
「流れる雲よー未来より愛を込めて」(劇団あとりえっじ 作:草部文子 演出:奈美木映里)を笹塚ファクトリーで観劇。作と演出は名前は違うが同じ女性だという。
特攻隊といえば鶴田浩二主演の「雲流れる果てに」でありったけの涙を流した経験がある。
劇でいえば「Winds of God」をニューヨークのオフブロードウェー劇場で観た経験がある。
そのきっかけは、1998年、私が脚本演出したPRビデオの英語教材に出ていただいた英語が得意な若い役者さんが、この劇に出ていると教えてくださり、偶然、NY公演が私がNYUに留学する時と重なったので、一緒に留学した若い仲間を誘って観に行ったのだ。
その役者、尾崎英二郎さんはその後アメリカにわたり、努力の末に「硫黄島からの手紙」で役をつかみ「ラストサムライ」、米人気テレビドラマ「ヒーローズ」や「フラッシュフォワード」に出演、今年のwowow米アカデミー授賞式の現地レポーターもされていたようだ。
本当に礼儀正しい、真面目な好青年で、公演のたびに自筆のお手紙をくださり、三鷹の劇場へは子ども3人を連れて観にいって、記念写真も取らせていただいた経験がある。

なので、大体内容はこうだろう…とわかっていたのですが、やはり泣いてしまった。
あまり劇を見ない私が行ったのは、自作映画「心理学者 原口鶴子の青春」の栃木県の上映会でお世話になった奥様の息子さんが役者で出ているので案内をいただいたのだ。
お母さん、おばあさん、叔母さんもいらしていて、早めに行った私が一番前の席をゲット。
暗闇から舞台が明るくなったら、1メートルもない距離に特攻隊役の彼が座っているではないか。
目の前にご家族がいて、それはそれは驚いただろう!
上演後、入り口で待っていた彼いわく「ヤバイ!」と思ったとのこと。でもすごい熱演でした。
役者さんが、なんていうかこれまでみたコテコテの特攻隊員でなく、柔らかく、優しさ溢れる若者たち。
バックにかかる音楽がユーミンの「ひこうき雲」だし。
彼らにからむモンペ姿の少女たちがみんな可愛い人たちだった。
前列の20代の女性二人、ずーとタオルを持って泣きっぱなし、誰かのファンかしら。
特攻隊の方々のご苦労と未来に夢を託していった死があるから現代の平和があるーー
どうなんでしょう。あまり英雄死すると俺も俺もという若者が出てきそうな時代。
14年近く公演してるそうなのですが、時代が急変、いまでは「こういうことがありました」ではすまされないホットで難しいテーマになりつつありますね。
お父さん世代、頑張ってくれてありがとう。