2015年01月31日

 『二重生活』『ミルカ』『さいはてにて〜やさしい香りと待ちながら〜』・・・監督たちの映画への思いをたっぷり感じた1週間でした (咲)

次号本誌93号の原稿の追い込みに入らないといけないのに、来日した監督インタビューが続き、Webの方の原稿に追われた1週間でした。

1月26日(月)、24日(土)より『二重生活』の公開が始まったのにあわせて来日したロウ・イエ監督に、3誌合同でインタビュー。
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5年前の『スプリング・フィーバー』公開の折にインタビューした時の記事を掲載したシネマジャーナル80号を読み返してみたら、「ロウ・イエ監督は清貧か」をチン・ハオさんとチェン・スーチョンが論じたことに対して、監督が「そりゃ〜霞だけ食っていたのでは生きていけない」と笑って答えていて、楽しい取材だったのを思い出しました。
今回も、男は昔から浮気者などと、いろいろ楽しい話題で盛り上がりました。
特別記事でどうぞ!
http://www.cinemajournal.net/special/2015/nijuu/index.html


1月30日から『ミルカ』が公開になるので、なんとか29日中に記事を掲載したいと、頑張りました。(16日にインタビューしたので、さっさとまとめればよかったのですが・・・)
印パ分離独立の騒動で父親を殺され、パキスタンとなった故郷からインドに逃れたミルカ・シン。悲しい過去を乗り越えて、400m走ゴールドメダリストとなり「空飛ぶシク教徒」と呼ばれたミルカの半生を描いた感動作です。
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ラケーシュ・オームプラカーシュ・メーラ監督インタビューは、こちらでどうぞ!
http://www.cinemajournal.net/special/2015/milkha/index.html


1月29日、『さいはてにて〜やさしい香りと待ちながら〜』(永作博美・佐々木希主演)のチアン・ショウチョン監督にインタビュー。能登半島を舞台にした日本映画を、『風に吹かれて―キャメラマン李屏賓(リー・ピンビン)の肖像』の共同監督である台湾の女性監督が作ったと聞いて、これはお話を伺いたい!と、暁さんと一緒に駆け付けました。
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調べてみたら、チアン・ショウチョンさんが、『牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件』(91)で女優デビューした方と知って、さらにびっくり! 2つのバージョンがあって、劇場で4回観た懐かしい作品なのですが、お顔に覚えがなく・・・ どんな役で出ていらしたか聞きそびれました。


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1時頃に取材を終えて、暁さんと上海小南国へ。ふだん、ランチをゆっくりいただくことはないので、ほんのちょっと奮発しました。眺めがなんといっても豪華でした!
さぁ〜 頑張って本誌原稿まとめなくちゃ!
posted by sakiko at 09:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 取材 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『放射線を浴びたX年後』伊東英朗監督の上映&トークイベントがあります(暁)

ウッキー・プロダクションの猿田さんから来た、『放射線を浴びたX年後』の伊東英朗監督の最新情報を転載します。2月6,7日に映画上映、トークなどのイベントがあります。

『放射線を浴びたX年後』の伊東監督は、大晦日・元旦から高知に入って継続取材を開始、新たな被ばく者や証言者、そして協力者との出会いもあったとのことで、映画化から3年となる今年も、更なる展開に繋がることが予想されます。そんな伊東監督が、2/6(金)、2/7(土)東京都内の2カ所で開催されるイベントに参加するため来京しますのでお知らせします。
チラシデータ
http://www.cinemajournal.net/misc/x20150206-07.pdf

@「放射線を浴びたX年後」出版記念!
 映画の続編 TV番組「消えない雨」上映&伊東英朗監督トーク
チラシデータ http://www.cinemajournal.net/misc/x20150206.jpg
日程:2015年2月6日(金) 時間:18:30から(開場:18:10)
・上映18:35から(TV番組「消えない雨」(愛媛県内でのみ放送の最新版50分)
・トーク19:25から(伊東英朗監督)・質疑応答20:25から(参加者より)
料金:事前協力券500円(当日:800円)
会場:平和と労働センター・全労連会館2Fホール(文京区湯島2-4-4)
主催:「X年後」を観る会
問い合わせ:090-5548-4296(宮沢さん)
http://www.zenrouren-kaikan.jp/

A第五福竜丸展示館 企画展「ゴジラと福竜丸」
関連イベント―伊東英朗監督×展示館学芸員トークセッション!
案内 http://www.cinemajournal.net/misc/x20150207.jpg
日程:2015年2月7日(土)時間:14:00から
伊東監督と展示館学芸員が最新資料や映像を紹介しながら、ビキニ事件の深部に迫ります。
料金:開館中イベントです。どなたでもご鑑賞いただけます。
会場:第五福竜丸展示館内(船首下東側スペース)
主催:公財)第五福竜丸平和協会
問い合わせ:03-3521-8494http://d5f.org/

ともに映画「X年後」以降の継続取材の様子をまとめた最新映像・報告を交えながらのお話です。この貴重な機会を周囲のみなさまと共有のうえ、お近くの方は足をお運びください♪

※年末にご案内した書籍も広がりをみせ、年末に重版されました!
http://x311.info/blog/topics/【伊東英朗監督の著書刊行が決定しました】/
映画「X年後」配給宣伝協力
ウッキー・プロダクション
〒102-0074東京都千代田区九段南4-3-3
シルキーハイツ九段南2号館606号室
TEL:03-5213-4933 FAX:03-6800-3686
Mail:yus@solid.ocn.ne.jp

■映画「X年後」URL:http://x311.info
■facebook:http://www.facebook.com/x311movie
■twitter:http://twitter.com/x311info
■youtube(予告編):http://www.youtu.be/FsOgOZC0m84
■X年後プロジェクト:https://www.facebook.com/x.year.project
■URL(南海放送):http://www.rnb.co.jp/

シネマジャーナル関連記事
<〜ビキニ事件、第五福竜丸以外の被災船と被災漁民について考える〜>トークショー
http://www.cinemajournal.net/special/2012/bikini/index.html
posted by akemi at 05:09| Comment(0) | TrackBack(0) | イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月25日

ペルシア文学者・岡田恵美子先生のお話でイスラームの別の面を知る (咲)

24日、京橋・LIXILギャラリー主催の岡田恵美子先生の講演会「タイルに描かれた物語 ペルシアの神話と恋物語を読み解く」へ。
岡田恵美子先生は、イランに留学したい!と、パーレビー国王宛に手紙を出し、1963年、日本からの初の国費留学生としてテヘラン大学に迎え入れられたという豪快な方。学生時代から、先生のユーモアに溢れる語り口にいつも魅了されて、ほんとに楽しみにしていた講演会でした。

画像を見せながらの解説で、まずは女性の両脇に男性が座っている「野宴図」の組タイル。これは恐らく天国を描いたもの。「コーランの一節に、あの世に行ったら70人の清らかな乙女が迎えてくれると書いてあって、もうすぐ私も行きますけどね、乙女じゃねぇと思ったら、えもいわれぬ若い美男が迎えてくれて、飲んでも酔わないお酒を注いでくれるとコーランにちゃんと書いてあって安心しました」と先生。
ちなみに、若き酌人のことをサーキーといいます。私(咲)は酌人なのです!
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このタイルは、アフガニスタンのザーヒル・シャーがクーデターで王位を廃された後、パキスタン国内に住むパシュトゥーンの一族に譲り渡されたものとのこと。宮殿の壁に貼ったままなら、今はなきものだったかもしれません。


悲恋物語「ホスローとシーリーン」を描いたタイルでは、水浴びしている上半身裸のシーリーンが描かれていて、イスラーム世界でこれはあり?と驚かされますが、ペルシアではOK。お互いに思いながら結ばれないホスローとシーリーンですが、岡田先生いわく、恋物語は悲劇だからこそ残ると。ロミオとジュリエットしかりですね。
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photo by Kyoko Oka

最後の質疑応答では、「なんでも聞いてくださいね。イスラーム国のことは駄目よ」と念押しを忘れません。
イランといえば、女性が皆、真っ黒なチャドルを被っていると思っていた方からは、今日のお話でイメージが変わったという感想も。
イランは現在イスラーム政権なので、がちがちの宗教国家とみられがちですが、政府と庶民とでは温度差があります。イスラームが入る前のゾロアスター教時代からの文化を背負ったのが一般的なイランの人たち。歴代の王たちの神話を詩で語った「王書(シャーナーメ)」を太鼓を敲きながら詠むのにあわせてイランの人たちは古式体操をするのですが、イスラーム革命直後、シャー(王)はいけないと、コーランに変えたら、リズムがあわなかったそうです。「あれはアラブのリズムですから」と先生。
そして、日本人には、575のリズムだとしっくりくると、例にあげられたのが、
「この土手に 上るべからず 警視庁」
ほっこり素敵な岡田恵美子先生のお話に、心和んだ一日でした。

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企画展「タイルが伝える物語-図像の謎解き- 展」は、2月21日まで行われています。
小さな展覧会ですが、西洋、中国、イスラームの3つの部門にわけて、絵が描かれたタイルが展示された素敵な企画です。

期間:2014年12月4日(木)〜2015年2月21日(土)
休館日:水曜日、年末年始
10:00〜18:00 入場無料

会場:LIXILギャラリー1(東京)
東京都中央区京橋 3-6-18 東京建物京橋ビル LIXIL:GINZA 2F
地下鉄メトロ京橋駅より1分
http://www1.lixil.co.jp/gallery/information.html

posted by sakiko at 21:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 日々のできごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月20日

『何を怖れるフェミニズムを生きた女たち』ティーチイン案内(暁)

本誌シネマジャーナル92号、あいち国際女性映画祭レポートの中で、『何を怖れるフェミニズムを生きた女たち』を紹介していますが、1月18日から公開されています。
東京 渋谷シネパレス 2015年1月17日から3週間(予定)10時〜
神奈川 横浜シネマリン 2015年2月7日から2週間(予定)10時〜
公式HP http://feminism-documentary.com/
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松井久子監督 

公開を記念して、東京 渋谷シネパレスではティーチインが行われています。
ぜひ、ゲスト目当てで行ってみてください。
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18日ゲストの田中美津さん  公式本のサイン会

渋谷シネパレス公開記念 ティーチイン・スケジュール
上映は 毎日 10時〜11時50分 その後 12時半までティーチイン

1月17日(土) 松井久子(映画監督)
〜「フェミニスト」と「普通の女」を隔てるガラスの壁〜
18日(日) 田中美津
(70年代リブ運動の中心的存在。現在は鍼灸院れらはるせ経営)
〜「自由とは、自分以外の何者にもなりたくないという思い」〜
19日(月) 上野千鶴子
(社会学者 認定NPO法人ウイメンズアクションネットワーク理事長)
〜「女性活躍社会」とフェミニズムのちかくてほんとはとぉ〜い関係〜
20日(火) 池田恵理子
(「女たちの戦争と平和資料館」(WAM)館長 元NHKディレクター)
〜「慰安婦」問題にリブの魂を注ぎ込む〜
23日(金) 樋口恵子(評論家 高齢社会をよくする女性の会代表)
〜「リブがあってよかったわァー、私も、あなたもですよ」〜
24日(土) 井上輝子(日本の女性学研究の第一人者 和光大学名誉教授)
〜女性の怒りと疑問を学問化したのが女性学〜
25日(日) 桜井陽子(全国女性会館協議会理事長)
〜いま、ここから、のフェミニズム〜

松井久子監督インタビューをHP特別記事で紹介しています。こちらも参照ください。
http://www.cinemajournal.net/special/2015/feminism/index.html
posted by akemi at 05:44| Comment(0) | TrackBack(0) | イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月10日

70年目の原爆の日の公開をめざす日本イラン合作映画『千羽鶴(仮)』  (咲)

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6日、父と国立劇場で初春歌舞伎公演「南総里見八犬伝」を楽しみました。ロビーには鏡餅が飾られ、開演前には獅子舞もあって、お正月の雰囲気たっぷり。
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この日は、20歳の学生さんも一緒。彼は高校生の頃から学徒出陣経験者に聞き取りを続けていて、同窓である父と知り合ったという縁。よく電話を取り次いでいたのですが、初めてお会いしてみたら、実に好青年。戦争体験者から話を聞くことができるのは、もう時間との勝負。このような若い方たちがいることを頼もしく思いました。

今年は終戦から70年。もうそんなに年月が経ってしまったのかと思いますが、父を見ていると学徒出陣しなければならなかった時代への思いがいつまでも重くのしかかっているのを感じます。世界を見渡してみれば、各地で争いは絶えません。

そんな折、イラン映画の日本への紹介でお馴染みのショーレ・ゴルパリアンさんから、日本イラン合作映画『千羽鶴』の案内をいただきました。
広島平和記念公園に銅像があるサダコさんの話を読んだクルドの女の子が、おばあさんになったサダコさんを探す物語。
平和を願って今年の原爆の日の公開を目指しているのですが、まだまだ資金が足りないとのこと。心も懐もあたたかい方、ぜひよろしくお願いします!  (残念ながら懐が寒い私!)
下記のサイトに映画の情報とクラウドファウンディングについてアップされています。
http://justgiving.jp/c/11356
posted by sakiko at 22:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 日々のできごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする