7月30日より公開される韓国映画『ヒマラヤ〜地上8,000メートルの絆〜』。
本作は、アジアで初めてヒマラヤ8,000メートル級高峰14座の登頂に成功(2005年時点)した登山家オム・ホンギルさんが、登山中に亡くなった仲間の亡骸を探して家族に届ける為に“ヒューマン遠征隊”を結成し、77日にわたる過酷な遠征を行った実話に基づく物語。
6月14日(火)、公開を前にオム・ホンギルさんが来日し、登山家 野口健さんと対談を行うとのお知らせをいただき、暁美さんと一緒に駆けつけてきました。
(13日に、シネマジャーナル97号の編集も終わり、気持ちにも余裕♪)
偉業を成し遂げたオム・ホンギルさんですが、小柄で優しい面持ちの方でした。
2005年にヒューマン遠征隊が遺体回収に赴いた際には、TVクルーも同行し、ドキュメンタリー番組として放映され、多くの韓国の人たちの涙を誘ったそうです。その後、映画化の話があったものの、打ちひしがれていたので断ったとのこと。歳月が流れ、再び、映画化の申し出があり、悩んだ末、今の世の中、生命の尊厳、人と人との出会い、命よりも大事な約束などを映画を通して伝えることができればと承諾したとのことです。
8000メートルを越える高さから、遺体を運び降ろすのは、命がけの大変な作業です。それでも、なんとか仲間の遺体を山から下ろしたい一心で遠征隊を組んだそうです。
山に登る時には、心が通じ合ってないと一つになって大きな山に挑戦できない。家族のような兄弟のような仲間であるからこそ、遺体を山から下ろしてあげたい。
この気持ちは、日本人も韓国人も同じだそうです。でも、西洋の登山隊は、遺体は「モノ」として下ろそうとは思わないのだそうです。
「せめて、道の端に寄せて石を積んで埋葬してあげてほしい」とオム・ホンギルさん。
野口健さんが、シェルパ基金を作って支援されていますが、オム・ホンギルさんも、シェルパの方たちのために、学校や医療施設を作っているとのこと。
ヒマラヤに挑戦するとき、いつも生死を共にしてくれたのがシェルパ。彼らがいなければ、成し遂げることはできなかったと口をそろえるオム・ホンギルさんと野口健さん。
「カミさんは信用してないけど、シェルパは信用できる」と笑わせる野口さんでした。
最後に、「この映画は、人間に対する愛情や生命の尊厳を描いたもの。決して登山家だけが観る映画ではなく、老若男女、年齢に関係なく家族でご覧いただければと思います」とオム・ホンギルさん。
ほんとに、心が洗われるような物語です。
『ヒマラヤ〜地上8,000メートルの絆〜』監督:イ・ソクフン
出演:ファン・ジョンミン、チョンウほか
公式HP:
http://himalayas-movie.jp/★2016年7月30日(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネマート新宿ほか全国順次ロードショー
posted by sakiko at 18:51|
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