2013年05月09日

5月6日月曜「ミッキーの映画日記」イタリア映画祭『家の主たち』『来る日も来る日も』『リアリティ』


カチンコ『家の主たち』エドアルド・ガップリエッリーニ監督
 タイル張り職人のコジモ(ヴァレリオ・マスタンドレア)とエリア(エリオ・ジェルマーノ)の兄弟は、国民的歌手ファウスト・ミエーリ(ジャンニ・モランディ)の家のバルコニーを修理するために、アルペン山脈の小さな村にやってきた。
有名歌手は「病身の妻の治療に専念するために一時引退する」と発表していたが、もうすぐこの村で大々的にコンサートを計画されていた。二人の仲は見せ掛けだけで、険悪な空気が漂っていた。

 国民的大歌手が「奥様の身体を思って一線を退き・・・」という美談。実のところは、同情をひき「ひとまず休んで次の波に乗ろう」と出番の時期を虎視眈々と狙っていたのだろう。
始めこそのんびり観ていたが、途中からサスペンス度は増し、最後には人間の持っている「闇」の部分に光りが当たっていた。後味は悪いが私好みの作品。

※国民的歌手ファウスト・ミエーリを演じるのは、実際の大歌手のジャンニ・モランディさん。役柄として良くないので色眼鏡で見てしまったが、るんるん歌声は明るく、言葉も鮮明でとっても上手かった。グッド(上向き矢印)

カチンコ『来る日も来る日も』パオロ・ヴィルズィ監督
 控えめで高学歴のグイド(ルカ・マリネッリ)は、ホテルの夜勤をしている。一方、彼女のアントニア(トニー/フェデリカ・ヴィクトリア・カイヨッツォ)は気難しく落ち着きのない性格で、昼間にレンタカー会社に勤務している。
性格も正反対で、生活時間もまちまちな二人だがとても仲良しだ。二人は早く子どもがほしいと考えていたが、それが元でぎくしゃくし始める。

 イタリア男の「諦めない」純情気質には「懐が深い!」と驚いた。二人が抱える難問の「不妊」は、始めは男性と思っていたが女性にあったことがわかるところから、間柄にひびが入ってしまう。
女が「私といては彼は幸せになれない」と黙って身を引くのだ。それも元彼のアパートに・・・exclamation&question

その元彼は、いい意味でおおざっぱな(これもイタリア男性気質?)性格で嫌みがない人だから、気軽に一緒に住んでいるんだろうが、
グイドが捜し当てて迎えにくると即、元の鞘に。そんな彼女の行動がバッド(下向き矢印)腑に落ちない。

退屈はしなかったが、この手のイタリア映画を観るときは「イタリア気質」を十分理解したうえでないとすごく腹立たしく感じてしまう。お金払って腹を立てたんでは、ちっ(怒った顔)踏んだり蹴ったりだ!

カチンコ『リアリティ』マッテオ・ガッローネ監督
 ナポリで魚屋を営む人気者ルチャーノは、家族の後押しで人気TVテレビ番組「ビック・ブラザー」のオーディションを受け、一次予選を通過、期待を胸に二次予選の結果を待つが・・・。
もう自分は当然第2次審査に通っていると信じきっている。
妄想がここまで来るとはた迷惑、家族はどん底だ。バッド(下向き矢印)
ほんの短い期間に、こんな壊れ方するのかと痛々しく感じた作品。これも公開してほしいレベルだが、クロージングに「これを持ってきたか」とすっきりしない。あ〜、わーい(嬉しい顔)笑って帰りたかった!
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2013年05月08日

5月5日日曜「ミッキーの映画日記」イタリア映画祭『司令官とコウノトリ』『天国は満席』 『赤鉛筆、青鉛筆』


カチンコ『司令官とコウノトリ』シルヴィオ・ソルディーニ監督
 男手一つで子育てをしている水道工事屋のレオ(ヴァレリオ・マスタンドレア)は、反抗的な娘(セレーナ・ピント)はネット上でトラブルに合い、息子(ルカ・ディローディ)はなぜかコウノトリに夢中になり学校をサボるなど、身辺は落ち着かない日々を送っていた。
 
個性的な佳品。
街の広場にたつ歴史的な銅像に世の中の変わりようをつぶやかせたり、レオの亡くなった奥様の亡霊に愚痴を聞いてもらったりする。それがとってもわーい(嬉しい顔)可笑しく不自然さが微塵もなかった。
家族3人がそれぞれ経験する出来事は辛いことだが、命は無事だからホッとできた。亡くなったママが守ってくれているんだと気持ちが和らいでくる。

脇の俳優も個性派揃い。インテリの偏屈男に『人生、ここにあり!』のジョゼッペ・パッティストン。その下宿人の貧乏絵描きの女性に『ボローニャの夕暮れ』のアルバ・ロルヴァケル。
街の銅像だって、コウノトリだって演技しているように見えてくる。これは公開を熱望したい作品。
最後に皮肉めいたオチもあるが、その「やられた!」感も心地良い。グッド(上向き矢印)

カチンコ『天国は満席』カルロ・ヴェルドーネ監督
 レコード店経営のウリッセ(カルロ・ヴェルドーネ)、芸能リポーターのフルヴィオ(ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ)、不動産営業のドメニコ(マルコ・ジャッリーニ)の中年男3人は共に離婚経験者。それによって経済的にも住まいにも厳しい状況下にあった。

 天国は満席だけど朝日ホールも満席! この男3人はまったくの他人だが、ひょんなことから同居が始まる。1人なら無理だが3人ならどうにかやっていけそうと判断したのだ。
でも、そううまく行くはずもなく、ドタバタといろんなことが降りかかって来る。

 口元が緩む程度の笑いはあったが、題名から期待した笑いはなかった。
笑える題材ではあるがイタリア人なら笑って許せることでも、日本人には見過ごせないっていう場面が目についた。例えば、自営するレコード店をぐちゃぐちゃにされても仲直りする男女(女は非常にオカシイ女医)。最後は常識的に丸く収めているが、これが「イタリア喜劇」の本質かとも思った。


カチンコ『赤鉛筆、青鉛筆』ジョゼッペ・ピッチョーノ監督
 生徒に勉学の意欲をわかせようと熱心に取り組む国語の臨時教師・ジョヴァンニ(リッカルド・スカマルチョ)、情熱を失ってしまった美術史の老教師(ロベルト・エルリッカ)、細やかなことに気がつくしっかり者の女校長先生(マルゲリータ・ヴイ)。ローマの高校教師3人の日々を描いている。

 心に残る作品。
 先生たちの個人的な生活、生徒への関わりかた、教師として踏み外していけないという線上での悩みや決断が現実的にきっちりと描かれている。
いつも派手な格好でよくずる休みする女生徒が、今度は連絡もなしに長い間休んで、しばらくぶりで登校して来て「母親が死んだから休んだ」と言う。
他の生徒は「嘘だ、母娘でいるとこ見たぞ」と言う。教師たちは今までの行いと今回のあまりにもひどい嘘で退学処分にする。
本人は「学校なんか出ても出なくても、私の人生は変わらない」と平然としているが、後から、本当に母親は死んでいて母親の妹(双子)といるところを見られていたのだ。
教師の思い込みや信じてあげられなかった後悔が、ジョヴァンニを打ちのめしていたのは言うまでも無いが、
その生徒は「家まで訪ねて来てくれた」ジョヴァンニ先生にありがとうと言っていた。
全般的に◎の作品ではなかったが、この場面は秀逸だった。これも公開してほしい!
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2013年05月07日

5月4日「ミッキーの映画日記」イタリア映画祭『素晴らしき存在』『日常のはざま』『フォンターナ広場 イタリアの陰謀』『それは息子だった』

カチンコ『素晴らしき存在』フェルザン・オズベテク監督
 ピエトロ(エリオ・ジェルマーノ)はパン屋に勤める28歳。だが本当の目的は役者志望でローマに来たゲイの若者だ。彼の見つけた住まいは、古いが広くて家賃も手ごろなアパート。たが住んでいるうちに、誰かがいるような気配をがく〜(落胆した顔)感じるのだった。

監督さんは『あしたのパスタはアルデンテ』の方。この一本で上京して来た甲斐があった。
作りが現代と60年以上前の2つの時代の出来事が交差するが、その鮮やかな構成手腕に驚く。
彼にしか見えない亡霊は第二次世界大戦の当時、劇団ごと消息不明になった8人のメンバー。
彼らが、純真なピエトロに願いを托すのだ。
その願いを聞いたピエトロは、始めこそ疑心暗鬼だったが、パソコンで検索すると彼らの言うことが真実とわかる…この家の隠し部屋を住家にして、そこからは出られない人たちを解放するまでを軽やかに描いている。これはパンチ「公開されないはずはない」と思う。
※俳優志望のピエトロは8人の亡霊さんに演技指導してもらって・・・。

カチンコ『日常のはざま』レオナルド・ディ・コスタンツォ監督
 荒れ果てた無人の建物に拘束されている少女ヴェロニカと、理由も知らないで彼女の監視をしているサルヴァトーレ。お互い反目していたが、次第に同じ時間を共有しているうちに変化し始める。

味わい深い作品だった。
『ふたりの特別な一日』に同様、若者ふたりの作品だ。でもこちらの方がより底辺の貧しさの中での話だ。誰しもカモッラに関係なく生きていけないような地域らしい。
少女は自分の地域で敵対する他のグループの男と付き合ったことでむかっ(怒り)「こらしめ」のために監禁されているが、広大な廃屋の中で自由に歩き廻ることができる程度だから監禁といっても緩いものだ。
この女の子は自分の美しさを武器にしていないし、自分がぴかぴか(新しい)美人だということにも気づいていない。
その点は『ふたりの特別な一日』のジーナと違うところだ。
ヴェロニカは意外と素直に地域のボスの言うことを聞いて帰って行く。
サルヴァトーレとはその後どうなるかはわからないが、青春時代の「特別な一日」の思い出として一生忘れないはずだ。

カチンコ『フォンターナ広場 イタリアの陰謀』マルコ・トゥリオ・ジョルダーナ監督
1969年、12月12日。ミラノのフォンターナ広場にある農業銀行が爆発された。死者数17人、負傷者88人と大惨事になった。無政府主義者グループの犯行と目星をつけた警察は、容疑者たちを逮捕する。だが、取り調べ中に一人の容疑者の上に悲劇が襲い、事態は一変する。

『輝ける青春』のジョルダーナ監督作品。
会場は満員。イタリアを震撼させた大事件を知らない私は難しくて半分くらいしかついて行けなかった。バッド(下向き矢印)ついて行くだけで精一杯で豪華俳優さんたちの魅力まで感じる余裕がなかった。

カチンコ『それは息子だった』ダニエーレ・チプリ監督
パレルモ郊外に暮らす6人家族のチラウロ家は、主人が廃船の鉄屑を売るなどしてどうにか生活していた。ある日、抗争中のマフィアの流れ弾にあたり愛娘が死んでしまう。悲嘆にくれる家族は娘の死が金銭的に賠償されると知り申請をする。

力作!だが全編、お金、お金のストーリー。最愛の一人娘を亡くした歎き悲しみが「大金が入る」金勘定でどこかに吹き飛んでしまうのは、中国だけじゃなくイタリアもか?と思ってしまった。

一番無欲でちょっと足りないお兄ちゃんが、自分にできる仕事で細々と生きていくのだが、そこまでに、たどりつくまでが想像を超えた「波乱万丈」さはがく〜(落胆した顔)驚くばかりだった。

映画祭2日目は作品の並べ方がちょっと不満バッド(下向き矢印)
第一作品目と最後の作品を入れ替えると良かったのに・・・と、またえらそうにしょうも無いことを思ってしまった。
posted by mikiko at 23:23| Comment(0) | TrackBack(0) | ミッキーの映画日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

5月5日「ミッキーの映画日記」映画関連本2冊「AV男優という職業」「三分間の詐欺師 予告篇人生」


ゴールデンウイークの後半はイタリア映画で満喫したが、前半は映画本を2冊読んだ。
本>「AV男優という職業」水野スミレ著>

 ポルノとAVの違いさえわからなかった私がこの本を迷わず買ったのは、著者が女の方だったから。
現役AV嬢は推定1万人いるがAV男優はたった70人とか!
加藤鷹さんのお名前は知っているが、この本にはその道の(一口にAVといってもいろんな分野がある)ベテラン俳優さんの声がインタビュー形式で書かれている。
含蓄がある言葉、目から鱗の言葉、よくぞそこまでと同情してしまう言葉がいっぱい詰まっていた。
男優さんたちが一致しておっしゃった言葉は「いまだに女の人は謎です!」だった。

本「三分間の詐欺師 予告篇人生」佐々木徹雄著>
三分間の詐欺師の題を見てわーい(嬉しい顔)笑ってしまった。どんぴしゃりの題だ。
映画の予告が面白ろければ、それを観た人のうち三割はきっと映画館に足を運ぶだろう。
時には「あれは予告が一番面白かった」という作品もある。
だからこの本も迷わず買ってしまったのだが、
読むうちに「予告も映画紹介も同じだ」と遅まきながら気付いた。

読んでしまったのでお読みになりたい方はお申し出ください。


posted by mikiko at 23:05| Comment(0) | TrackBack(0) | ミッキーの映画日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

昨日のモノツク市 (千)

昨日、古河市で開催されたモノツクルクル市は天候にも恵まれ
沢山の方々にお越しいただきました!! 心より有難うございました☆
シネジャは残念ながら売れませんでしたが・号泣 たらーっ(汗) いままでコツコツと
貯めていた映画パンフ等が好評で助かりました ←ダンボール2箱ぶん
くらいは古河市に越してくる前にチラシ等々(演劇関係含)断舎利したですが・・
まだまだ有ります・・ それにしても映画好きのかたが多かったことも嬉しかったです。
なのに、どうして 古河市には映画館もシネコンも無いのでしょうか、、

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posted by chie at 21:58| Comment(0) | TrackBack(0) | イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする