2015年12月11日

『犬に名前をつける日』銀座トーク祭り

『犬に名前をつける日』の山田あかね監督より追加トークのが連絡ありましたので下記に記します。まだ、観ていない方、ぜひ観にいってみてくださいね。
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(C)スモールホープベイプロダクション

シネスイッチ銀座では、1ヶ月以上続くロングランになりました。
12月18日(金)でラストになります。
そこで、ラストを盛り上げようと三夜連続のトークイベントを企画しました。

映画「犬に名前をつける日」銀座トーク祭り

場所:シネスイッチ銀座 東京都中央区銀座4−4−5
シネスイッチ銀座 http://cineswitch.com/news/index.htm
司会:山田あかね(映画「犬に名前をつける日」監督&プロデューサー)

@犬と猫とのんびり暮らす方法
12月16日(水)19時〜21時半
(19時からの映画の上映、トークは21時から30分)
☆トークゲスト pha(ふぁ・ハンドルネーム)さん。
京大卒の日本一有名なニート。保護猫と暮らす。ベストセラー「ニートの歩き方」で、日本一有名になったニートのphaさん。都内のギークハウス(シェアハウス)に仲間3人と2匹の猫と暮らしている。
「殺処分の問題は、実は、犬と人間の間に、“お金”が介在したことから生まれた…」と指摘。なんでもお金に換算する社会が“弱いもの”の行き場を奪っているという。本人はのんびりした性格で、「猫のような暮らし」「隠居のような生活」をしている。新刊に「持たない幸福論」(幻冬舎)「しないことリスト」(大和書房)など「しなきゃならない」とされている常識から抜け出してラクに生きようという。2014年7月「ザ・ノンフィクション お金がなくても楽しく暮らす方法」(フジテレビ)で、phaさんのドキュメンタリーを監督・山田あかねが撮影。動物とのんびり暮らす方法についても、話し合う。
主催 (株)スモールホープベイプロダクション
問い合わせ shbp2013@muse.ocn.ne.jp  050-3625−3075  ヤマダ

A「犬猫と見つめる、新しい真実の形」
 12月17日(木)19時〜21時半
(19時からの映画の上映後、21時から30分ほど)
☆トークゲスト 松江哲明 (映画監督)
山田孝之主演「東京都北区赤羽」(テレビ東京)で斬新なドキュメンタリー番組を作り、若者を中心に人気の高い、松江哲明さんをゲストに、新しい形のドキュメンタリーや保護犬、猫との暮らし方について。
「ジドリ」(NHK総合)では、俳優の斉藤工さんにカメラを渡して、自分自身を撮ってもらい、それを編集するという斬新なドキュメンタリーを作った。斉藤さんは、本作を”映画「野火」(塚本晋也監督)と同じくらい、今、日本人が見なくていけない映画”と称してくれた。
松江哲明さんの映画「犬に名前をつける日」へのコメント。
たとえ映画の常識を逸脱してでも、「伝えなければならない」という執念が込められた映画。
犬と猫と人間の未来を考えれば、ドキュメンタリーとフィションの境界線など些細な問題にすぎない。これからのドキュメンタリーの形や、松江監督も保護猫を飼っているので、猫との暮らしについても話してもらう。

B「犬と猫の幸せな未来」
12月18日(金)16時20分〜19時15分 
(16時20分からの上映のあと、30分ほどトーク)レディースデー950円
☆トークゲスト
「ちばわん」扇田桂代、吉田美枝子 「犬猫みなしご救援隊」中谷百里
映画「犬に名前をつける日」に出演した、「ちばわん」「犬猫みなしご救援隊」の3名をお招きして、犬、猫とのこれからの暮らし、保護犬、保護猫の現状などについて、伺います。
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(C)スモールホープベイプロダクション

『鏡のない家に光あふれ』(96)、『兼子』(04)の渋谷昶子(のぶこ)監督も、この映画をぜひ撮るようにと勧める役で出演しています。なおシネマジャーナル本誌次号の96号から渋谷監督のエッセイが連載されます。こちらもどうぞよろしく。(暁)
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(C)スモールホープベイプロダクション

シネマジャーナルHP 作品紹介
http://cinemajournal-review.seesaa.net/article/428458618.html


posted by akemi at 05:49| Comment(0) | TrackBack(0) | イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月10日

イスラーム映画祭 『ガザを飛ぶブタ』2011年 東京国際映画祭の折のインタビューを鑑賞のご参考に! (咲)

いよいよ12日から始まるイスラーム映画祭。
どれもお奨めなのですが、中でも、『ガザを飛ぶブタ』は、2011年の東京国際映画祭の時に、タイトルを観ただけで気になり、映画を観る前に監督インタビューを申し入れてしまった作品。観てさらに気に入り、観客賞も受賞したことだし、これはきっと公開される!と、シネジャ83号の表紙画像にも採用したのですが、公開ならず・・・ やっと、今回のイスラーム映画祭で日の目をみることになりました。
皆さん、お見逃しなく!
という次第で、鑑賞のご参考に監督インタビューをお披露目します。

『ガザを飛ぶブタ』
2010年・フランス=ベルギー/99分/カラー/DCP
監督:シルヴァン・エスティバル
パレスチナ人の猟師がイスラーム教徒にとって不浄なブタを釣り上げてしまう。困惑していたら、入植地にいるユダヤ人がブタを有効利用していると知り、売り込みにいく。ユダヤでもブタは不浄なもの。どう利用しているの?と、想像しただけで可笑しい。(思いもかけない利用法は、映画で確認ください!)
『迷子の警察音楽隊』で実直な音楽隊長が印象的だったサッソン・ガーベイが、ブタに羊の毛皮をかぶせて歩く姿がなんとも可愛いです。

◎インタビュー
2011年の東京国際映画祭の折に来日したシルヴァン・エスティバル監督&ミリアム・テカイアさん インタビューをご披露します。
(シネジャ83号に掲載したものから構成しました。ご購入いただければ嬉しいです♪)
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当時、監督はウルグアイ在住。記者会見は英語、合同取材ではフランス語・・・ 思わず、「監督、あなた何者?」と質問してしまいました。
監督は、パリ生まれのフランス人。キリスト教の家庭に育ったけれど特に教会には行かない。2011年当時、AFP通信の記者で中南米担当としてウルグアイに駐在。主演女優のミリアム・テカイアさんはチュニジアのイスラーム教徒の家庭で育った方。監督とはプライベートでもパートナー。監督はお蔭で自然にアラブ文化に接するようになったとのことです。とてもラブリーなカップルに、お話を伺いました。

◆ブタは国によって捉え方に大きな違いがある!
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記者会見の時に、「黒ブタちゃんは今?」と質問され、「食べちゃった! 冗談冗談」と答えた監督。物語を思いついたとき、「ブタはどこにいても汚い。男といっしょ」「イスラエル兵と話すなんて、ブタを飼うよりタチが悪い」といったジョークがすぐに思い浮んだそうです。ミリアムさんにムスリムの人がメンタル的に考えてどんなセリフなら大丈夫かアドバイスして貰い、失礼のないように配慮したとのことです。
ブタはある種の国境がある動物。中国やフランスなどはブタがすごく好きな国。フランスではカードの絵柄に愛嬌のある動物として使われます。一方、イスラームやユダヤでは不浄なもの。地域差のあるのが面白い。ベトナムのブタは黒。西洋のピンクのブタと色も違います。

◆ジョージ・クルーニーのペットのブタちゃんを起用
ジョージ・クルーニーがベトナム豚をペットとして飼っていて、あまりにもよく食べて困っていると聞きつけて、5匹分けてもらってマルタに連れていき、一番顔のいいシャルロットちゃんを主人公に抜擢。メスだけれど、映画ではオス役。忌むべきものを豊穣に使うというシンボリックな設定。
国連事務局にブタを売り込みにいくのですが、けんもほろろに追い返されます。大きな問題に手を焼いていて爆発寸前なのにブタの話をされてもという次第。人道的なことには対応できても、根本的な解決ができない。結局国連が何もできないことを象徴している場面。

◆パレスチナ人の奥さんとイスラエル兵が一緒に観ているのはブラジルのドラマ
パレスチナ人の家の屋上をイスラエル兵の見張り台に貸しているのですが、居間でテレビドラマを観ている奥さんの脇にイスラエル兵が立って一緒に楽しむ場面もあって微笑ましいです。観ているブラジルのドラマの最後は皆が仲良く暮らすという設定。現地の女性たちがドラマをよく観ていて、エジプトのドラマが多いのかと思っていたら、ブラジル等のドラマも観るというので採用したそうです。ただし、使ったのはほんとのドラマではなく、適当に繋ぎ合わせたもの。

『ガザを飛ぶブタ』上映日程
12月13日(日)19:00〜
12月15日(火)13:00〜
 上映後 トークセッション
 『パレスチナの今―戦火の中の子どもたち―』 【ゲスト】古居みずえさん
12月18日(金)16:00〜

posted by sakiko at 22:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画祭 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月01日

東京フィルメックス 「特集上映:ツァイ・ミンリャン」は有楽町スバル座で12月4日まで続きます! (咲)

東京フィルメックスは『タクシー』で終わりましたと昨日書きましたが、「特集上映:ツァイ・ミンリャン」は、有楽町スバル座で12月4日まで続きます。

28日(土)頑張って朝9時50からツァイ・ミンリャン監督の最新作『あの日の午後』を拝見。
窓の外に緑が広がる殺風景な部屋に座るツァイ・ミンリャン監督と、監督のすべての作品の主演を務めるリー・カンション。固定のカメラは二人を遠くから捉えていて、リー・カンションの顔は暗くてほとんど表情が見えません。(顔を見せてくれぃ)
何から話そう・・・と、もじもじする監督。「玄奘」の舞台で裸足で歩かされて足がひどいことに〜と足の裏を見せるリー・カンション。(最初の話題がなぜかこれ)
一生懸命話そうとする監督に対して、言葉少ななリー・カンション。監督の病気のこともあって、一緒に山奥で暮らしている二人。
「口やかましい母親がもう一人増えた感じ」
リー・カンションのこのひと言から、二人の普段の光景が目に見えるよう。
二人で訪れた国々の話になる。ヨーロッパはどこも素晴らしいね、トルコもよかった、ドバイはホテルが金ぴか、アルゼンチンまぁまぁ・・・ やっと、「日本も楽しいね」と出てきて、ちょっと嬉しい。
こんな調子で137分。「何を話したんだか」と映画は終わる。
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上映後、ツァイ・ミンリャン監督とリー・カンションが登壇。司会の林加奈子さんから撮影場所について問われ、「僕の健康上の問題があって、2年前、台北から山の中の廃墟に引越し。3つ並んだ廃墟の真ん中を改装して住んでいて、撮影をしたのは隣の廃墟」と監督。
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「対談は何の準備もなく始めました。当時、監督は体調が悪くて、遺書のようなものを残そうとしていたらしいです。今は僕のほうが首が『河』の時のような状態で、監督のほうが元気」とリー・カンション。
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「この対談は、もともと『郊遊〈ピクニック〉』(2013)に関する本を作る企画の中で、対談も入れようと。でも、リー・カンションは普段もあまり言葉を交わさないから、対談するのは難しい。出版社にお願いして作家二人に前に座ってもらって強制的に話した感じ。リーは役者なので、カメラがあってもゆったりしてたけど、僕のほうが演技が駄目だっなぁ」と、照れる監督でした。

Q&Aの模様は、公式サイトでどうぞ!
http://filmex.net/2015/news/daily-news/afternoon
『あの日の午後』は、12/2(水)18:20から、もう一度上映されます。@有楽町スバル座

◎ツァイ・ミンリャン特集
http://filmex.net/2015/program/sp3
ツァイ作品のうち、現在、日本で劇場での上映権利が残っているのは『ふたつの時、
ふたりの時間』と『郊遊<ピクニック>』のみです。どうぞお見逃しなく!

『青春神話』Blu-ray/日本語字幕
『愛情萬歳』Blu-ray/日本語字幕
『河』35mmフィルム/日本語字幕
『ふたつの時、ふたりの時間』35mmフィルム/日本語字幕
『楽日』DCP/日本語字幕、英語字幕
『ヴィザージュ』35mmフィルム/日本語字幕、英語字幕
『無色』DCP/セリフなし
『行者』DCP/英語字幕、中国語字幕(歌詞のみ)
『無無眠』DCP/セリフなし
『秋日』DCP/無字幕(日本語セリフ)

上記のうち、完成したばかりの『秋日』は、世界初上映です。
昨秋、東京フィルメックスで来日した際に撮影された24分の新作短編。
黒澤明作品のスタッフとして活躍された野上照代さんが出演。
ご覧になった野上さん、「大胆ね!」

『秋日』は、12/1(火)、12/3(木)18:20の回で、『無色』『行者』『無無眠』とあわせて上映されます。

『秋日』作品情報
http://filmex.net/2015/program/sp3/tm10
posted by sakiko at 08:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画祭 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする