2017年11月04日

東京国際映画祭 『スヴェタ』 手話を交えての記者会見  (咲)

コンペティション部門
『スヴェタ』(カザフスタン)
記者会見 10月27日 14:50〜 

ろうあ者ばかりが働く縫製工場の作業長の女性スヴェタが、家のローンも滞納しているのに、解雇されることになり、あの手この手で生き抜こうとする物語。今年のコンペ部門で一番最初に観た作品なのですが、強烈なヒロインのキャラにガーンときて、ずっ〜と後を引きました。

1時からの『否定と肯定』(12月8日公開)の試写を観てから駆けつけたのですが、記者会見は、すでに始まっていて、スヴェタ役の女優ラウラ・コロリョヴァさんが語っているところでした。 あ、健常者の方が、ろうあ者の役をしていたのかと思ったら、話し終わったところで、司会の方が「彼女はろうあ者ですが、話すこともできるし、読唇術も」とおっしゃって、やはりろうあの方だったのかと。
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「小さい頃から女優になりたいと思っていましたが、まさか33歳にして夢が叶うとは思いませんでした」とラウラさん。
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夫役のロマン・リスツォフさんも、実際にろうあ者。「もう一人候補者がいたのですが、決まった時はすごく嬉しかった」と彼が手話で語るのをラウラさんが読み上げて伝えてくれました。
ジャンナ・イサバエヴァ監督は、「ろうあの方で演じてくれる人が見つからなかったら諦めるつもりでした。見つかったものの資金集めを始めたら、ろうあ者の映画を作るなんて気でも狂ったのかと言われました」と、映画実現への苦労を語りました。
カザフスタンでは、ろうあ者だけでなく身体障がい者への国としての対応が良くなく、税金も徴収される上に、年金の額も少ないとのこと。そんな中で健気に朗らかに暮らしていることも、監督は、実際にろうあの方たちと接して感じたそうです。
演出はプロの役者に対しても難しいのに、今回は素人で、しかもろうあの方たち。記者会見でも、複雑な話になると、監督がボードに書いて説明されていました。
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ロマン・リスツォフ(俳優)、ラウラ・コロリョヴァ(女優)、ジャンナ・イサバエヴァ(監督/脚本)





posted by sakiko at 14:25| Comment(0) | 映画祭 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月02日

TIFF試写最終日

詩人の恋』(韓国)
ヤン・イクチュン監督が生活力のない売れない詩人役。元々俳優でデビューした人だった…
アケラット ロヒンギャの祈り』(マレーシア)もらったばかりの給料を盗まれたフイリンは、ロヒンギャの人々の人身売買の仕事に関わってしまう。
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写真は主演のダフネ・ローさんとエドモンド・ヨウ監督。

『リーナ・ラブ』(ドイツ)加速する女子高生のいじめ。親友が憎みあうとさらに怖い。大人もどうかしています。主人公リーナの彼氏役ヤニック・シューマンがハンサムだったのが救い(?)

『超級大国民』(台湾)1995年のコンペ作品。デジタルリマスター版。台湾が白色テロ、戒厳令で締め付けられていた時代「共謀罪」で逮捕された若者のその後。その罪名にギョッとします。(白)
posted by shiraishi at 23:00| Comment(0) | 映画祭 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月01日

残り2日

雨と風も強かった映画祭、今日は晴れました。
毎日ニュースを書く予定だったのに、ちっとも思ったようにできないうちにあと2日。
今だから観られる作品を優先し、これまでに27本プレス試写で観て明日は3本。計30本と我ながらよく観ました。それでも他の人の感想を聞くとそっちも観たかったと欲が…。

自分がシルバー世代のせいか印象に残っているのは、お年寄りが邪魔にされるストーリー。
観た中では唯一『地球はお祭り騒ぎ』で100歳を迎えたおばあちゃんのお祝い場面がありました。
殺人・いじめ・民族差別・不倫etc…人の悪意を盛り込んだ映画が続くと心身が重〜くなってきます。これは連日観ているせいで、月に1,2本とか映画祭だけとかいう方はどの作品もご覧になってください。

本日の3本はプラスのエネルギーをもらえそうなのを選びました。2本はまだ空席あります。
『サッドヒルを掘り返せ』(11月2日12:20〜)映画愛に溢れていて、ラストもらい泣き。
『カカバカバ・カ・バ?』変な日本語のヤクザが登場(満席)
『ハウス・オブ・トゥモロー』(11月3日10:20〜)純粋培養のセバスチャン(エイサ・バターフィールド)にパンクロックを伝授するジャレッド(アレックス・ウルフ)、誰かに似ていると思っていたら『きっと、星のせいじゃない』のナット・ウルフの弟くんでした。色っぽくて素敵な兄弟です。(白)
posted by shiraishi at 23:00| Comment(0) | 映画祭 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

映画の合間に六本木ヒルズで楽しむ

といってもこんなに通うのは映画祭だからなんですが。

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展望フロア:スカイツリーに高さは越されてしまいましたが、海抜250m。
眼下の街並み、高層ビル群、レインボーブリッジ、遠くの山並みと観ていて飽きません。
森アーツセンターギャラリー:「Theドラえもん展 TOKYO 2017」11月1日〜1月8日(月・祝)10〜20時 
http://thedoraemontentokyo2017.jp/
増田セバスチャン作品展「YOUR COLORS」:10月20日〜11月12日(日)
ROPPONGI HILLS A/D GALLERY (六本木ヒルズ アート & デザイン ストア 内)おもちゃ箱をひっくり返したような可愛いものがいっぱい。
http://www.roppongihills.com/events/2017/10/003278.html
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映画館に通いながらおなかが空いたとき、ヒルズ内レストランではお財布が心細いというアナタ、地下鉄通路と平行したショップの通りにはラーメンや定食、お弁当もありますよ。3時〜4時にはお弁当値引きになるお店も。(白)
posted by shiraishi at 22:00| Comment(0) | 映画祭 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『グッドランド』(ルクセンブルク)会見

10月31日(火)プレス試写後
登壇ゲスト:ゴヴィンダ・ヴァン・メーレ(監督/脚本)、ジル・シャニアル(プロデューサー)
作品詳細
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ルクセンブルクの農村に訳ありげなドイツ人の男が仕事がほしいとやってくる。村の娘と親しくなりルールに従って馴染んだころ、双方の隠されていた秘密も明らかになっていく。
「コミュニティに取り込まれていくよそ者」というのは民話にもよくある題材です。
コミュニティ維持のために、コミュニティぐるみで犯罪を隠した事件は最近でもあったそうです、と監督。
主人公役の俳優さんが見事な下がり眉で、いつも困った顔でおまけに長髪なので嘆いているキリストにも見えました。ラストにやっと笑顔を見せるのだけれど、やはり怖いお話です。

TIFF記事はこちら

これまでに観た作品。
『ザ・ホーム 父が死んだ』(イラン)隙間のないほどびっしり飛び交うセリフにくたびれます。なんて主張の強い人たちでしょ。ラストにびっくり。
『殺人の権利』(フィリピン)ミンダナオ島で平和に暮らす家族が、ゲリラを追ってきた国軍に蹂躙される。実際にあった事件を元にしていて、ドキュメンタリーのような緊張感が続く。妻役の方は俳優ではないそうです。それも遠い昔のことではありません。
『地球はお祭り騒ぎ』(美)さんお勧めの渡辺監督作品。途切れないお喋りが続くけれど、うるさくはありません。
『さようなら、ニック』(ドイツ)不倫の末に結婚した元モデルの妻、今度はもっと若いモデルと夫が浮気、離婚の危機に陥った矢先、最初の妻と同居する羽目になった。お洒落な室内、衣装も見どころ。
『Have a Nice Day』(中国)バッグに詰め込まれた大金をめぐって、次々と欲の皮のつっぱた男女が加わってくる。珍しい中国のアニメーション。(白)
posted by shiraishi at 01:30| Comment(0) | 映画祭 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする