2015年11月03日

山形国際ドキュメンタリー、東京国際映画祭、怒涛の3週間が終わりました (暁)

一昨日10月31日、第28回東京国際映画祭の授賞式が終わり、怒涛の3週間の一区切り。
10月8日から15日まで、初めて「山形国際ドキュメンタリー映画祭2015」に行き、17日にシネマジャーナル95号の第1回編集。山形の原稿をまとめる間もなく、22日から31日までは東京国際映画祭。怒涛の3週間でしたが、昨日からまた95号の原稿書き作業に。
山形国際ドキュメンタリー映画祭は、第1回から行ってみたかったのだけど、シネマジャーナル本誌編集日の直前に行われる映画祭ということで、なかなか行くことができないでいました。でも、最近、東京近辺の映画祭で、中国語圏の映画上映がほとんどなく、中国語映画渇望症になっていた私は、今回、山形で「ドキュメンタリーに見る現代台湾の光と影」という特集があることを知り、無謀にもこの映画祭行きを決行してしまいました(笑)。パソコンを持っていけば、少しは原稿を書けるかもしれないという、淡い希望を持っていたのですが、毎日帰りが遅く、映画と映画の間も時間があまりなく、結局、原稿進まずでしたが、いろいろな出会いや発見があり、本誌の編集間際に行われる映画祭だけど、また行ってみたいなと思って帰ってきました。
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山形国際ドキュメンタリー映画祭2015受賞者たち

オープニングの時に隣に座った方が、偶然にも名古屋でシネマジャーナルを置いてくれているTheater Cafeの方で、さっそく映画が終わった後、お仲間と一緒に飲みに行きました(笑)。その飲み屋で隣の席に座っていたのが香港から『革命まで』という作品を持ってきたクルーでした。これは、2013年、民主的な選挙を求めて道路を占拠した、雨傘革命に至る過程を記録した作品。この作品の郭達俊(クォック・タッチュン)、江瓊珠(コン・キンチュー)監督にインタビューしました。この記事はシネマジャーナル95号に掲載予定。
*HPにも掲載しました
『革命まで』2015年 香港
郭達俊(クォック・タッチュン)監督&江瓊珠(コン・キンチュー)監督インタビュー
山形国際ドキュメンタリー映画祭 2015にて
http://www.cinemajournal.net/special/2016/kakumeimade/index.html

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江瓊珠(左)、郭達俊(右)監督

また、2014年、中台サービス貿易協定の撤回を求めて学生たちが台湾立法院に突入し議場を占拠した時の模様を多くの独立映像製作者が参加して、様々な角度から占拠を包括的に捉えた作品『太陽花(ひまわり)占拠』も上映され、『革命まで』と2作品の大ディスカッションが行われました。
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『太陽花(ひまわり)占拠』、『革命まで』のスタッフたち

山形には6日間行き、3日間が「ドキュメンタリーに見る現代台湾の光と影」特集、あとの3日間でその他の作品という配分でした。9日に観たのは是枝裕和監督が22年前に作ったTVドキュメンタリー「侯孝賢とエドワード・ヤン」。私はこの番組があったことを知らなかったけど、侯孝賢監督の『戯夢人生』公開前にTV放映されたらしい。今回知って「そうだったのか」というエピソードがいくつもあり、22年後の新発見という感じ。
その次に観たのが『あの頃、この時』(楊力州/ヤン・リーチョウ監督)。これは1962年に創設された台湾金馬奨の50年を記念して、映画から見る戦後台湾を描いた作品でした。金馬の名の由来は、金門島と馬祖島の頭文字を合わせたものというのに驚いた。当時、両島は台湾と中国対立の最前線で、映画文化の発展の目的以外に、反共の意味が含まれていたという。さらに、蒋介石総統の誕生日に行われていて、誕生祝いの意味もあったのだとか。その後、台湾映画以外に香港映画も含まれ、また、中国やシンガポールなどの映画も対象になり、今や中華圏を網羅した映画賞になりました。台湾の映画人ばかりでなく、香港や中国の監督や俳優なども出演し、台湾映画史を短時間で復習したという感じでした。
この2作品を観ただけでも、この映画祭に来て良かったと大満足。
この日は6本の作品を観たが、最後は周美玲(ゼロ・チョウ)、劉芸后(ホホ・リュウ)監督が2001年に作った『コーナーズ』。台湾の同性愛者たちを描いた作品です。『花様〜たゆたう想い〜』で二人にインタビューしていたので、後でインタビュー記事を掲載したシネマジャーナル89号を渡すと大喜び。
シネマジャーナルHP 『花様〜たゆたう想い〜』インタビュー記事
http://www.cinemajournal.net/special/2013/kayou/index.html

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左 周美玲、右 劉芸后監督

台湾ドキュメンタリー2日目の10日は5本の作品を観たが、以前上映され、シネマジャーナル66号に掲載されていた 『無米楽』の上映があり、この作品がずっと気になっていたので、観ることができて来た甲斐がありました。 この日は台湾の映画に詳しいIさんが東京から来て、映画が終わってからお仲間とともに飲みに。この時に知り合った小林美恵子さんがシネマジャーナルの読者ということがわかり、その後3日間、映画が終わると食事に行くことに。彼女は今年「中国語圏映画、この10年」という本を出しました。私はまだ読んでいないのですが、95号の編集が終わったらさっそく読んで紹介したいと思います。
http://athird.cart.fc2.com/ca3/118/
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小林美恵子著「中国語圏映画、この10年」

今回、印象に残ったのは台湾の老兵たちのことを描いた作品。
『陳才根と隣人たち』呉乙峰(ウー・イフォン)監督/1996、『河北台北』李念修(リ・ニェンシウ)監督/2015の2作品を観た。蒋介石、国民党とともに中国大陸から台湾にやってきた外省人の人たち。この2作品は、いつか大陸にもどるという思いで生きている外省人たちのことを描いている。
東京国際映画祭で上映された王童(ワン・トン)監督の『風の中の家族』も、大陸から台湾にやってきた人たちのことを描いていたが、日本でも台湾でも、その世代の人たちはすでに80代以上がほとんど。波乱万丈の生涯を送った人たちの記憶が忘れ去られてしまわないようにという思いが伝わってきた。
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『風の中の家族』王童監督

去年の中国映画週間は、東京国際映画祭より3日早く始まったのでけっこう作品鑑賞ができたけど、今年は東京国際映画祭ともろバッティングしていて4本しか観ることができなかった。たくさん観たい作品があったのに残念。でもその分、今年の東京国際映画祭では中国映画がずいぶんあり、しっかり観ることができた。
また、去年亡くなった呉天明(ウ・ティエンミン)監督の古い作品『標識のない河の流れ』『古井戸』も観ることができました。
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『古井戸』 右 リュウ・リーピンさん、左 ウー・ヤンヤンさん(呉天明監督の娘)

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第28回東京国際映画祭受賞者たち

この3週間で、たくさんの中国語圏の作品を観ることができ、大満足の怒涛の日々でした。
そうこうしているうちに今日は東京フィルメックスのチケット販売日。秋は次から次に映画祭が目白押し。どんな作品が上映されるのか調べるのに追われる。これが終わったら、今度こそシネマジャーナル95号の原稿をまとめなくちゃ。(暁)










posted by akemi at 04:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画祭 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする