2018年02月12日

節分の日に、父と福島菊次郎さん写真展 (咲)

2月3日(土)父と一緒に近くの高幡不動尊の節分会へ。
まずは、奥の院から年男年女やゲストが、お坊様に先導されて歩いてくるのを参道でお迎え。このところ毎年通っていて、立ち位置もばっちり!
ゲストの照英さんや相田翔子ちゃんからも手渡しで豆をいただきました♪
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1時の回の豆撒き見物を終えて、府中へ。
暁さんから、府中グリーンプラザで反権力の報道写真家、福島菊次郎さんの写真展が開かれていると聞いて、ランチをとりがてら、見に行くことにした次第。

映画『ニッポンの嘘 報道写真家 福島菊次郎90歳』(長谷川三郎監督)で、その生き様が描かれた福島菊次郎さん。
写真展のタイトルは 「福島菊次郎が問う『戦後』原爆・基地・三里塚」

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受付で、いつお亡くなりになったのか確認したら、2015年9月に94歳で旅立たれたとのこと。菊次郎さんは、1921年生まれ。父は一つ下の1922年生まれ。「95歳です」と受付の方にお伝えしたら、「まぁ〜お元気で」と感心されました。
「目も見えにくくなったし、耳も聴こえにくくなりました」と父。
「聴く耳は前から持ちませんから」と私。
「え?」と、ほら、父には聴こえていませんでした。

そんな父ですが、菊次郎さんが追い続けた広島の被爆者の方の姿を食い入るように見て、「よく撮ったね」と。
自衛隊の写真からは、「“自衛隊は軍隊じゃない”という政府の主張がまやかしだということが伝わってくるね」と。
戦争の時代を生きた同世代だからこそ、菊次郎さんの写真に込めた思いは、実感として父に伝わったようです。誘っていってよかったなと思いました。

写真展のことを教えてくれた暁さんとも、会場でばったり。
父と一緒に気骨ある写真展を見られたのも暁さんのお陰。感謝です。

その暁さんによる『ニッポンの嘘 報道写真家 福島菊次郎90歳』長谷川三郎監督インタビューは、こちらでお読みください!
http://www.cinemajournal.net/special/2012/nipponnouso/index.html

posted by sakiko at 12:17| Comment(0) | 日々のできごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月11日

座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバルに行ってきました

高円寺でやっている「第9回 座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバル」に初めて行ってきました。実を言うと、第一回目から行ってみたいと思っていたのだけど、このフェスティバルの開催日が、シネマジャーナル本誌の年初めの号の編集日といつも重なっていたため、行くことができなかったのです。でも、シネマジャーナルは年3回の発行をやめ(年1回の発行になりました)、HP中心に記事を掲載することになったので、今回初めていくことができました。今回のテーマは「表現者たち」。歌、写真関連の作品、また女性のドキュメンタリー作家の草分けである吉永春子さんと、永六輔さんの追悼番組を観ることができればと思います。

どうしても観たかったのは、2月8日に上映された森達也監督の『〈NONFIX〉放送禁止歌〜歌っているのは誰? 規制しているのは誰?』。これはフジテレビの深夜番組『NONFIX』で1999年11月に『「放送禁止歌」〜歌っているのは誰? 規制しているのは誰?〜』というタイトルで放送されたということだけど、私は観たことがありませんでした。
森監督の作品は、オウム真理教を撮った『A』を観て以来、注目していたけど、この『「放送禁止歌」〜歌っているのは誰? 規制しているのは誰?〜』については、TVで放映された時には知らず、その後、映画館で上映されるたびにいつか観てみたいと思っていました。今回、やっと観ることができ、森監督の話も聞くこともできました。

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放送禁止になった歌を、時にはその歌を歌った歌手に歌ってもらったり、歌ったものを映像なしで、歌詞だけテロップで流すという方法で紹介していたけど、「規制しているのは誰?」で、<誰が何のために>というのが言いたいことだったと思う。19年も前の作品なのに、今も状況は変わらないと思った。あの当時は「忖度(そんたく)」という言葉が使われてなかったけど、まさにその「忖度」で、自主規制した歌がたくさんあったんだと驚きだった。森監督はこのフェスティバルでの上映作品を別の作品にしようと決めていたのに、ぎりぎりでこの作品に差し替えたのでヒンシュクをかったと言っていたけど、去年「忖度」という言葉が飛び交ったので、この作品に変更してタイムリーだったのでは。

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高田渡の「自衛隊に入ろう」や、フォーク・クルセダーズの「イムジン河」はもとより、北島三郎のデビュー曲「ブンガチャ節 」や、ピンク・レディの「S・O・S」、高倉健の「網走番外地」も放送禁止歌だ(った?)と知った。赤い鳥の「竹田の子守唄」もそうだったとは知らずびっくり。この歌は、それでもラジオで流れていたのを聴いたこともあるし、TVでも歌っていたのを見た気がするんだけど、放送禁止歌になっていたとは。長谷川きよしの「黒の舟歌」のレコードのB面に入っていた「心中日本」などは、「心の中の日本」というタイトルにしたという話が出てきて、そんなこともあったんだと知った。
それにしても、私としてはリアルタイムで知っている歌たち。いくつかの曲はラジオで流れたり、TVで放映されたこともあったと思うけど、その後、放送禁止歌になったのかな。「イムジン河」、「自衛隊に入ろう」も、ラジオから流れたのを聴いたことがある(1968年、69年頃だと思う)。その後、すぐに放送禁止になってしまった。どちらの曲も一回聴いただけで歌詞とメロディを覚えた。それだけ強烈な印象があった。
特に「自衛隊に入ろう」は、強烈な歌詞とメロディで私の心に入ってきた。まだ高校生だった私が、初めてアルバイトして買ったのが、この曲が入っているLPだった。また、高田渡さんと同じアパートに8年くらい住んでいたこともあるので、渡さんが出てきた時には懐かしかった。

*高田渡さんとのエピソードを下記に書いているので、よかったら読んでみてください。なぎら健壱さんとのエピソードもあります。
シネマジャーナルHP スタッフ日記 高田渡さんとのエピソード
http://cinemajournal.seesaa.net/article/449628811.html

そして、今回、なんといっても発見だったのは、なぎら健壱の「悲惨な戦い」という歌。この曲はまったく知らず、初めて聴いたのだけど、国技館からのTV中継で、大相撲の取り組み中に力士の廻しが落ちるという、架空のハプニングを歌ったコミカルなもの。雷電と若秩父の取り組みという、時代を超えた組み合わせを描いていたけど、雷電という名前が出てきてびっくり。江戸時代に活躍した力士で長野県東御市の出身。現在東御市には「雷電くるみの里」という道の駅があり、私は何度も利用したことがある。ここには雷電像もあります。

忖度とは「他人の気持をおしはかること」と辞書にあるけど、これらの放送禁止歌たちも、放送局の忖度よる自主規制ということだったのだろう。美輪明宏の「ヨイトマケの唄」も、放送禁止歌だったという。知らなかった。この歌は数年前、紅白歌合戦で歌っていたけど、放送禁止になった歌も、時代を経れば規制が弱まるのか…。あらためてこの「放送禁止」というのは誰が決めるのかと思う。
最後に岡林信康の「手紙」が流れ、しみじみと聴き入った。この歌は心に沁みる。

1969年に私が買った「自衛隊に入ろう」が入っているLPレコードは、五つの赤い風船と高田渡のカップリングLPで、当時、私がこのLPを買った一番の目的は五つの赤い風船の「遠い世界に」だった。この曲が大好きだった。しかし、50年近くたった今も話題になるのは「自衛隊に入ろう」。その時は、まさかこの曲が50年後にも話題になっているとは思わなかった。でも、自衛隊を憲法に取り込もうという憲法改悪が進められている現在において、さらにこの曲は話題になっていくのかもしれない。

2月11日以降のプログラムを下記に記しますので、皆さんも「座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバル」に出かけませんか。

2月11日(日)
○11:00〜 特集「表現者たち/詩」
      『詩人、出張スル』
        12:50〜トークイベント(田原)
○13:45〜 特集「表現者たち/ダンス」
      『ダンサー セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣』
        15:10〜トークイベント(首藤康之×山崎裕)
○16:30〜 特集「追悼/吉永春子」
      『ある傷跡〜魔の731部隊』★
      『街に出よう〜福祉への反逆・青い芝の会』★
        17:55〜トークイベント(金平茂紀×橋本佳子)
◎19:15〜 是枝裕和セレクション
      『永六輔とテレビジョン 遠くへ行きたい』★
      第1回「岩手山―歌と乳と」
      第16回「オランダ坂をのぼろう 長崎・天草」を上映      
        20:15〜トークイベント(是枝裕和×今野勉)

2月12日(月・祝)
●10:00〜 コンペティション部門入賞作品上映
◎18:00〜 井浦新セレクション
      『〈日曜美術館・特別編〉異形探訪 井浦新“にっぽん”美の旅3』★
        19:10〜トークイベント(井浦新×長井倫子)
●20:10〜 コンペティション部門表彰式&入賞者トーク(入場無料)
★印は無料参考上映。上映は無料ですがトークは有料。

座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバル公式HP

                                     (宮崎暁美)
posted by akemi at 06:42| Comment(0) | 映画祭 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月05日

12年間撮り続けたドキュメンタリー『願いと揺らぎ』我妻監督にお会いしました!! (千)

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震災が生んだひずみを乗り越え、人は何故再びともに生きようとするのか。東北の一被災漁村の12年の記録を凝縮した震災映画の大いなる到達点。
★2月24日(土)よりポレポレ東中野ほか全国順次公開
監督・撮影・編集:我妻和樹/プロデューサー:佐藤裕美
製作・配給:ピーストゥリー・プロダクツ/宣伝:佐々木瑠郁
2017年/日本/HD/カラー・モノクロ/16:9/147分
公式 https://negaitoyuragi.wixsite.com/peacetree


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もうすぐあれから7年が経ちます。震災前から南三陸の波伝谷地区を撮り続けている宮城県出身、在住の我妻和樹監督に先日、取材でお会いしました*後日、シネジャweb版・特別記事にてup予定です。
(*追記:2/23UP http://www.cinemajournal.net/special/2018/negaitoyuragi/index.html

連日の活動で少々お疲れ気味だったのでしょうか、差し入れしたチョコをパクパクと!! 「ぼく甘党なんです」とのこと。チョコレートを持って行って大正解でした☆
シネジャ映画作品紹介はコチラ
http://cinemajournal-review.seesaa.net/article/456690825.html

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*blog「土と石と」より
http://daikiwakachi.blog.fc2.com/blog-entry-270.html

震災の津波で他界した叔母夫婦のお寺(宮城県名取市・東禅寺)も、やっと再建が叶い とうとう来月に復興します。7年かかった……  (千)

posted by chie at 00:00| Comment(0) | 取材 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月04日

寒い日々です

1月22日(月)
東京も思わぬ積雪。雪国ではなんてこともない量ですが、慣れない首都圏の交通は大混乱でした。
25cm近く積もった後、なかなか寒さも緩まず日陰の雪も溶けない2週間でした。昼間も凍っている道路を久々に見ました。

1月25日(金)
第29回東京国際映画祭(2016)日本映画スプラッシュ部門で上映の『かぞくへ』春本雄二郎監督のインタビューの機会をいただきました。これが初長編監督作というのに、きちんとできていて心ゆさぶられ驚いた作品です。私の落ち着かない性格ゆえあちこち脱線しつつ、たくさんお話が聞けました。のちほど特別記事に掲載いたします。
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★2018年2月24日(土)より渋谷ユーロスペースほかにて順次公開

1月30日(火)
『シェイプ・オブ・ウォーター』ギレルモ・デル・トロ監督来日会見。会場は赤坂プリンスクラシックハウス、結婚式場としても使われる素敵なところでした。会見の最後に『パシフィック・リム』に出演した菊池凛子さんが花束を持って登場。再会を喜んでおられました。第90回アカデミー賞では最多13部門にノミネート中(発表は3月4日現地時間)。
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★2018年3月1日(木)より全国ロードショー

2月1日(木)
石巻を舞台に被災後の家族を描いた『生きる街』の完成披露試写会@飯田橋
上映前に主演の夏木マリさんと榊英雄監督の舞台挨拶がありました。
夏木さんの主演を熱望した榊監督に応えて普通のおばさんになりきった夏木さん。「妖怪の役が多いので」と笑わせます。「絹の靴下」を歌ったころを覚えていますが、痩せているのにグラマーだったんですよね。黒尽くめの衣装がよく映っていませんが、今もきりりとカッコイイ方です。
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★2018年3月3日(土)より新宿武蔵野館、ユーロスペース、イオンシネマ石巻ほか全国順次ロードショー
posted by staff at 00:32| Comment(0) | 取材 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする