2015年11月26日

東京フィルメックス チベット族の孤独な男をユーモアたっぷりに描いた『タルロ』 (咲)

25日(水)11:20〜 中国映画『タルロ』
毛沢東語録の一節をよどみなく語り続ける男。
やがて、「名前は?」と聞かれ「三つ編み」と答える場面から、男はチベット族で、幼い時に親を亡くして以来、羊飼いとして暮らしてきたことが語られる。とにかく記憶力がすごい。羊の雄雌別や色別の頭数など細かく把握している。時々前ポケットに入れた子羊にミルクをあげる。母羊が狼に襲われてしまったのだという。
場所は警察署。なかなか申請しなかった身分証のために来たらしい。本名はタルロ。いつも三つ編みと呼ばれていて、自分のような気がしないと笑う。写真を撮る段になって、あまりの髪の汚さに向かいの理髪店に行って来いと言われる。そこで出会う理髪店の若い女性。今まで女性に縁のなかったタルロ。やがて、彼女とカラオケに行くことになる・・・

ユーモアたっぷりにチベット族のタルロの人生、そして恋の顛末が語られます。
モノクロ映像から、なんともいえない哀愁が漂います。
DSCF2427 taruro.JPG
上映後のQ&Aにペマ・ツェテン監督が登壇。
ある時、辮髪の男が頭に浮かび、そこから物語を作り上げたそうです。自分は何者であるかを探す男の物語。毛沢東語録を中国語で語るチベット族ということから、40代の特殊な時代を経てきた人物だということを示しています。
モノクロにしたことの理由をどの映画祭でも質問されるそうで、美学的にタルロという寂しい突出した人物をより強く表現できると思ったからと答えました。
理髪店に入ってからはすべて鏡に映る世界。逆さまの不確定で幻想的な世界。自分の暮らしている山の中と町の差でもあると解説されました。

『タルロ』は、今晩 11月26日 21:15より、もう一度上映されます。
お奨めの一作です。ぜひ!

『オールド・ドッグ』で第12回東京フィルメックスグランプリに輝いたペマ・ツェテン監督の最新作。監督の作品としては、『静かなるマニ石』が大好き。

監督来日にあわせ、下記の上映会の企画もあります!

★ペマ・ツェテン監督『五色の矢』上映会
監督の来日にあわせて『五色の矢』上映会が開催されます。
日本初上映、一日限り、上映後にはペマ監督も質疑応答のために登壇されます。

日時:2015年11月27日 (金) 18:00-20:30 (17:30開場)
場所:東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所3階 303号室 (大会議室)
交通案内:http://www.tufs.ac.jp/access/tama.html
•申し込み不要、参加無料です。
•映画は英語・中国語字幕版による上映です。
◎主催:東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所「言語の動態と多様性プロジェクト」(LingDy2)  担当 星 (hoshi@aa.tufs.ac.jp)
posted by sakiko at 08:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画祭 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする