2015年10月31日

東京国際映画祭 私のお気に入り『スリー・オブ・アス』『カランダールの雪』の嬉しい受賞で祭は終わり! (咲)

いよいよ東京国際映画祭最終日。
今日は、朝10時からイラン大使館でイラン考古学セミナーでした。お昼は、大使公邸で美味しいイラン料理に舌鼓。3時にセミナーが終わって、皆でお茶していたら、家で中継を観ていた友だちから、審査員特別賞は『スリー・オブ・アス』との嬉しい速報! 続いて、『カランダールの雪』が最優秀監督賞とWOWOW賞との続報。
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昨日の夕方、シネマカフェで『カランダールの雪』のゲストご一行と遭遇。ムスタファ・カラ監督(写真右端)から、「私の映画どうだった? ほかのコンペ作品も観た?」と、ちょっと心配そうに聞かれ、「もちろん、『カランダールの雪』が一番! 受賞間違いないです。おめでとうございます!」と、先走りして申しあげたのでした。(受賞できてよかった〜!)

『カランダールの雪』はお気に入りの作品ですが、でも、実は、私の中でのコンペ一番は、『スリー・オブ・アス』でした。1979年のイラン革命で、イランの民衆は民主的な政権を求めて王政を打倒したのに、気がついたら、イスラーム勢力が政権を取っていて、え〜どうして〜という思いでいることがよくわかる作品。ユーモアたっぷりに描いていて、イランの人たちが観たら、まさにそうそう!と拍手喝采間違いなし。
今回、フランスでの公開間近のため、監督ほか関係者は来日されず、とても残念でした。日本での公開が決まって監督とお会いできることを期待したいです。

嬉しい知らせを聞いたので、これはやっぱり記者会見を聞かなくては・・・と、5時過ぎに六本木へ。町はハロウィン一色。
シネマカフェを覗いたら、ペルシア語通訳のショーレさんがいらして、隣には『ガールズ・ハウス』のシャーラム・シャーホセイニ監督が、素敵なスーツ姿で微笑んでました。あ〜この作品には、脚本賞を創設して差し上げてほしかった!
トルコの『父のタラップ車』のご一行にもお会いできて、お別れの言葉を交わすことができました。映画祭全体の中で、一番気に入った作品。泣けて笑える、日本人にも絶対受ける映画だと思います。公開されないかなぁ〜

最高賞の東京グランプリに輝いた『ニーゼ』(ブラジル)は、時間の都合で、最初の5分しか観ていないので、いつか観られるチャンスを楽しみにしたいと思います。

 ★第28回 東京国際映画祭 受賞結果★
コンペティション部門
東京グランプリ 『ニーゼ』
審査員特別賞 『スリー・オブ・アス』
最優秀監督賞 ムスタファ・カラ監督『カランダールの雪』
最優秀女優賞 グロリア・ピレス『ニーゼ』
最優秀男優賞 ローラン・モラー/ルイス・ホフマン『地雷と少年兵』
最優秀芸術貢献賞『家族の映画』

アジアの未来部門
作品賞 『孤島の葬列』
国際交流基金特別賞 デグナー監督『告別』

日本映画スプラッシュ部門
作品賞 『ケンとカズ』

WOWOW賞『カランダールの雪』
観客賞 『神様の思し召し』

詳細はこちらで!

さて、5時半から、記者会見。
最初にコンペティション審査委員 総評。
ブライアン・シンガー審査委員長を筆頭に、審査員が登壇。
ワインを片手の審査員も。
フォトセッションが終わって、「補聴器付けてください」
「あ、同時通訳のイヤフォンです」と笠井信輔アナウンサー。ぐっと場が和みます。

それぞれ審査員としての映画祭の感想をお話してくださって、最後の審査の場では、皆の意見が一致してすんなりと賞が決まったことが伝わってきました。

今回の審査員の皆が映画の製作者。
記者からの、「作品はフィルムメーカーとしての気持ちで選んだのか、それとも観客として?」との質問にも、各人が丁寧に答えられました。中でも大森一樹監督の言葉がすべてを表わしていると感じました。
「座って映画を観ていたら、引き込まれる映画と引き込まれない映画がある。映画の持つ力です。審査にマニュアルはありません」

唯一日本人審査員だった大森一樹監督。「最後の審査で、これを推されたらどうしよう〜と思う作品が出てきたら、英会話教室やるのもしんどいと思っていたら、最初にブライアン・シンガー審査委員長があげた6本に、皆が同感。共通の作品が出てきたことに感動しました」とも語りました。
『ニーゼ』と『カランダールの雪』の監督の受賞式でのスピーチを聞いて、この監督たちに賞をあげることができてよかったとも。スピーチ、公式サイトでチェックしてみなくちゃ。
posted by sakiko at 22:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画祭 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

東京国際映画祭 「EVEREST フレンドシップ会見」 EVERESTに挑んだ二つの映画対決 & 『古井戸』Q&Aで俳優チャン・イーモウ誕生秘話  (咲) 

もう、今日はクロージングセレモニーというのに、すみません・・・  全然追いつかず、25日のことを!

25日(日)12時〜 
東京国際映画祭「EVEREST フレンドシップ会見」に参加しました。
EVERESTをめぐる二つの映画の会見でした。

第一部 『エベレスト3D』来日記者会見
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特別招待作品『エベレスト 3D』のゲストとして来日したバルタザール・コルマウクル監督と、日本の女性登山家役で出演している森尚子さんが登壇。
保険会社が保障してくれる限界の高さのところで撮影を敢行。「実は限界をちょっと超えてました」と監督。森尚子さんは小さい頃から米国や英国で育ち、現在ロンドン在住で女優として活躍。いずれは日本でも活動したいと語りました。

第二部 『エヴェレスト 神々の山嶺』製作過程報告会見
全世界で翻訳されている夢枕獏の大ベストセラー山岳小説「神々の山嶺(いただき)」が、『エヴェレスト 神々の山嶺』として映画化され、来年3月12日に公開されます。
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左から原作者・夢枕獏さん、製作代表・角川歴彦KADOKAWA会長、平山秀幸監督

原作者の夢枕獏さんも、エヴェレスト5200mの撮影現場を陣中見舞い。主演の岡田准一さん、阿部寛さん、尾野真千子さんをはじめ、キャスト・スタッフ一丸となって撮影に臨んでいるのを目の当たりにして感動したと語ってくださいました。
公式サイト:http://everest-movie.jp

この後、在日本ネパール国大使:マダン クマール バッタライ特命全権大使に地震お見舞い金の贈呈の後、『エベレスト3D』『エヴェレスト 神々の山嶺』合同のトークが行われたのですが、『古井戸』のQ&Aに走ったため、残念ながら拝見できず。

『古井戸』[デジタル・リストア版]Q&Aに、ちょっと遅れて入り込みました。
『古井戸』は、第二回の東京国際映画祭でグランプリと主演男優賞(チャン・イーモウ)のダブル受賞した作品。私は映画祭ではなく、その後の公開を亡き母と一緒に観た懐かしい作品です。とはいえ、井戸に生き埋めになったシーン以外、ほとんど覚えていないのですが・・・
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Q&Aには、昨年ご逝去されたウー・ティエンミン監督のお嬢さんウー・ヤンヤンさん(左)と、女優のリュイ・リーピンさんが登壇。リュイ・リーピンさん、まだまだお若い!
主演にふさわしい農村に生きる武骨な男性を500近くの地方の劇団などを探したけれど、ぴんとくる人物が見つからず、ウー・ヤンヤンさんが、お父さんであるウー・ティエンミン監督に「スタッフのチャン・イーモウさんはどう?」と進言。俳優チャン・イーモウの誕生となったことを明かしてくれました。
posted by sakiko at 09:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画祭 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする