昼に入り晩10時前まで、ドキュメンタリー、恋愛、ホラーと映画デパートのようだった。
『オース!バタヤン』田村孟太雲監督/スコーレ
若い頃、随分ご苦労をなさった方だが、根が明るく、ユーモアがあり、女性には優しく、90歳すぎまでご活躍された人生は

幸せだったに違いない。
大阪の鶴橋を第2の故郷と心から言っていた。それは家族で助け合いながら貧しかった暮らしの思い出がたくさん詰まっていたからだろう。
戦争をはさんで浮き沈みも数々あったが、運良く数々の大ヒットに加えて、ラスベガスのカジノで

大当たり(当時、日本のお金で6000万円ほど)。昭和30〜40年代に沖縄の歌を元に、曲を出したのも息の長い人気の元になっている。
自分の体の一部になってしまうほどのギターが壊れてしまった。でも慌てずに舞台の上で 「昔、鉄工所に勤めていたおかげで、こうやってねぇ、なおしながらやってるんだよ」と修理しながら、客の気をそらさないで飄々とトンカチやっていた・・・。この場面がとてもよかった。
フィルムは最近のバタヤン、30〜40年前のバタヤンと交互に同じ歌を聴かせてくれた。どの曲も昔のままの音程で歌っていた。ビートルズの中心メンバーとして、またソロミュージシャンとして世界中に多くのファンを持つポール・マッカートニーのドキュメンタリー映画『THE LOVE WE MAKE』の彼は当時70歳くらいだったが、同じ音程で歌っていた。バタヤンは90歳近い年齢だ。今秋来日のポールは72歳くらいだが、彼が90歳の時に同じ音程で歌っているか、

長生きして見届けたいものだ。
『不毛会議』なるせゆうせい監督/スコーレ
戦争中の某国。自分たちの分隊長・荒畑中尉(渡辺大輔)の四十九日に極秘に集まった。行き詰まりを見せる戦況を打破し、荒畑中尉の仇を討つため、特別部隊を結成する会議を始める。
すみません。半分以上

眠ってしまった。起きても同じ部屋で言い合って喧嘩している場面だったので「ちょっとしか寝てないなぁ」などと思ったのがいけなかった!ずるずると睡魔に引きずられてしまった。
題名が気に入っていて期待していたが、なんだか話しについていけなくなったのが居眠りの原因かな?寝てて何も言えた義理じゃないが・・・。
『僕の妻のすべて』ミン・ギュドン監督/韓国/韓国映画セレクション/スコーレ
滞在していた日本の名古屋で出会い、ひと目でに恋に落ちたドゥヒョン(イ・ソンギュン)とジョンイン(イム・スジョン)。
美人で家庭的なジョンインに惚れこんだドゥヒョンは、帰国後

ゴールイン。
それから7年・・・。すごい勢いで誰彼かまわず悪態を言うジョンインの姿の変わりようを見て、離婚を願うようになっていた。
よくもまぁ、7年も我慢した!ドゥヒョンはえらい!並みの男なら半年がいいとこ。
美人だけど、口汚くまくし立てる妻を演じるイム・スジョンは、いつもはちょっと不幸を背負った静かな役柄が多いから、これは意外な役柄。見ていて「憎たらしく」感じるほどだ。
方や、旦那さまは気弱なタイプだが、そんな奥さんが怖くて「離婚」の
りの字も言えない。で、そこに表れたのが、あらゆる女性を虜にしてしまう「伝説のカサノバ」ソンギ(リュ・スンリョン)に、妻に色仕掛けをしてもらうのだ。
だけどそうそううまく行かないって言うハナシ。
韓国で観客数が多かったと聞くが、普通の騒々しいコメディだった。眠気覚ましのブラックコーヒー

といったところ。
映画『立候補』藤岡利充監督/スコーレ
文句なし!めちゃくちゃ面白い!

知人に「政権放送」ぐらい面白いものはない!と言っている人がいたが、テレビを見ないので何言ってるか分からなかったし興味もなかったが、面白い!なんてモンじゃなかった!
外国から比べると個性的な方が少ない日本で、こんなにくっきりとずば抜けた個性的なご陣がおいでになったとは!選挙に出るにはお金が最低300万円はいるらしいので、貧乏人はいない!落選歴15回といわれる羽柴秀吉氏などは広大なお城に住んでいる。
趣味でやっているのか?売名行為か・・・嫌々、そうとも言えないことが、笑いの中で吐露する言葉に、いつしか「うん、うん、そうだ、そのとおりだ!」と頷きながら観てしまった。
立候補すれば政見放送で
「主役」ができ
「思いも語れる」から300万円は高くない!と思ったミッキーおばぁ!
「日本の全小中学校に1学期に1度、良い映画を観せる新カリキュラム党」を結成して政見放送だけの選挙活動をやってみたくなった!空想(いや、妄想かな

)が広がる面白いドキュメンタリーだった。
※泡沫候補がすっごくたくさんになったら「選挙活動=パフォーマンス」となり、選挙に行く方が増えたりして!(おっと、調子に乗りすぎた!)
『カルト』白石晃土監督/スコーレ
あるホラー番組でレポーターをすることになったあびる優、岩佐真悠子、入来茉里。
ある母娘の除霊をする番組だ。その娘・美保に恐ろしい霊がついていて、霊能者2人も除霊できずに、その霊能者も変死してしまう。
白石晃士監督の
『超・悪人』が大好きだから、それ以上の現実的恐怖を求めていたが、これはフェイク・ドキュメンタリーの形式を取っているが、まさしく異界もの。
それに母娘とは思えず姉妹の若さだった。母親をもっと力強い若いおばさんくらいに(後からの話しの展開からも)してほしかった。
極暑の夏の夜の締めくくりに
白石晃土監督さんにお会いできたので満足な一日だった。