2016年10月30日

田部井淳子さん安らかに

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2014年5月16日 撮影

エベレスト(8848メートル)に世界の女性で初めて登頂した登山家の田部井淳子(たべい・じゅんこ)さんが10月20日、腹膜がんのため77歳で死去しました。「エベレスト日本女子登山隊」の副隊長としてエベレストに挑み1975年5月16日登頂に成功しています。
1972年頃、登山にはまった私にとって、1975年の田部井さんのエベレスト登頂はとても意味のあることでした。おりしも、その年は国際婦人年。女性の地位向上と可能性について国際会議で語られた年でもありました。
私の山への向かい方は田部井さんのような厳しい登山とは違って、山の植物への興味や山岳写真への興味でしたが、それでも田部井さんの出現はとても頼もしかったのを覚えています。「女性だってやればできる」その象徴でした。男性にもそう思わせてくれた女子登山隊の快挙でした。
その後、いくつかのイベントで田部井さんの話を聞いたことががあります。
実は、今年12月に出発するピースボートの世界一周の旅に行く参加することにしていたのですが、それも田部井淳子さんがゲストで船に乗る予定だからでした。しかし、3ヶ月もの航海に出るにはいろいろな準備が必要で、結局キャンセルし、次回の南航路での世界一周に参加しようと仕切り直ししたところでした。
そんな私なので、シネマジャーナルでも山岳映画が公開されると何回か特集を組んで来ましたし(83号、91号)、『ビヨンド・ザ・エッジ 歴史を変えたエベレスト初登頂』が、2014年6月に公開された時は、来日したエドモンド・ヒラリー(世界初のエベレスト登頂者)の子息 ピーター・ヒラリーさんと田部井淳子さんのトークショーが行われ、シネマジャーナルではそのリポートを掲載しています。

『ビヨンド・ザ・エッジ 歴史を変えたエベレスト初登頂』公開記念
女性世界初エベレスト登頂者 田部井淳子 &エドモンド・ヒラリーの子息ピーター・ヒラリー トークショーレポート
http://www.cinemajournal.net/special/2014/bte/
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山に対する畏敬の念と挑戦への勇気。それをさりげなく実現させた田部井淳子さん。親しみやすい人柄。そんな田部井さんが大好きでした。田部井さんの冥福をお祈りします。
posted by akemi at 17:04| Comment(0) | TrackBack(0) | イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月28日

東京国際映画祭、アッバス・キアロスタミ監督追悼上映『キアロスタミとの76分15秒』に涙 (咲)

昨日27日、東京国際映画祭で、去る7月4日に76歳でご逝去されたアッバス・キアロスタミ監督を偲んでの追悼上映が行われました。
キアロスタミ監督と25年間共に仕事をしたセイフラー・サマディアン監督が、キアロスタミ監督のご長男から依頼されて、ベネチア映画祭の為に25日間不眠不休で作り上げた『キアロスタミとの76分15秒』。
76年と15日生きたキアロスタミ監督の、素の姿が観られる詩情溢れる作品です。
http://2016.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=147

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キアロスタミ監督の日本と韓国での活動をサポートされたショーレ・ゴルパリアンさんも涙をこらえながら通訳を務め、思い出も語ってくださいました。

あと、もう一回、日曜日に上映が行われます。

10/30 11:40-TOHOシネマズ 六本木ヒルズ SCREEN9
この回もセイフラー・サマディアン監督がQ&Aに登壇される予定です。

最初に上映されるキアロスタミ監督の短編『Take Me Home』も、監督らしい素敵な逸品です。
posted by sakiko at 09:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画祭 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月27日

東京国際映画祭 26日、27日

26日(水)プログラムと予定表片手に映画に走り回る日々が始まりました。
(暁)さん中国映画週間、(咲)さんは中東関連、(美)さんは日本映画、私はコンペ(事前試写で8本鑑賞済みなので、ちょっと楽)とアニメ、なんとなく分業体制です。
一般上映と別に要予約のプレス試写がありますが、今年は六本木通りに面したEXシアターの上映の一部に入場できました。予約の取れなかったコンペ作品『7分間』『シェッドスキン・パパ』2本をこちらで観ることができて助かりました。どちらもゲストトークつき。
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ほかに特別招待作品のアニメ『この世界の片隅に』(日本/11月12日公開)とアジアの未来部門『サラワク』(インドネシア)鑑賞。ロビーや出入り口付近に監督や出演俳優の方々が「ふつうに」いらっしゃいます。これぞ映画祭!

27日(木)
アジアの未来部門『底辺から走り出せ』(中国) 元ロックスターが主人公の物語。オーディションのシーンで、若い男性が「我是一隻小小鳥」を歌いました。台湾の歌手李宗盛の作で、とても好きな歌なので一人喜んでしまいました。
異色のコンペ作品『ダイ・ビューティフル』(フィリピン)のQ&Aへ。主演のパオロ・バレステロスさんはレッドカーペットでアンジェリーナ・ジョリーそっくりのメイクとドレス姿で登場した方。質問にもありましたが、もし受賞するなら主演男優と主演女優のどちらになるんでしょう?ご本人は「どっちも!」w
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ヒルズ52F展望台で開催中の「大都市に迫る空想脅威展」(11月13日まで)へ。
撮影OKです。
http://www.roppongihills.com/tcv/jp/event/kusoukyoui/
都市模型とガメラが好きな方はぜひ。永井豪さんのサインにデビルマンが添えてありました!

「歌舞伎座スペシャルナイト」取材
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まずは歌舞伎座正面で古舘伊知郎さん、尾上菊之助さん、片岡一郎さんのフォトセッション。
プログラムは古舘伊知郎さんトーク&初の弁士挑戦の『血煙高田馬場』、弁士片岡一郎さんの『忠臣蔵 デジタル最長版』、尾上菊之助さんの舞踊「鷺娘」。古舘さんの機関銃なみの早口、同時通訳の方に深く同情申し上げます。後ろ髪引かれながら途中退場したので続きは(咲)さんにバトンタッチ。(白)
posted by shiraishi at 23:13| Comment(0) | TrackBack(0) | イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

東京国際映画祭開幕

■開催期間:10月25日(火)〜11月3日(木・祝) 
■会場:六本木ヒルズ、EXシアター六本木(港区)他都内の各劇場・ホールを使用
■オフィシャルHP:http://www.tiff-jp.net
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開会前日の24日(月)、今年のオープニング作品『マダム・フローレンス 夢みるふたり』の主演女優メリル・ストリープの記者会見がありました。私は所用で横浜から滑り込みで参加。写真撮影には間に合いました。大女優の貫禄に圧倒されましたが、笑顔の受け答えもすてきでチャーミングな方。

25日(火)
レッドカーペットは取材できなかったので、公式HPから動画で見せてもらいました。
途中で一時小雨になったものの、無事終了したようで何よりです。(白)
posted by shiraishi at 22:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画祭 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月18日

『高江ー森が泣いている』を観るため参議院会館に行ってきました(暁)

作品紹介に掲載した『高江ー森が泣いている』(藤本幸久・影山あさ子監督)。
http://cinemajournal-review.seesaa.net/article/442858532.html
この映画を観たのは参議院会館講堂でした。
この作品は、2016年7月11日、沖縄・北部訓練場のヘリパッド建設が再開されてしまったので、監督やスタッフが急遽、高江に行き、撮影し、急ぎ編集、緊急公開されています。
人口140人の集落・高江に、警視庁、千葉県警、神奈川県警、愛知県警、大阪府警、福岡県警、全国から500名の機動隊が動員され、警察・機動隊・防衛局員ら1000名体制で、抵抗する市民と車両を力ずくで排除し、工事がすすめられている様子を1ヶ月に渡って撮影したもので、高江で今、起きていることをぜひ見てほしいという思いが込められています。

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藤本幸久監督と影山あさ子監督
2015.4.20『圧殺の海−沖縄・辺野古』上映時

上映情報
◎東京・ポレポレ東中野 映画「高江-森が泣いている」
10/15(土)より毎日18:00〜
http://www.mmjp.or.jp/pole2/
◎沖縄・桜坂劇場 10/15(土)より
http://www.sakura-zaka.com/movie/1610/1610_takae.html
◎愛知・名古屋シネマテーク 10/29(土)より
http://cineaste.jp/
森の映画社HP
http://america-banzai.blogspot.jp/2016/09/blog-post.html

議院会館に行ったのは初めてではなくやはり藤本幸久・影山あさ子監督の前作『圧殺の海−沖縄・辺野古』で初めて行きましたが、その時は会議室でした。参議院会館に行く機会なんてないので、今回も参議院会館を見るチャンスとばかりに行ってきました。
入り口の前には警備員がいて、中に入るとセキュリティチェックがあり、空港の金属探知機のような荷物のX線検査、その後、首からさげるICチップ内蔵の「入館証」を受け取り、セキュリティゲートにかざして駅の改札口のような入り口を通過しました。
講堂は1階にあり、着いてみたらけっこう広く(300人定員)、たくさんの人が映画を観に来ていました。参議院会館の中にこういうところがあるとはびっくりしましたが、ここで映画を上映するということは、まさに、議員にこそ高江の現状を観てもらいたいという思いからでしょう。
上映後、藤本幸久監督が登場し、「高江の今を伝える映画をぜひ、たくさんの人に観てほしい。皆さん、ネットなどで拡散してください」とのメッセージ。ほんとに、ぜひ観てほしい。ニュースでは伝えられていない状況を見ることができます。
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藤本幸久監督

10月18日のネットニュースでは、この映画にも出てくる沖縄平和運動センター議長、山城博治さんが器物損壊(有刺鉄線を切断)の現行犯で逮捕されたことが載っていました。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161018-00067004-okinawat-oki

影山あさ子監督は「高江で起きていることは、これから日本中で起きること
の序章のように思われてなりません」と語っています。

藤本監督の後は、福島みずほ議員が出てきて挨拶しましたが、他にも議員の方が見ていたのかもしれません。福島議員は超党派の勉強会の宣伝をしていました。10月26日(水)5時半から、参議院会館で、自民党改憲案を考える超党派の議員と市民の勉強会をやるそうです。
ほかにも福島みずほ議員のツイッターを見たら、『ベアテの贈り物』の上映会も10月25日に参議院会館講堂であるようです。この作品は、ぜひ今、観てほしい作品です。 興味ある方はぜひ行ってみてはいかがでしょう。下記ツイッターをごらんください。
https://twitter.com/mizuhofukushima?lang=ja
福島みずほ議員のツイッターより
10月25日(火)、「ベアテの贈り物」の映画の上映会をします。11時と6時の2回。参議院議員会館の講堂です。憲法24条は、家族の中の個人の尊厳と男女平等を規定しています。自民党改憲案はこの24条をかえ。24条の意味を今こそ考えていきましょう!ぜひ来て下さい!資料代500円。

シネマジャーナルでは、この作品に出ているベアテ・シロタ・ゴードンさんと藤原智子監督に2005年にインタビューしています。こちらもぜひ読んでみてください。
シネマジャーナル 『ベアテの贈り物』インタビュー記事
http://www.cinemajournal.net/special/2005/beate/

また、シネマジャーナル94号では、影山あさ子監督のインタビュー記事が掲載されています。
http://www.cinemajournal.net/bn/94/contents.html

posted by akemi at 05:52| Comment(0) | TrackBack(0) | イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする