2015年08月02日

アラブの春はまだまだ遠い 報告会や映像で知るイエメンやシリアの今 (咲)

8月1日(土)、中目黒スクエアで開催された「幸福のアラビア、イエメンの今 〜内戦危機と現地の声〜」に参加してきました。
サウディアラビアがイエメンを空爆しているというニュースは時折耳にするものの、なぜそんなことに?と、実情を知りたかったのです。
野中亜紀子さん(在イエメン日本大使館勤務を経てイエメンの首都サナアでレストランMANABU - Japanese Chef's Restaurantを経営していた)が、「アラブの春」以来のイエメンでの動きをかいつまんで説明してくださいました。ここで解説は控えますが、サウディアラビアを中心とするアラブ連合軍の空爆はイエメンほぼ全土の町におよび、国民の90%がなんらかの支援を必要とする状況だと知りました。もっとも、外国メディアが取材できる状況ではないので、実情は不明。
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野中さんのご自宅のあったサナア旧市街の石造りの家も空爆で被害を受けたそうです。(上段 爆撃後 下段 かつての姿)
開いたばかりの日本レストランも、ガラス張りの外側が壊れてしまったとのこと。
サナア旧市街は町全体が世界遺産にも指定されている貴重な場所。無謀な空爆に涙が出ます。

8月1日から公開されている『それでも僕は帰る 〜シリア 若者たちが求め続けたふるさと〜』では、シリアの政府軍の容赦ない爆撃の状況を内から捉えていて、その惨状に言葉を失いました。
(作品紹介:http://cinemajournal-review.seesaa.net/article/422998743.html

また、7月20日に開催された「ガザ攻撃1周年・映画とシンポジウムの集い」では、ガザの現状報告とともに、土井敏邦監督の最新作『ガザ攻撃 2014年夏』が上映されています。(残念ながら参加せず)
映像が伝える力は絶大。イエメンの実情を伝える映像が届くのはいつのことでしょう・・・

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昨日の報告会で、イエメン人留学生のマリヤム・アル=クバーティさんからは、家族や友人を心配しながら、故国の美しい町並みや自然も紹介されました。
イエメンには、1997年にほんの1週間ですが訪れたことがあります。
昔ながらの風俗が残り、それも地域によって違って、とても興味深い国でした。シリア同様、いつかまたゆっくり訪れてみたい国の一つなのですが、どちらもいつになったら春が訪れることやらです。傍観しているだけで何も支援できないでいるのも心苦しい今日このごろです。
posted by sakiko at 22:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 日々のできごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする