2018年05月31日

夫婦の映画2題と思い出したこと

話題の映画2本を続けて観ました。どちらもシニアの観客でいっぱいでした。
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(C)2018「モリのいる場所」製作委員会

『モリのいる場所』(沖田修一監督)
画家の熊谷守一(山崎努)94歳と妻秀子(樹木希林)76歳のある一日。伝記映画ではなく、史実をもとに作り上げたモリ夫婦が生きています。自宅と小さな庭がモリの生活の全て。30年自宅から出ず、地面に寝そべって蟻を観察し、空を見上げて風を感じ、身近なものだけを一日に数時間描きつづけた日々。線描を生かし、平坦に塗られた絵は誰とも違うモリの絵です。「人がたくさん来るのがいやだ」と文化勲章も断ります。この場面が出色。
お2人は5人の子を授かりながら赤貧のうちに3人を亡くしてしまっています。残った娘さんと息子さんが家の跡と生まれ故郷に美術館を建てました。数多く残されている絵の動物や花たちに会いに美術館に行きたいなぁ。

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(C)2018「妻よ薔薇のように 家族はつらいよIII」製作委員会

『妻よ薔薇のように 家族はつらいよIII』(山田洋次監督)
平田周蔵(橋爪功)・富子(吉行和子)、長男 幸之助(西村まさ彦)・妻の史枝(夏川結衣)、長女 成子(中嶋朋子)その夫・金井泰蔵(林家正蔵)、次男庄太(妻夫木聡)・妻憲子(蒼井優)の悲喜こもごもをシリーズで描いてきましたが、その第3弾。
前作で周蔵の旧友を演じた小林稔侍が生き返って(笑)友人の医師役で登場していました。風吹ジュンと徳永ゆうきは同じ役で続投。
今回のメインは同居する長男夫婦。専業主婦の史枝がうたた寝をしている間にこそ泥(笹野高史)が入り、隠していたへそくりを盗られたことから騒動になります。面倒な案件を片付けるために出張していた幸之助は激昂、謝る史枝に言わなくてもいい言葉を投げつけます。耐え切れなくなった史枝は家出。急に主婦がいなくなった平田家はてんやわんや。それが収束するまでを「家族あるある」をちりばめて描きます。
観ながら自分もまだ20代の主婦だったとき、4歳と2歳の息子を連れて家出したのを思い出していました。当時転勤で九州に住んでいたので、夫とケンカしてもすぐ北海道の実家に帰るわけにはいきません。一番近くにいた友人でも特急電車で3時間ほどかかります。結婚してお姑さん小姑さんと同居、うちより小さい子を子育て中だったのに、どうしても会いたかったのです。電話したらおいでと言ってくれたので、社宅の友人にこれから出るから、と声をかけ(今思うとおかしい)置手紙をして子どもを連れて夫が帰る前に出ました。雪の季節で、もう暗くなってから友人の嫁ぎ先にやっと到着。何年ぶりかの友人の顔をみたとたん泣きそうなのを、ママですから子どもの手前我慢しました。
子どもたちを寝かせて友人のお姑さんにご挨拶にいきましたら、こんこんと諭されました。慰めてもらいたかった私には藪蛇でしたが(汗)。
「せっかく結んだ縁なのだから、つなぎなさい。なんにでもつなぎなさい。自分から切ったらダメ」「相手を変えようとしないで、自分が大人になりなさい」と言われたのを覚えています。友人も私と並んでいます。あかちゃんを抱えて一家の嫁を勤めている友人の手はあかぎれで痛そうでした。いくらハンドクリームを塗っても水仕事が多いので、治らないのと言います。私の手は昔とそう変わりません。翌日もくるくると働く友人にこれ以上世話をかけないよう、早めに戻りました。子どもたちには全然記憶が残っていないようです。で、その後一度も家出することなく、今に至っております。ま、映画の史枝さんと違って、着々と「放し飼い主婦」状態に。自分のしたいことを我慢しないでやれています。感謝。(白)
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2018年05月30日

劇場で『のみとり侍』

試写に行けなかった(試写状が来なかった&見逃した)作品を(なるべくいろいろな劇場で)平日に観に行ってます。

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(C)2018「のみとり侍」製作委員会

『のみとり侍』(鶴橋康夫監督)
長岡藩士だった小林寛之進(阿部寛)は藩主の逆鱗に触れ、「猫ののみとりをして暮らせ!」と言われてしまう。貧乏長屋に引越し、のみとり元締めの甚兵衛(風間杜夫)お鈴(大竹しのぶ)夫婦に「こんな仕事につくお侍は仇討ちに違いない」と誤解されるが、訂正しそびれてしまう。猫の蚤とりとは表向き。実は一人寝をかこつ女性相手の売春であった。ともかくも初仕事に出かけ、囲われ者のおみね(寺島しのぶ)に声をかけられる。見るとおみねは亡き妻にそっくりだった。
寛之進はおみねに「下手くそ!」と罵られ、すっかり落ち込んでいたところ、清兵衛(豊川悦司)という伊達者に出会う。焼き餅やきの妻おちえ(前田敦子)から浮気封じの粉をつけられている清兵衛。寛之進は粉を入手しておちえの目をごまかす手伝いをするかわり、床上手になるため清兵衛を手本にあれこれ学んでいく。

『テルマエ・ロマエ』(2012)(2014)2本でも、阿部さんってなんでもやってくれるなぁと感心していましたが、こちらでも褌一丁で大まじめに笑わせてくれます。印象に残りやすい俳優さんなので、しょっちゅう観ている気がしますが、昨年の出演作は3本。今年はすでに4本公開済み。
本作では、お家騒動もからめているので阿部さんがみごとな立ち回りも見せてくれます。ベテラン助演陣がさらに盛り上げてすこしも退屈しない作品でした。若い浪人役の斎藤匠さんは、食べるにもこと欠いているこちらでは色気封印、豊川悦司さんは全開です。
タイのプラッチャヤー・ピンゲーオ監督作品『チョコレート・ファイター』(2008)で、監督と阿部さんの合同インタビューのときに、ピンゲーオ監督が「阿部さんを裸にしてしまって(ベッドシーンがある)日本のファンに叱られそう」と言っていました。阿部さん本人は「前貼りは、前にもしたことありますよ」とサバサバ。2人並んだ写真を撮るとき、ずいぶん身長差があったので(阿部さん189cm!)、綺麗にフレームにおさめようと(梅)さんが苦労していたのを思い出しました。(白)
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2018年05月21日

是枝監督パルムドール受賞!

第71回カンヌ国際映画祭授賞式が現地時間19日にフランスで行われました。
コンペティション部門に出品されていた是枝裕和監督作『万引き家族』が最高賞となるパルムドールを受賞。
日本人が受賞するのは1997年の今村昌平監督作『うなぎ』以来21年ぶり。
詳細はこちら
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(C) 2018『万引き家族』 製作委員会

『万引き家族』HP
http://gaga.ne.jp/manbiki-kazoku/
6月8日よりTOHO系にて公開です。
予告編だけで泣いています。『誰も知らない』を思い出すなぁ。
posted by shiraishi at 08:43| Comment(0) | 映画雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年05月12日

『クジラの島の忘れもの』初日舞台あいさつ@渋谷シネパレス

初日を迎えて沖縄から上京された牧野裕二監督、木元愛美 役の大野いとさん、グエン・コア 役の森崎ウィンさん、愛美の母親役黒田よし子さんが登壇。
満席の観客を前に、お一人ずつ撮影時の思い出など語られました。
まとめましたらアップしますので、今少しお待ち下さい。
アップしました(ほぼ書き起こし)。

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こんなニュースも入ってきました。
PrizmaX Hall Tour Level 7 〜FUSION〜
■公演日時/会場
★2018年6月2日(土)【大阪】NHK大阪ホール
★2018年6月16日(土)【千葉】市川市文化会館 大ホール
開場16:00 / 開演17:00
森崎ウィンさん 1st visual & interview book『Win-Win』6月20日(水)発売
https://www.youtube.com/watch?v=fbDHFbDnGuE
大活躍ですね〜。 (白)


posted by shiraishi at 21:12| Comment(0) | 取材 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年05月01日

渋谷シネパレスとシネクイント

夏日のGWです。
ふだん出かけてばかりの私は、珍しく家で主婦しています(汗)。
ネットで気になる記事を見つけました。

●渋谷シネパレス閉館
昭和23年(1948年)に「渋谷パレス座」として営業を開始して以来、70年間の歴史を5月末で閉じるそうです。

70年に感謝ワンコイン(500円)上映 
期間:5月19日(土)〜5月27日(日)
角川作品を一挙上映 詳細はこちら


『犬神家の一族』 1976年
『戦国自衛隊』 1979年
『人間の証明』 1977年
『時をかける少女』 1983年
『探偵物語』 1983年
『セーラー服と機関銃』 1981年
『Wの悲劇』 1984年
『里見八犬伝』 1983年
『復活の日』 1980年
『野性の証明』 1978年


●シネクイント2年ぶりの営業再開
渋谷PARCOの立替のため2016年8月より休館していましたが、7月6日(金)より再開します。
オープニング作品は『最強のふたり』の監督の新作『セラヴィ!』

所在地:東京都渋谷区宇田川町20-11 渋谷三葉ビル7階 ←渋谷シネパレスの後に入るようです。
詳細はこちら
posted by shiraishi at 20:31| Comment(0) | 映画館 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする