至福のミュージカル映画『ラ・ラ・ランド』が、2月24日(金)より日本全国で公開されるのを前に、デイミアン・チャゼル監督と主演のライアン・ゴズリングが来日。1月27日(金)、ザ・リッツ・カールトン東京で開かれた記者会見に参加してきました。米アカデミー賞過去史上最多14ノミネートが発表されたばかりとあって、大勢の取材陣が詰めかけました。
◆挨拶 〜愛を込めて作った映画。皆が認められて嬉しい〜
監督:初めて来日しました。ライアンは2度目。この国で映画を観ていただけることを嬉しく思っています。映画に愛を込めて作りました。

ライアン:来日できて嬉しい。日本の方はロマンチックでミュージカルが好きと聞いています。楽しんで観ていただければと思います。
司会:アカデミー賞史上最多14ノミネートを果たしたお気持ちは?
監督:まだショックが抜けていません。ほんとに光栄です。発表された時、ライアンと同じホテルにいて、シャンパンで祝いました。心を込めて、チーム一つになって、多くの人が限界を突破して作った映画です。大勢が認められて嬉しいです。
ライアン:映画を作ったこと自体が賞に値するものだと思います。観客の反応も良くて、それだけで嬉しい。映画はチームで作るもの。一人二人でなく、大勢が認められて、感慨深いものがあります。
◆会場との質疑応答
トップに立った外国人男性の記者の方から英語で「アカデミー賞最多ノミネートおめでとうございます」と言われ、「アリガトウ」と、日本語で答える監督。
「素晴らしい日本語!」と記者。
*現代の人にも共感してもらえる映画を目指した
― 映画を作るにあたって、どのようにヴィジョンを確立させましたか? 難しかったことは?
監督:長いプロセスでした。鍵になった瞬間は、ライアンと会った時、「ミュージカルが好き」と言ってくれたことです。
3か月リハーサルしながら、同じ場所で映画のセットやコスチュームなどの準備もして、まさに同じ場所で築き上げていきました。
ライアン:一番話し合ったのは、この作品をノスタルジックなものにしないことでした。現代の人に共感してもらえるものにしたい。でも、ダンスで空を舞いあがるような空想の場面も入れて、どう組み合わせるか考えました。
*監督の発言の黒幕はライアン!?
― ライアンさんのこれまでの役は、ダークなサイドを描いたものが多かったです。監督は今回のセバスチャン役にライアンのどんなところを見出したのでしょうか?
監督:ライアンは何でも出来る多様性のある俳優。確かにダークサイドな役も多いけれど、愛に溢れた役もしていて、映画の知識も豊富で、映画に深い愛情を持っています。
― ライアンさん、今の言葉を受けていかがですか?
ライアン:今の言葉の原稿は僕が書いたので、監督はそれを言っただけです。もっと情熱的に言って欲しかった! (笑)
*映画館で大勢で『ラ・ラ・ランド』を共有してほしい
― 最近はオリジナルでない作品がヒットすることは少ないですが、なぜだと思いますか? 『ラ・ラ・ランド』のような映画に癒しを求めているのでしょうか?
監督:ミュージカルにしては、ほかにはない楽しさや昂揚感があると思います。現実的なストーリーも必要です。叶う夢もあれば、叶わない夢もあります。ファンタスティックな部分とリアルな部分の組み合わせで、両方を観客は楽しんでいただいたのではと思います。
ライアン:最初から話し合っていたのは、映画館で大勢の人と一緒に共有するものにしたいということでした。スマホで観るものじゃない。大勢の人と一緒に観て、シェアすることを体験するのが素晴らしいなと。
*『オズの魔法使い』と同じスタジオで収録
― 監督は愛を込めて作ったと何度もおっしゃっています。映画好き、ミュージカル好きは、観終わってからも色々とシェアして話し合えます。ここは気が付いてないだろうという秘密の部分があれば教えてください。
また、この盛り上がりをどのように思っていますか?
監督:無意識にいろんな映画へのオマージュが入っています。古い映画、新しい映画、いろいろ入っています。昨日、日本の方から「鈴木清順監督の『トウキョウドリフターズ(東京流れ者)』の要素が入っているのでは?」と言われました。もしかして、無意識に入っていたかなと。アメリカでは誰にも言われませんでしたが。
ライアンが思い出させてくれたのですが、レコーディングスタジオが『オズの魔法使い』などの収録をしたところでした。
ライアン:僕が教えた話なのに・・・ 一番いい話を取られちゃった!
これにて質疑応答の時間も終わり、フォトセッション

なにやら監督に耳打ちするライアン。
こうやって、ライアンが監督に色々知恵を授けていたのですね。
そして、大ヒットを祈願して鏡開きが行われました。
「お酒のいい匂いがするね」「飲まないとね」と二人。
最後に、来日できたことへの謝辞を述べ、「日本の観客の皆さん、『ラ・ラ・ランド』を楽しんでください」と締め括りました。
*****
☆取材を終えて
「叶う夢もあれば、叶わない夢もある!」という監督の言葉が印象に残りました。それが、『ラ・ラ・ランド』をリアルにしている部分でもあるのですが、結果はともあれ、夢に向かって突き進むことの大切さを教えられたような気がします。(咲)
『ラ・ラ・ランド』 原題:LA LA LAND

(C) 2016 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.
監督・脚本:デイミアン・チャゼル (『セッション』)
出演:ライアン・ゴズリング(『ドライヴ』)、エマ・ストーン(『バードマン』)、J.K.シモンズ(『セッション』)
配給:ギャガ/ポニーキャニオン
公式サイト:http://gaga.ne.jp/lalaland/
★2017年2月24日 (金) TOHOシネマズ みゆき座ほか全国ロードショー!