2016年03月28日

『ルーム』来日記者会見で、子役ジェイコブ君の大人な発言に舌を巻く (咲)

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3月22日(火)、映画『ルーム』(監督:レニー・アブラハムソ)で今年度アカデミー賞主演女優賞に輝いたブリー・ラーソンさんと、息子役のジェイコブ・トレンブレイ君が来日し、記者会見が開かれました。
誘拐され、監禁された部屋で産んだ息子が5歳になった時、脱出に成功。だが、外の世界でも困難が待ち受けていた・・・という物語。
誘拐・監禁されていた少女が2年ぶりに脱出に成功しましたが、心に受けた傷はあまりにも大きいと胸が痛みます。

ブリー・ラーソンさんは、役作りのために肉体や精神にどう影響があるのか、監禁からのサバイバーの方にもお話を伺ったと語りました。
息子のジャックがとても可愛くて、今回、朝早い記者会見に駆け付けたのもジャックを演じたジェイコブ君見たさだったのですが、記者会見での彼は、可愛いというより、大人顔負けの発言連発で、あっぱれでした。
後日、Web版特別記事で詳細をお届けしますが、一部をご紹介。
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完成した映画を観た感想を聞かれて、「監督がベストなテイクを選んで、編集して、音楽をつけて、映画になっています。僕は自分の目でしか見てないので、いろんなアングルから見たものが映画になったものを見るのはクールなことだったよ」

あるシーンについて質問され、あれこれ分析したあと、「受賞に値するシーンだと思いました」

いやもう、口達者なすごい男の子でした。
演技も、もちろんピカイチ。


映画『ルーム』は、4月8日(金)TOHOシネマズ新宿、TOHOシネマズ シャンテ他全国公開。
公式サイト:http://GAGA.NE.JP/ROOM
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(C) ElementPictures / RoomProductionsInc / ChannelFourTelevisionCorporation2015
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2016年03月27日

講演会【トルコ国歌「独立行進曲」の背景】で、『ディバイナー 戦禍に光を求めて』で描かれた時代を知る (咲)

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3月26日(土)3時半から代々木上原の東京ジャーミィ(モスク)で開催された【トルコ国歌「独立行進曲」作詞者「メフメト・アーキフとその時代」講演会】に参加してきました。トルコ共和国ユヌス・エムレ インスティトゥート東京の主催。

2時過ぎに東京ジャーミィに着いたら、1階ホールはバスツアーのワッペンを付けた見学者でいっぱい。
サービスで置いてあった杏と石榴の生ジュースをいただいていたら、また別の団体が。
イスラーム過激派のテロや、ISISが「イスラム国」の名前で定着してしまったことなどからイメージの悪いイスラームですが、美しく静かな佇まいのモスクを体験して、“何かを”感じていただけるといいなと思います。

さて、講演会。講師は、日本大学文理学部史学科の粕谷元教授。ご専門はトルコ近現代史。
トルコ共和国国歌「独立行進曲(イスティクラール・マルシュ)」の出来た背景にある独立戦争について、写真を交えてわかりやすく解説してくださいました。

*****
帝国主義の流れの中で起こった第一次世界大戦。オスマン帝国も参戦したものの、兵士にとっては何の為に戦っているのかわからない戦争で、しかも敗戦。オスマン帝国分割プランで、領土は戦勝国各国に分割占領される。
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トルコに残されたのは、アナトリアの中央部の黒海寄りの部分だけ。(地図の白い部分)
抵抗運動が各地で起こり、それをまとめたのがムスタファ・ケマル。1920年5月、アンカラに大国民議会政府が設立される。
一方、1919年5月、ギリシャ軍はイズミルを中心とする地域はギリシャ文化圏であるとして侵攻。イタリアが占領するはずだった地だが、英仏はイタリアに占領される位ならギリシャにと。

ギリシャからイズミルを奪還すべく戦いが続く中、1921年3月、トルコ大国民議会は、メフメト・アーキフの詩を国歌「独立行進曲」に採択する。当初付けられた曲はあまり評判がよくなく、現在の曲は1930年に付けられたもの。
メフメト・アーキフは、お札や切手にもなっている国民的詩人で思想家。
文官のキャリアコースに在学中に、メドレセ(宗教学校)の教師をしていた父親が亡くなって家計が苦しくなり、生計を立てるため獣医学校に。家畜飼育指導員として各地を回り、人々の苦難な生活を目の当たりにし、後に政治活動に。オスマン帝国の思想界で重要な位置にあり、独立戦争では精神的指導者でもあった。トルコ共和国が一国主義の道を進む中、メフメト・アーキフはトルコという枠を超えた汎イスラームの連帯を考えていたことより、1923年にトルコ共和国成立後、1926年にエジプトに亡命。
1936年肝硬変で倒れ、トルコで死にたいと帰国。葬儀で「独立行進曲」が演奏される。国歌が葬儀で演奏された最初の人物となった。

*****

2月に公開された『ディバイナー 戦禍に光を求めて』(ラッセル・クロウ主演・初監督作品)の背景にかすかに描かれていたトルコ共和国独立への動きがよくわかる講演でした。
メフメト・アーキフの考えていた汎イスラーム主義で建国されていたならば、今のトルコはどうなっていたのだろう・・・と、ふっと考えてしまいました。

質疑応答の時には、『消えた声が、その名を呼ぶ』で描かれた1915年のアルメニア人虐殺についての質問があがりました。新国家は、すべてオスマン帝国のせいにして片付けているが、長い時間をかけて歴史学的研究が進みつつあり、今はトルコ側からも中立的な検証が行われているとのことでした。

充実の講演会に満たされた思いでジャーミィを後にしました。
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ジャーミィ脇にある木造2階建ての建物は、建て替える前のモスクのあった頃からの古い建物で、かつてトルコ人学校だったところ。トルコ語を教えていただいた亡き先生も学ばれた場所。この5月に解体建て替えが決まっていて、名残を惜しんできました。


◆独立行進曲(イスティクラール・マルシュ) ―トルコ共和国国歌―

10ある詩のうち、国歌として歌われている最初の二つの詩の訳をここに掲げておきます。
(トルコ語に堪能な友人が、このような詩の国歌を持つ国民がうらやましいと言っています。もとのトルコ語の詩は、もちろん韻を踏んでいます。)


恐れるな!暁にたなびくこの赤い旗は、決してなくなる事はない
消えることなく、我が祖国の上に煙たなびく最後の炉
それは我が民族の星、キラキラと輝く
それは我がもの、唯、我が民族のものなのだ
 
額を歪めるな、お前のために犠牲となろう、たなびく新月旗よ
勇敢なる我が民族に微笑め。何という激しさ、何という怒り
しかし、微笑まなければ、流れた我々の血がお前のものとならない
独立は、神を慕う我が民族の権利である


(訳)大熊真龍・林佳世子
http://www.tufs.ac.jp/common/fs/asw/tur/aboutTurkey/istiklal.html
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2016年03月19日

田暁鵬(Tian XiaoPeng)監督インタビュー

18日(金)から21日(月)まで開催中の東京アニメアワードフェスティバル。
http://animefestival.jp/ja/
長編コンペ作品の『西遊記 ヒーロー・イズ・バック Monkey King: Hero is Back』の田監督にお話を伺ってきました。16日に試写を見せていただいて、これまで持っていた中国のアニメの印象が覆りました。

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          c2015 October Animation Studio,HG Entertainment

主人公は日本人にもおなじみの孫悟空。企画から8年、昨年5月にやっと上映にこぎつけるとそのクオリティの高さ、面白さが口コミでまたたくまに広がって、拡大公開になったのだとか。なんと中国アニメ史上ナンバー1の興行成績をあげました。す、すごい!
よく知られた筋をアレンジして、新しいストーリーになっています。3部作になる予定とか。第1部が本作。孫悟空と出会う小さな男の子「江流児」と、妖怪にさらわれるところを江流児に助けられた「おちびちゃん」がとっても可愛いのです。すっかり頑なになってる孫悟空の心をやわらげていく過程が妖怪との戦いと交互に描かれ、だれかを大切に思うことが、人を強くするんだよというメッセージが伝わってきます。インタビューは本誌次号に掲載予定です。

劇場公開は未定ですが、19日(10:20-12:15 TOHOシネマズ日本橋スクリーン5)の上映で、いちはやくご覧くださいませ。チケットはこちら。上映後のトークショーに田監督も参加します。(白)
posted by shiraishi at 01:46| Comment(1) | TrackBack(0) | 取材 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月14日

With you さいたまへ☆  (千)

先日、シネジャ先輩スタッフIさんからのご依頼で
さいたま新都心にある埼玉県男女共同参画推進センター
行ってきました。私、埼玉県民を約40年位してますが 
こんな所、初めて行ってきました!! いつもビル風が凄い
JRさいたま新都心駅から歩いて約10分ほどでしょうか・・
私以外に歩いてるひといないし、なんでホテルの中にあるのか・・
以前、東京都民の友達に「さいたま市立美術館って、なんでホテルの
中にあるの?」と聞かれたことがあるんですが ほんと
何故、さいたまは公共施設を民間ホテルの中につくるのか・・ 私にも
謎なんですが・爆  気を取り直して情報ライブラリーに入ると
かなり目立つ本棚にシネジャが置かれてありました 
有難うございます!! ホテルの中には他にタニタ食堂等々もあって
面白そうでしたので また行ってこようかと思います☆

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皆様も是非、足をお運びくださいませ!!



posted by chie at 11:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 日々のできごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月09日

『サンマとカタール〜女川つながる人々』完成披露試写会が開かれました (咲)

あの東日本大震災から、もうすぐ5年。
3月7日(月)の夜、津波の被害を受けた町の一つ、宮城県女川町で復興に奔走する人たちの姿を追ったドキュメンタリー『サンマとカタール〜女川つながる人々』の完成披露試写会が開かれました。

日本イラン合作映画『風の絨毯』を手掛けて以来、映画製作の道まっしぐらの益田祐美子さんから、「ペルシャ湾を挟んで(イランと)ガス田をとりあいしてるカタールの映画ができました」とのご案内をいただきました。あ〜益田さんらしい!

監督は、『平成職人の挑戦』『蘇る玉虫厨子』『海峡をつなぐ光』『李藝』と、益田さんとタッグを組んできた乾弘明監督。『風の絨毯』に出演したイラン人の少年を追ったテレビ放映用のドキュメンタリーも撮っていて、これが実に素敵な作品でした。
乾監督も舞台挨拶に立つとなれば、これは是非駆けつけなければと!

それにしても、なぜサンマとカタール?と、とても気になっていた映画でした。
会場の朝日ホール入口で、笑顔でお客様を迎える益田さん。
通常の試写会と違って、なぜか背広姿の人がいっぱい。
その二つの謎が、舞台挨拶で解けました。

震災から10日も経たないうちに多額の義捐金を申し出たのがカタール。そして、その義捐金の一部(といっても約20億円!)で作った大型冷蔵冷凍庫「マスカー」が、女川の復興の第一歩となったのです。
そして、映画の製作にあたっては、カタールと繋がりの深い多くの会社も支援。
来賓として、駐日カタール大使や復興副大臣を筆頭に、各社の方々が紹介されました。

続いて益田祐美子さんの笑顔いっぱいの挨拶をはじめとして関係者の舞台挨拶。
(舞台挨拶の詳細は後日お届けします)
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女川のサンマ祭りを毎年実施している板橋区の小中学生の皆さんから花束贈呈

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最後に満席の客席をバックにフォトセッション。
左からプロデューサーの益田祐美子さん、日本・カタール友好協会の三田会長、乾弘明監督、女川町の阿部淳さんと石森洋悦さん、シンガーソングライターの幹mikiさん

そして、本編上映。
当事者でない者にとっては、震災は過去のことだけど、被災された方々にとっては、今も進行形であることがずっしり。失ったものはあまりにも大きい。でも、前を向いて未来に向かっていかないといけない・・・ 復幸祭と、復興ではなく幸の文字を使っているところに、人々の思いを感じました。
エンドロールと共に歌が流れてきたのですが、なんと、舞台の裾に幹mikiさん。生歌でした。
あ〜カメラを取り出すのが間に合わない。

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歌い終わったmikiさんのもとに、乾監督たちが駆け付け、最後の挨拶。

会場の出口では、女川の名産品を販売するコーナーに人だかり。
とても心温まる完成披露試写会でした。
posted by sakiko at 10:00| Comment(0) | TrackBack(0) | イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする