2013年04月20日

ヤコブへの手紙(2009フィンランド クラウス・ハロ監督)に感動 (海)

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主な登場人物は3名でこんな素晴らしい映画ができる
年老いた盲目の牧師、終身刑から恩赦で釈放され牧師の家で家政婦をする女性、それに唯一外の風を運んでくる郵便配達。
舞台はフィンランドの片田舎。美しい緑にやわらかな陽の光。ぬくもりのある石の家。
たんたんと話しは続くが、ときどきサスペンスあり。たんたんと進行しながらも、登場人物は変化し、内容もどんどん濃くなっていく。いい映画は突然涙があふれ出るが、これがそれ。
泣かすぞ、泣かすぞってあざとさがない。ストーリーも無駄がなくシンプル。
でも心が揺さぶられるんだなあ。
ネタバレになるから言わないけど、私が追っているテーマもこういう角度から描くこともできるんだあ、と感心した。
映画って本当にみて無駄だった思うことがない。ていうのはちょっとウソ、損したと思うことの方が多いけれど、いい映画をみたあとはしばらく幸せな時間に浸ることができる。
映画祭で賞もとってるし、話題になった映画かもしれないが、私、はじめてみました。
posted by izumi at 19:46| Comment(1) | TrackBack(0) | 映画鑑賞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

19日『セデック・バレ』を観に早稲田大学大隈講堂へ(白)

上映は前編のみ(第一部:太陽旗/144分)。
自然の中で生きるセデック族の暮らしが丁寧に描かれます。
狩猟民族の彼らは勇猛果敢、戦って死ぬことを恐れません。祖先から伝えられた土地と決まり事を守り、虹の橋の向こう(天国)に父祖たちが待っていると信じています。狩場をめぐっての部族間の戦いでは、敗者の首を狩ることで真の男と認められ、勇者のしるしの刺青を施すことができます。
台湾は日清戦争後、日本の植民地として割譲されました。日本人は先住民族の文化・慣習を野蛮と切り捨て、蛮族としてさらに差別します。誇り高い彼らは、全てを否定され踏みにじられることに不満が募っていき、ついに武装蜂起(彼らには血の儀式)してしまうのです。ここまでが前編。日本人としては辛い場面もありますが、ロケーションも台湾全土を回って集めたというセデック族を演じるひとたちも素晴らしい!! 絶対後編も観にいかなくっちゃ。 本日20日よりユーロスペースほかで公開。

上映後、三澤真美恵(日本大学教授、台湾映画史研究者)さんを進行役に、ウェイ・ダーション監督、松岡格氏(獨協大学准教授、台湾の先住民を研究)のトークシセッションが行われ、映画の背景となる歴史の説明、制作のきっかけやご苦労、映画公開までの道のりなどを聞くことができました。
ダーション監督は最後に「この映画を観て、重い気持ちになっていると思いますが、それを変えるには、後編を観ることです」としっかり後編を宣伝、「皆様はこのロングバージョンを初めて観た(大阪アジアン映画祭では上映済み)方々になるので、ぜひ宣伝にご協力ください」と念を押されましたので、ここで見せていただいたお礼にご報告。

★シネジャHPに別の日の会見&インタビューの詳しい記事があります。
http://www.cinemajournal.net/special/2013/seediq/index.html
posted by shiraishi at 11:56| Comment(0) | TrackBack(0) | イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする