いよいよ東京国際映画祭最終日。
今日は、朝10時からイラン大使館でイラン考古学セミナーでした。お昼は、大使公邸で美味しいイラン料理に舌鼓。3時にセミナーが終わって、皆でお茶していたら、家で中継を観ていた友だちから、審査員特別賞は『スリー・オブ・アス』との嬉しい速報! 続いて、『カランダールの雪』が最優秀監督賞とWOWOW賞との続報。
昨日の夕方、シネマカフェで『カランダールの雪』のゲストご一行と遭遇。ムスタファ・カラ監督(写真右端)から、「私の映画どうだった? ほかのコンペ作品も観た?」と、ちょっと心配そうに聞かれ、「もちろん、『カランダールの雪』が一番! 受賞間違いないです。おめでとうございます!」と、先走りして申しあげたのでした。(受賞できてよかった〜!)
『カランダールの雪』はお気に入りの作品ですが、でも、実は、私の中でのコンペ一番は、『スリー・オブ・アス』でした。1979年のイラン革命で、イランの民衆は民主的な政権を求めて王政を打倒したのに、気がついたら、イスラーム勢力が政権を取っていて、え〜どうして〜という思いでいることがよくわかる作品。ユーモアたっぷりに描いていて、イランの人たちが観たら、まさにそうそう!と拍手喝采間違いなし。
今回、フランスでの公開間近のため、監督ほか関係者は来日されず、とても残念でした。日本での公開が決まって監督とお会いできることを期待したいです。
嬉しい知らせを聞いたので、これはやっぱり記者会見を聞かなくては・・・と、5時過ぎに六本木へ。町はハロウィン一色。
シネマカフェを覗いたら、ペルシア語通訳のショーレさんがいらして、隣には『ガールズ・ハウス』のシャーラム・シャーホセイニ監督が、素敵なスーツ姿で微笑んでました。あ〜この作品には、脚本賞を創設して差し上げてほしかった!
トルコの『父のタラップ車』のご一行にもお会いできて、お別れの言葉を交わすことができました。映画祭全体の中で、一番気に入った作品。泣けて笑える、日本人にも絶対受ける映画だと思います。公開されないかなぁ〜
最高賞の東京グランプリに輝いた『ニーゼ』(ブラジル)は、時間の都合で、最初の5分しか観ていないので、いつか観られるチャンスを楽しみにしたいと思います。
★第28回 東京国際映画祭 受賞結果★
コンペティション部門
東京グランプリ 『ニーゼ』
審査員特別賞 『スリー・オブ・アス』
最優秀監督賞 ムスタファ・カラ監督『カランダールの雪』
最優秀女優賞 グロリア・ピレス『ニーゼ』
最優秀男優賞 ローラン・モラー/ルイス・ホフマン『地雷と少年兵』
最優秀芸術貢献賞『家族の映画』
アジアの未来部門
作品賞 『孤島の葬列』
国際交流基金特別賞 デグナー監督『告別』
日本映画スプラッシュ部門
作品賞 『ケンとカズ』
WOWOW賞『カランダールの雪』
観客賞 『神様の思し召し』
詳細はこちらで!
さて、5時半から、記者会見。
最初にコンペティション審査委員 総評。
ブライアン・シンガー審査委員長を筆頭に、審査員が登壇。
ワインを片手の審査員も。
フォトセッションが終わって、「補聴器付けてください」
「あ、同時通訳のイヤフォンです」と笠井信輔アナウンサー。ぐっと場が和みます。
それぞれ審査員としての映画祭の感想をお話してくださって、最後の審査の場では、皆の意見が一致してすんなりと賞が決まったことが伝わってきました。
今回の審査員の皆が映画の製作者。
記者からの、「作品はフィルムメーカーとしての気持ちで選んだのか、それとも観客として?」との質問にも、各人が丁寧に答えられました。中でも大森一樹監督の言葉がすべてを表わしていると感じました。
「座って映画を観ていたら、引き込まれる映画と引き込まれない映画がある。映画の持つ力です。審査にマニュアルはありません」
唯一日本人審査員だった大森一樹監督。「最後の審査で、これを推されたらどうしよう〜と思う作品が出てきたら、英会話教室やるのもしんどいと思っていたら、最初にブライアン・シンガー審査委員長があげた6本に、皆が同感。共通の作品が出てきたことに感動しました」とも語りました。
『ニーゼ』と『カランダールの雪』の監督の受賞式でのスピーチを聞いて、この監督たちに賞をあげることができてよかったとも。スピーチ、公式サイトでチェックしてみなくちゃ。
東京国際映画祭 「EVEREST フレンドシップ会見」 EVERESTに挑んだ二つの映画対決 & 『古井戸』Q&Aで俳優チャン・イーモウ誕生秘話 (咲)
もう、今日はクロージングセレモニーというのに、すみません・・・ 全然追いつかず、25日のことを!
25日(日)12時〜
東京国際映画祭「EVEREST フレンドシップ会見」に参加しました。
EVERESTをめぐる二つの映画の会見でした。
第一部 『エベレスト3D』来日記者会見
特別招待作品『エベレスト 3D』のゲストとして来日したバルタザール・コルマウクル監督と、日本の女性登山家役で出演している森尚子さんが登壇。
保険会社が保障してくれる限界の高さのところで撮影を敢行。「実は限界をちょっと超えてました」と監督。森尚子さんは小さい頃から米国や英国で育ち、現在ロンドン在住で女優として活躍。いずれは日本でも活動したいと語りました。
第二部 『エヴェレスト 神々の山嶺』製作過程報告会見
全世界で翻訳されている夢枕獏の大ベストセラー山岳小説「神々の山嶺(いただき)」が、『エヴェレスト 神々の山嶺』として映画化され、来年3月12日に公開されます。
左から原作者・夢枕獏さん、製作代表・角川歴彦KADOKAWA会長、平山秀幸監督
原作者の夢枕獏さんも、エヴェレスト5200mの撮影現場を陣中見舞い。主演の岡田准一さん、阿部寛さん、尾野真千子さんをはじめ、キャスト・スタッフ一丸となって撮影に臨んでいるのを目の当たりにして感動したと語ってくださいました。
公式サイト:http://everest-movie.jp
この後、在日本ネパール国大使:マダン クマール バッタライ特命全権大使に地震お見舞い金の贈呈の後、『エベレスト3D』『エヴェレスト 神々の山嶺』合同のトークが行われたのですが、『古井戸』のQ&Aに走ったため、残念ながら拝見できず。
『古井戸』[デジタル・リストア版]Q&Aに、ちょっと遅れて入り込みました。
『古井戸』は、第二回の東京国際映画祭でグランプリと主演男優賞(チャン・イーモウ)のダブル受賞した作品。私は映画祭ではなく、その後の公開を亡き母と一緒に観た懐かしい作品です。とはいえ、井戸に生き埋めになったシーン以外、ほとんど覚えていないのですが・・・
Q&Aには、昨年ご逝去されたウー・ティエンミン監督のお嬢さんウー・ヤンヤンさん(左)と、女優のリュイ・リーピンさんが登壇。リュイ・リーピンさん、まだまだお若い!
主演にふさわしい農村に生きる武骨な男性を500近くの地方の劇団などを探したけれど、ぴんとくる人物が見つからず、ウー・ヤンヤンさんが、お父さんであるウー・ティエンミン監督に「スタッフのチャン・イーモウさんはどう?」と進言。俳優チャン・イーモウの誕生となったことを明かしてくれました。
25日(日)12時〜
東京国際映画祭「EVEREST フレンドシップ会見」に参加しました。
EVERESTをめぐる二つの映画の会見でした。
第一部 『エベレスト3D』来日記者会見
特別招待作品『エベレスト 3D』のゲストとして来日したバルタザール・コルマウクル監督と、日本の女性登山家役で出演している森尚子さんが登壇。
保険会社が保障してくれる限界の高さのところで撮影を敢行。「実は限界をちょっと超えてました」と監督。森尚子さんは小さい頃から米国や英国で育ち、現在ロンドン在住で女優として活躍。いずれは日本でも活動したいと語りました。
第二部 『エヴェレスト 神々の山嶺』製作過程報告会見
全世界で翻訳されている夢枕獏の大ベストセラー山岳小説「神々の山嶺(いただき)」が、『エヴェレスト 神々の山嶺』として映画化され、来年3月12日に公開されます。
左から原作者・夢枕獏さん、製作代表・角川歴彦KADOKAWA会長、平山秀幸監督
原作者の夢枕獏さんも、エヴェレスト5200mの撮影現場を陣中見舞い。主演の岡田准一さん、阿部寛さん、尾野真千子さんをはじめ、キャスト・スタッフ一丸となって撮影に臨んでいるのを目の当たりにして感動したと語ってくださいました。
公式サイト:http://everest-movie.jp
この後、在日本ネパール国大使:マダン クマール バッタライ特命全権大使に地震お見舞い金の贈呈の後、『エベレスト3D』『エヴェレスト 神々の山嶺』合同のトークが行われたのですが、『古井戸』のQ&Aに走ったため、残念ながら拝見できず。
『古井戸』[デジタル・リストア版]Q&Aに、ちょっと遅れて入り込みました。
『古井戸』は、第二回の東京国際映画祭でグランプリと主演男優賞(チャン・イーモウ)のダブル受賞した作品。私は映画祭ではなく、その後の公開を亡き母と一緒に観た懐かしい作品です。とはいえ、井戸に生き埋めになったシーン以外、ほとんど覚えていないのですが・・・
Q&Aには、昨年ご逝去されたウー・ティエンミン監督のお嬢さんウー・ヤンヤンさん(左)と、女優のリュイ・リーピンさんが登壇。リュイ・リーピンさん、まだまだお若い!
主演にふさわしい農村に生きる武骨な男性を500近くの地方の劇団などを探したけれど、ぴんとくる人物が見つからず、ウー・ヤンヤンさんが、お父さんであるウー・ティエンミン監督に「スタッフのチャン・イーモウさんはどう?」と進言。俳優チャン・イーモウの誕生となったことを明かしてくれました。
2015年10月27日
東京国際映画祭 被写体に笑って〜と決して言わないアントン・コービン@『ディーン、君がいた瞬間(とき)』舞台挨拶 & 老婆役にびっくりのクリスティん・ハキムさん@『民族の師 チョクロアミノト』 (咲)
東京国際映画祭も、あっという間に、もう中盤を過ぎてしまいました。
ほんとは、毎日、少しずつでもその日にあったことを書こうと思っていたのですが、帰宅は連日午前様。
振り返って、特に印象的だったことを少しずつお届けします。
24日(土)11時 新宿バルト9で『ディーン、君がいた瞬間(とき)』アントン・コービン監督 舞台挨拶取材。
ドキュメンタリー映画『アントン・コービン 伝説のロック・フォトグラファーの光と影』を観て、アントン・コービンの撮る写真にぐっと惹かれた私。ぜひ、本人に会いたい!と駆け付けました。身長190cm以上! さすが、オランダ人、背が高い。
『ディーン、君がいた瞬間(とき)』は、ジェームズ・ディーンと彼を無名の新人時代から密着取材した写真家デニス・ストックの旅と友情を描いた映画。
監督を依頼されたアントン・コービン、「私はカメラマンとして40年。正直いってジェームズ・ディーンよりも写真家のデニスのほうに興味がありました。デニスに共感し、デニスと被写体との関係にも興味を持ちました。それがジェームズ・ディーンなので、さらに面白い作品になったと思います」と語りました。
フォトセッションで、MCから「どうぞ笑ってください」と言われ、「私は被写体に笑って〜と一度も言ったことがありません」とアントン・コービン。そう! 彼の撮る被写体は、キッと正面を睨みつけていて、ぞくっとさせられるのです。なるほど〜 笑ってと言わないんだ!
六本木に移動して、1時過ぎから『民族の師 チョクロアミノト』(インドネシア/ガリン・ヌグロホ監督)のQ&A取材。前日、大竹洋子さん(元東京国際女性映画祭ディレクター 写真右)にお会いしたら、明日のQ&AのMCをすることになっているとおっしゃったので、これまた駆け付けなくてはと。
オランダの植民地支配からインドネシア独立へと導いた民族主義運動の指導者チョクロアミノトの壮大で重厚な物語。
東京国際女性映画祭でお馴染みのクリスティン・ハキムさん(左)が登壇。元々女優ですが、高野悦子さんの奨めで映画の製作にも携わるようになったそうです。本作にも製作で関わるほか出演も。翌日、映画を拝見しましたが、出演していると聞いてなければ、わからないほど、迫力ある老婆になりきっていました。
左からクリスティン・ハキム(製作/女優)、ナヤカ・ウンタラ(製作)、デウィ・ウヤマ・ラフマン(製作)
ナヤカ・ウンタラさんは、チョクロアミノトの曾孫。所属するチョクロアミノト財団が製作をバックアップ。「1934年に亡くなってなければ、初代大統領になったかもしれません。長女が結婚したのがスカルノです」と語りました。
ほんとは、毎日、少しずつでもその日にあったことを書こうと思っていたのですが、帰宅は連日午前様。
振り返って、特に印象的だったことを少しずつお届けします。
24日(土)11時 新宿バルト9で『ディーン、君がいた瞬間(とき)』アントン・コービン監督 舞台挨拶取材。
ドキュメンタリー映画『アントン・コービン 伝説のロック・フォトグラファーの光と影』を観て、アントン・コービンの撮る写真にぐっと惹かれた私。ぜひ、本人に会いたい!と駆け付けました。身長190cm以上! さすが、オランダ人、背が高い。
『ディーン、君がいた瞬間(とき)』は、ジェームズ・ディーンと彼を無名の新人時代から密着取材した写真家デニス・ストックの旅と友情を描いた映画。
監督を依頼されたアントン・コービン、「私はカメラマンとして40年。正直いってジェームズ・ディーンよりも写真家のデニスのほうに興味がありました。デニスに共感し、デニスと被写体との関係にも興味を持ちました。それがジェームズ・ディーンなので、さらに面白い作品になったと思います」と語りました。
フォトセッションで、MCから「どうぞ笑ってください」と言われ、「私は被写体に笑って〜と一度も言ったことがありません」とアントン・コービン。そう! 彼の撮る被写体は、キッと正面を睨みつけていて、ぞくっとさせられるのです。なるほど〜 笑ってと言わないんだ!
六本木に移動して、1時過ぎから『民族の師 チョクロアミノト』(インドネシア/ガリン・ヌグロホ監督)のQ&A取材。前日、大竹洋子さん(元東京国際女性映画祭ディレクター 写真右)にお会いしたら、明日のQ&AのMCをすることになっているとおっしゃったので、これまた駆け付けなくてはと。
オランダの植民地支配からインドネシア独立へと導いた民族主義運動の指導者チョクロアミノトの壮大で重厚な物語。
東京国際女性映画祭でお馴染みのクリスティン・ハキムさん(左)が登壇。元々女優ですが、高野悦子さんの奨めで映画の製作にも携わるようになったそうです。本作にも製作で関わるほか出演も。翌日、映画を拝見しましたが、出演していると聞いてなければ、わからないほど、迫力ある老婆になりきっていました。
左からクリスティン・ハキム(製作/女優)、ナヤカ・ウンタラ(製作)、デウィ・ウヤマ・ラフマン(製作)
ナヤカ・ウンタラさんは、チョクロアミノトの曾孫。所属するチョクロアミノト財団が製作をバックアップ。「1934年に亡くなってなければ、初代大統領になったかもしれません。長女が結婚したのがスカルノです」と語りました。
2015年10月25日
東京国際映画祭 中華圏の映画に浸った23日 『ぼくの桃色の夢』の美少女スン・イーさんにうっとり♪ (咲)
東京国際映画祭が開幕しました。
今年はオープニングの10月22日は、家で休養。
レッド・カーペット(一時期グリーン・カーペットでしたね)の取材も楽しいのですが、これから連日体力勝負ですから〜!
という次第で、23日が私にとっての東京国際映画祭本番初日となりました。
最初に観たのは、『レイジー・ヘイジー・クレイジー』(アジアの未来)
香港を舞台に、ピンクと白の制服姿の18歳の女の子3人の物語。あっけんからんと援助交際にいそしむ女の子たちの姿を大胆に描いたのは女性監督! パン・ホーチョン監督を師とするジョディ・ロック監督です。実話に基づいて監督自身が脚本を執筆。あ〜びっくりな女の子たちの生態でした。
次に、中国映画『ぼくの桃色の夢』(コンペティション)
河北省の田舎町。中学に入学した時に一目惚れした美少女を大人になるまでずっと思い続ける一途な男の物語。改革開放で中国が大きく変わっていく姿が同時に描かれています。
上映後に記者会見。ハオ・ジエ監督と、主演の二人バオ・ベイアルさんにスン・イーさんが登壇。
スン・イーさん、めちゃくちゃ可愛い! 女性の私でも思わず目が釘付けになるくらい!彼女は美少女から妊婦までを一人で演じています。どうりで、映画で最初に出てきた時に、中学1年生にしては背がやたら高いなと思ったのでした。でも、違和感はありませんでした。そして、丸坊主のバオ・ベイアルさんにびっくり。映画では、カツラを被っていたそうです。
自伝的映画ではないけれど、物語の85%はハオ・ジエ監督の経験。
ベイアルさんが監督に、「自分の話なら自分で演じたら〜」と言ったら、「僕はこんなにカッコいいから、君が演じた方がいいよ」と監督は答えたそう。「でも、ほかの人には、いじいじしたタイプなので、彼にやってもらうことにしたと言っていたのですよ」とベイアルさん。ほんとに、いじいじ、うじうじの主人公でした。
この日の締めは、『破風』(香港・中国)のダンテ・ラム監督Q&A。
映画はまだ観ていないのですが、これは聴いておきたいと、駆け付けました。
破風とは、中国語で「風よけ」のこと。自転車ロードレースの物語です。
前作『激戦 ハート・オブ・ファイト』では、格闘技を通じ中年男が自分を取り戻す姿を描いた監督。今回は、若者をテーマにどうやって自分を突破するかを撮ったそうです。イケメン3人が出演しているとのことで、観るのが楽しみです。
今年はオープニングの10月22日は、家で休養。
レッド・カーペット(一時期グリーン・カーペットでしたね)の取材も楽しいのですが、これから連日体力勝負ですから〜!
という次第で、23日が私にとっての東京国際映画祭本番初日となりました。
最初に観たのは、『レイジー・ヘイジー・クレイジー』(アジアの未来)
香港を舞台に、ピンクと白の制服姿の18歳の女の子3人の物語。あっけんからんと援助交際にいそしむ女の子たちの姿を大胆に描いたのは女性監督! パン・ホーチョン監督を師とするジョディ・ロック監督です。実話に基づいて監督自身が脚本を執筆。あ〜びっくりな女の子たちの生態でした。
次に、中国映画『ぼくの桃色の夢』(コンペティション)
河北省の田舎町。中学に入学した時に一目惚れした美少女を大人になるまでずっと思い続ける一途な男の物語。改革開放で中国が大きく変わっていく姿が同時に描かれています。
上映後に記者会見。ハオ・ジエ監督と、主演の二人バオ・ベイアルさんにスン・イーさんが登壇。
スン・イーさん、めちゃくちゃ可愛い! 女性の私でも思わず目が釘付けになるくらい!彼女は美少女から妊婦までを一人で演じています。どうりで、映画で最初に出てきた時に、中学1年生にしては背がやたら高いなと思ったのでした。でも、違和感はありませんでした。そして、丸坊主のバオ・ベイアルさんにびっくり。映画では、カツラを被っていたそうです。
自伝的映画ではないけれど、物語の85%はハオ・ジエ監督の経験。
ベイアルさんが監督に、「自分の話なら自分で演じたら〜」と言ったら、「僕はこんなにカッコいいから、君が演じた方がいいよ」と監督は答えたそう。「でも、ほかの人には、いじいじしたタイプなので、彼にやってもらうことにしたと言っていたのですよ」とベイアルさん。ほんとに、いじいじ、うじうじの主人公でした。
この日の締めは、『破風』(香港・中国)のダンテ・ラム監督Q&A。
映画はまだ観ていないのですが、これは聴いておきたいと、駆け付けました。
破風とは、中国語で「風よけ」のこと。自転車ロードレースの物語です。
前作『激戦 ハート・オブ・ファイト』では、格闘技を通じ中年男が自分を取り戻す姿を描いた監督。今回は、若者をテーマにどうやって自分を突破するかを撮ったそうです。イケメン3人が出演しているとのことで、観るのが楽しみです。
2015年10月24日
『独裁者と小さな孫』12月公開を前に、モフセン・マフマルバフ監督と嬉しい再会 (咲)
去年の東京フィルメックスで『プレジデント』のタイトルで上映され、観客賞を授賞した作品が12月12日より日本で一般公開されるのを前に、マフマルバフ監督が来日。10月20日、お話を聴く機会をいただきました。
一昨年の東京フィルメックス以来、2年ぶりの再会。
握手の手を差し伸べてくださるマフマルバフ監督。
命の危険に何度もさらされている監督。ほんとに、無事お会いできましたという思い。
「サミラjanやハナjanもお元気ですか〜?」「皆、元気だよ」と監督。
(janは、ペルシア語で 日本語の「ちゃん」に当たります)
2013年の東京フィルメックスで審査委員長をされた折のインタビューの時に撮ったオレンジを高く掲げた写真とインタビュー記事を掲載したシネマジャーナル90号をお渡しする。
「もう2年前なんだね」
窓辺でテーブルをはさんで2誌合同での取材。
通訳はお馴染みのショーレ・ゴルパリアンさん。
椅子が離れすぎていて、こんなに遠く座っていると、自分が独裁者になった気分になってしまうので・・・と、椅子を近づけて〜とお願いされます。ぐっと近づいてのインタビュー。
まずは、もう1誌の方から先に質問。
と、途中で突然立ち上がる監督。
『独裁者と小さな孫』のポスターパネルを取りにいって、自分の脇に置かれました。前の取材で、白い壁を背景に撮影するために、離れたところにあったのでした。
さらに、机の上にあったペットボトルが撮影に邪魔と気が付いて、床に置いてくださる。
ほんとに、お気遣いの監督!
こんな雰囲気で行ったインタビューの詳細は、後日お届けしますが、印象的だった発言を二つ、お届けします。
「今はどこにお住まいですか?」の質問に、「今はロンドンに居を置いていますが、その質問をされたら、地球の上に住んでいると答えます」 (そうだった! 前にもそうおっしゃったのでした!)
「国境はいつかすべてなくなる。私は一歩先をいっているのです」
「暴力を起こすのは、普通の国民。生まれた時には、皆、純粋な人間だった。大きくなるにつれ、自分たちの中には、純粋さと共に独裁者も存在するようになる。権力を手にすれば、独裁者になるかもしれない。映画を観て、自分の中に存在している独裁者の部分を見つめ直して悪いところを変えていこうと思っていただければと思う」
『独裁者と小さな孫』
公式サイトhttp://dokusaisha.jp
★2015年12月12日(土)新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町 他全国公開
一昨年の東京フィルメックス以来、2年ぶりの再会。
握手の手を差し伸べてくださるマフマルバフ監督。
命の危険に何度もさらされている監督。ほんとに、無事お会いできましたという思い。
「サミラjanやハナjanもお元気ですか〜?」「皆、元気だよ」と監督。
(janは、ペルシア語で 日本語の「ちゃん」に当たります)
2013年の東京フィルメックスで審査委員長をされた折のインタビューの時に撮ったオレンジを高く掲げた写真とインタビュー記事を掲載したシネマジャーナル90号をお渡しする。
「もう2年前なんだね」
窓辺でテーブルをはさんで2誌合同での取材。
通訳はお馴染みのショーレ・ゴルパリアンさん。
椅子が離れすぎていて、こんなに遠く座っていると、自分が独裁者になった気分になってしまうので・・・と、椅子を近づけて〜とお願いされます。ぐっと近づいてのインタビュー。
まずは、もう1誌の方から先に質問。
と、途中で突然立ち上がる監督。
『独裁者と小さな孫』のポスターパネルを取りにいって、自分の脇に置かれました。前の取材で、白い壁を背景に撮影するために、離れたところにあったのでした。
さらに、机の上にあったペットボトルが撮影に邪魔と気が付いて、床に置いてくださる。
ほんとに、お気遣いの監督!
こんな雰囲気で行ったインタビューの詳細は、後日お届けしますが、印象的だった発言を二つ、お届けします。
「今はどこにお住まいですか?」の質問に、「今はロンドンに居を置いていますが、その質問をされたら、地球の上に住んでいると答えます」 (そうだった! 前にもそうおっしゃったのでした!)
「国境はいつかすべてなくなる。私は一歩先をいっているのです」
「暴力を起こすのは、普通の国民。生まれた時には、皆、純粋な人間だった。大きくなるにつれ、自分たちの中には、純粋さと共に独裁者も存在するようになる。権力を手にすれば、独裁者になるかもしれない。映画を観て、自分の中に存在している独裁者の部分を見つめ直して悪いところを変えていこうと思っていただければと思う」
『独裁者と小さな孫』
公式サイトhttp://dokusaisha.jp
★2015年12月12日(土)新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町 他全国公開