2014年12月27日

12/27公開の始まった『真夜中の五分前』 東京フィルメックスでの滅茶面白かった行定勲監督のQ&A (咲)

11月23日、東京フィルメックスで上映された時、実は、中国の映画かと勘違いしていて、それ以上に何の予備知識もなく見始めたら、え? 監督:行定勲? 言葉は間違いなく中国語だし、並木道の雰囲気はどうみても上海。主役は、三浦春馬に似ている中国人?・・・と思ったら、ほんとに三浦春馬でした。まったくおとぼけな私!
上海で時計職人として働く日本人青年リョウ。プールで心惹かれた女性が、その後、双子だったと判明するのですが、双子の姉妹二人で出かけたモーリシャスで水難事故にあってしまい、片方が亡くなってしまいます。さて、生き残ったのは、果たしてどちらだったのか・・・ 
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謎に満ちた不思議な物語で、映画自体も面白かったけど、それ以上に、上映後の行定勲監督のQ&Aが、とても楽しかったので、公開を機にちょっとご紹介します。 

なお、Q&Aの全容は、東京フィルメックスのサイトに出ています。
http://filmex.net/dailynews2014/2014/11/mayonaka-qa.html

ここに書かれていない話で面白かったことを中心にお届けします!

録音をお願いした台湾の録音技師ドゥ・ドゥチーさん。
「上海の撮影、音がうるさくて、クラクションも鳴りっぱなし。でも、アフレコは必要ない、大丈夫って言うんですよ」「時計の秒針の音もぴったり出してくれるし、静寂を作りだしてくれる人」と絶賛でした。

三浦春馬さんの撮影前と撮影後の印象を会場から聞かれた行定監督:
「撮影前は、特に。前の作品を観ても監督によって違う。すごくまじめで実直な人間。「面白味のない人間ですよ」というから、それ、面白いじゃん!
日常、時計修理してプール行って帰って飯食って寝て・・・役作りしようがない。時計修理と言葉はお願いしましたね。中国に来て1年半くらいの言葉でいいと言ったのに、実直にやるから上手くなりすぎ。上海戯劇学院の先生が猛特訓してうまくなりすぎた。3か月基礎、10日くらい上海で勉強したら上達して・・・  台湾の俳優との階段で言い合うシーンも熱かった。彼、うますぎるんだよな」(と、監督、しみじみ)
ちなみに、時計の修理もこなしていたそうです。
DSCF1327 mayonaka qa.jpg

リウ・シーシーさんのファンの方から、彼女の日本語や演技について尋ねられ、
「日本語を覚える気は全くないですね。マイペース」「中国でちゃんと公開したいというプロデューサーの野望があって彼女を推薦されました。テレビで人気で映画はこれから。ドーナツのTシャツ着てきて、大丈夫?と」
「ウィスパーボイスで聞き取れない。それが魅力。気持ちで演じる。よけいな動きはしない。じっとしててというとポンと立ってる。指示すれば、きちんと動く。双子の役、普通は白黒つけたいものだけど、限りなく似ていて、ほとんどわからない。編集してみて、初めて笑い方がちょっと違うと」
(ここのところ、気を付けてもう一度観てみたい!)

役者一人で双子を撮る方法については、
「先に『円卓 こっこ、ひと夏のイマジン』で、三つ子でまず練習してましたから。もうすぐDVDが出るけど、絶対観る価値あります。(と、宣伝も忘れない) 自然過ぎて誰も気が付かない。あるやり方があるのですが、ここでは話せません。お金も時間もかけずにやってる」と自信満々でした。

双子のどちらが死んだかについては、
「どっちでもいいけど、考えるのが大事。原作もラスト白黒つけてない」

監督のお話を参考に、ぜひ会場で謎解きに挑戦してみてください!

シネジャ作品紹介ブログはこちら

http://cinemajournal-review.seesaa.net/article/411037212.html
posted by sakiko at 22:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画祭 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする