入っていた。
死刑囚を演じるジョン・キューザックはもう「壊れているセックス狂」としか言えない。
ジャンルとしてはサスペンス映画だが、「異空間セックス」など濃厚にして不気味さが漂う作品。
※これを観て、小池栄子主演の『接吻』を思い出した。
posted by mikiko at 12:37| Comment(0) | TrackBack(0) | ミッキーの映画日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする