2015年12月01日

東京フィルメックス 「特集上映:ツァイ・ミンリャン」は有楽町スバル座で12月4日まで続きます! (咲)

東京フィルメックスは『タクシー』で終わりましたと昨日書きましたが、「特集上映:ツァイ・ミンリャン」は、有楽町スバル座で12月4日まで続きます。

28日(土)頑張って朝9時50からツァイ・ミンリャン監督の最新作『あの日の午後』を拝見。
窓の外に緑が広がる殺風景な部屋に座るツァイ・ミンリャン監督と、監督のすべての作品の主演を務めるリー・カンション。固定のカメラは二人を遠くから捉えていて、リー・カンションの顔は暗くてほとんど表情が見えません。(顔を見せてくれぃ)
何から話そう・・・と、もじもじする監督。「玄奘」の舞台で裸足で歩かされて足がひどいことに〜と足の裏を見せるリー・カンション。(最初の話題がなぜかこれ)
一生懸命話そうとする監督に対して、言葉少ななリー・カンション。監督の病気のこともあって、一緒に山奥で暮らしている二人。
「口やかましい母親がもう一人増えた感じ」
リー・カンションのこのひと言から、二人の普段の光景が目に見えるよう。
二人で訪れた国々の話になる。ヨーロッパはどこも素晴らしいね、トルコもよかった、ドバイはホテルが金ぴか、アルゼンチンまぁまぁ・・・ やっと、「日本も楽しいね」と出てきて、ちょっと嬉しい。
こんな調子で137分。「何を話したんだか」と映画は終わる。
DSCF2594 anohi.JPG
上映後、ツァイ・ミンリャン監督とリー・カンションが登壇。司会の林加奈子さんから撮影場所について問われ、「僕の健康上の問題があって、2年前、台北から山の中の廃墟に引越し。3つ並んだ廃墟の真ん中を改装して住んでいて、撮影をしたのは隣の廃墟」と監督。
DSCF2621 shaokan.JPG
「対談は何の準備もなく始めました。当時、監督は体調が悪くて、遺書のようなものを残そうとしていたらしいです。今は僕のほうが首が『河』の時のような状態で、監督のほうが元気」とリー・カンション。
DSCF2604 tsuai.JPG
「この対談は、もともと『郊遊〈ピクニック〉』(2013)に関する本を作る企画の中で、対談も入れようと。でも、リー・カンションは普段もあまり言葉を交わさないから、対談するのは難しい。出版社にお願いして作家二人に前に座ってもらって強制的に話した感じ。リーは役者なので、カメラがあってもゆったりしてたけど、僕のほうが演技が駄目だっなぁ」と、照れる監督でした。

Q&Aの模様は、公式サイトでどうぞ!
http://filmex.net/2015/news/daily-news/afternoon
『あの日の午後』は、12/2(水)18:20から、もう一度上映されます。@有楽町スバル座

◎ツァイ・ミンリャン特集
http://filmex.net/2015/program/sp3
ツァイ作品のうち、現在、日本で劇場での上映権利が残っているのは『ふたつの時、
ふたりの時間』と『郊遊<ピクニック>』のみです。どうぞお見逃しなく!

『青春神話』Blu-ray/日本語字幕
『愛情萬歳』Blu-ray/日本語字幕
『河』35mmフィルム/日本語字幕
『ふたつの時、ふたりの時間』35mmフィルム/日本語字幕
『楽日』DCP/日本語字幕、英語字幕
『ヴィザージュ』35mmフィルム/日本語字幕、英語字幕
『無色』DCP/セリフなし
『行者』DCP/英語字幕、中国語字幕(歌詞のみ)
『無無眠』DCP/セリフなし
『秋日』DCP/無字幕(日本語セリフ)

上記のうち、完成したばかりの『秋日』は、世界初上映です。
昨秋、東京フィルメックスで来日した際に撮影された24分の新作短編。
黒澤明作品のスタッフとして活躍された野上照代さんが出演。
ご覧になった野上さん、「大胆ね!」

『秋日』は、12/1(火)、12/3(木)18:20の回で、『無色』『行者』『無無眠』とあわせて上映されます。

『秋日』作品情報
http://filmex.net/2015/program/sp3/tm10
posted by sakiko at 08:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画祭 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする