2018年12月30日

今年の見納めは、韓国映画『ときめきプリンセス婚活記』と『いつか家族に』(咲)

今日は、お正月用の買い出しを兼ねて新宿に出かけて映画の見納め。
今年最後の映画は、ハ・ジョンウが監督・主演を務める『いつか家族に』と、先週から決めていました。
さて、せっかくなので、もう1本。
迷った結果、同じシネマート新宿で『いつか家族に』の前に上映する『ときめきプリンセス婚活記』(ホン・チャンピオ監督)に決定。お目当ては、バラエティ番組「1泊2日」などでお馴染みのイ・スンギ。
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時代劇のラブコメと聞いていたのに、一人で観に来ている男性が8人ほど。あとは、女性二人連れが2組に私と、大きな劇場なのに寂しい入り。年の瀬で忙しい?
さて、物語は・・・ 干ばつから民を救うには、陰陽のバランスを保つためソンファ王女(シム・ウンギョン)を結婚させるべきと進言を受けた王様。相性の合う花婿の裏付けを占術のカリスマ監察官ソ・ドユン(イ・スンギ)に依頼。
ソンファ王女は、顔も知らない相手と結婚したくないと、王宮を抜け出し、花婿候補たちの顔を見に行くのですが、そこで出会うのが、監察官ソ・ドユン。最初は王女と気づかず行動を共にするのですが、ある時、生年月日を偽らずに王女が言ったために、ソ・ドユンは王女だと知ります。あれこれあって、ソ・ドユンは流刑の罪に。王女も意に沿わない相手と婚礼の儀に臨むのですが、そこはお決まり、ハッピーエンドに。「自由になりたい」という王女の思いを汲んだ王様にも拍手。
ほんわかした気分で、ロビーに出たら、『いつか家族に』を待つ中に、思いもかけずイラン繋がりの知り合いの男性が。今年、201本目の映画だとか。お勤めしながら、劇場でこの本数はなかなかすごいです。

『いつか家族に』の方の入りは、まずまず。少し安心します。
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時代は、1953年、朝鮮戦争終結直後。貧しいサムグァン(ハ・ジョンウ)は、ポップコーン売りの美しい女性オンナン(ハ・ジウォン)に一目惚れ。彼女に羽振りのいい恋人がいるのを知りながら、血を売ってお金をつくり、強引にプロポーズ。結婚にこぎつけ、3人の息子に恵まれるのですが、長男が前の恋人に似てると皆に噂され、まさかと思いながら血液検査したら、ほんとに元カレの子だった! それからは、「アジョシ(おじさん)」と呼ばせ、なにかと実の子二人と差別。ところが、羽振りのいい実の父親が脳炎で倒れ、祈祷師から息子が祈れば治ると言われ、実の父親のもとに行くのですが、自分にとっての父は育ての父のほう。やがてその子も脳炎に罹り、地方の病院では埒が明かずソウルの病院に。入院費用を捻出するために、サムグァンは血を売りながらソウルをめざします。
原作は、中国でベストセラーとなった余華の「血を売る男」(河出書房新社)。
血を売るといえば、作家の五木寛之さんを思い出します。
戦後の皆が貧しかった時代、お金を作るのにてっとり早いのは、男性だったら売血だったのですね。
帰り道、新宿の地下道で「献血、夕方の今なら空いてます」と、献血ののぼりを持った日本赤十字社の方が呼び掛けてました。かつて、血が売れたことを若い人たちは想像できるでしょうか・・・

それにしても、どちらの映画にも占術師やら祈祷師やら・・・ 韓国は時代を経ても、そういった人たちの存在が大事なのですね。

今年最後の映画も観終わったので、これから今年のベストテンの選出です。




posted by sakiko at 22:02| Comment(0) | 映画鑑賞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年12月29日

今年の漢字は「災」!(白)

天災が多い年でした。目に見えない、今は定かではない人災も多かったのでは、と振り返っています。
来年は穏やかな年になりますように。

19日は『世界一と言われた映画館』佐藤広一監督にインタビュー。天童市にお住まいときいて、将棋の駒の産地ですね、と言ったら、よく知ってますねって。将棋の映画が続いたせいかも?同じ山形県の酒田市にとても有名な映画館があり、東京に並ぶほどの設備と作品選びで酒田っ子の自慢の劇場だったそうです。それが1976年の酒田大火の火元となって焼失。再建されることはありませんでした。当時の写真や資料、支配人をよく知る方や映画館に通った方々の証言で綴られるドキュメンタリー。こんな素敵な映画館行ってみたかったです。
http://sekaiichi-eigakan.com/
★2019年1月5日(土)より公開

28日は今年最後のインタビューで、『牧師といのちの崖』の加瀬澤監督にお目にかかりました。
飛び込み自殺を図ろうと白浜の断崖に来た人が、「助けて」とかけてくる電話を24時間受け取る藤藪さんという牧師さんのドキュメンタリーです。前に書いた『曙光』のモデルになった方でもあります。神職であるとはいえ、なぜそこまでできるのだろうと思っていました。
死のうとする動機は様々です。手を差し伸べた後、どうすればいいのか?人は人を救えるのか?
加瀬澤監督自身も答えを探しながら撮っていたそうです。
https://www.bokushitogake.com/
★2019年1月19日(土)より公開

年々減っている交通事故死は今朝の発表で3476人でした。最悪だったのは1970年16000人余。交通事故死ストップキャンペーンが大々的にはられたのを覚えています。この頃でも自殺者数は15728人。今年は11月までで19014人と警察庁のHPでわかります。ここ
加瀬澤監督が撮影されていたころは、24000〜25000人くらいでしょうか。一番多かったときは3万人を越え、人口10万人あたりの自殺死亡率が異常に高くて、一見豊かな日本なのに、そんなに不幸せな人が多いのかと愕然としました。交通事故ほど自殺防止に力が入っていたかなぁ。いじめや虐待の辛い報道も続きました。自分に何ができるのか?来年もこの宿題を背負っていきます。

『アリー スター誕生』観てきました。ほぼ席が埋まり、出るとき「いい映画だったね」と言い合う声が聞こえました。
レディー・ガガ本人が重なる部分も多いそうです。この作品のために19曲の新曲を書きおろし、ほぼすっぴんで登場しています。
すごいわー。奇抜な衣装やメイクがなくても、ちゃんと聞かせ、見せる力のあるスターです。お奨め!21日から公開中。
この作品が今年最後の鑑賞作品になりそうです。後は見逃したのをDVDで追いかけて、ベスト10を書かなくては。(白)
posted by shiraishi at 18:50| Comment(0) | 日々のできごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年12月23日

アニメを観に行く(白)

日比谷に大きなシネコンができて、試写のついでに行きやすくなりました。
で、観て来たのがこの2本。結構自前でも観ているんですよ〜。

『グリンチ』主人公のグリンチの声はベネディクト・カンバーバッチ。この方は人間以外の役もいろいろとやってくれます。ホビットではドラゴンの声と動きもやっていましたっけ。作品紹介はここ。2000年の実写版ではジム・キャリー主演、メイクが怖い妖怪っぽくて子どもが泣きそうな熱演でした。
今回はアニメなので、1957年発表の原作絵本のキャラが生きています。愛犬と山奥に住んでいるグリンチの発明品の数々が面白いのと、クリスマスで賑わう町がもうとても可愛くて、これはアニメがぴったりです。
"Grinch" という英語はもともとあったものでなく、この絵本キャラが定着して「意地悪で不機嫌で、他人が楽しんでいるのを台無しにする人」というような普通名詞としての意味が後付けされた、と最近ネットで知りました。へ〜。12月14日から公開中。

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(C)2018 Disney. All Rights Reserved.

『シュガー・ラッシュ オンライン』2013年の『シュガー・ラッシュ』の続編です。当時書いた作品紹介はここ。これは時間がちょうどよかった吹き替え版を観ました。声優陣にびっくりでした。
今回の目玉は、ヴァネロペがインターネットの世界で「ディズニー映画のプリンセスたち」と出会うシーン(いろいろと可愛い)と、カーレースのシーン(すごい&シャンクがカッコイイ)。もう一つ、ネットユーザーには思わず笑えるネットのネタ。
ヴァネロペとラルフは壊れてしまったゲーム機のハンドルをイーベイで見つけて、その代金を稼ぐために動画サイトの「いいね」(ハートマーク)を集めます。しつこいポップアップ広告や怪しいサイトなど、このへんの一連が「あるある」ですごくおかしい。

仲良しすぎてヴァネロペに依存していたラルフの「弱点(闇の部分)」が集まって膨れあがってくる場面では、隣で観ていた親子の3歳くらいの女の子が怖がってわんわん泣いていました。あれは小さな子には怖いわ。画面の音も大きいので、目立ちませんでしたが。
これはリッチ・ムーア監督はじめ『ズートピア』(2016)と同じチームの製作なんです。ただただ面白いだけでなく、ちゃんと問題も内包されています。私が感じた裏テーマは女子の成長と自立。ラルフが父で愛娘がヴァネロペ、とも見えました。
大人も子どもも楽しめるので、超おすすめ!!12月21日から公開中。(白)
posted by shiraishi at 11:54| Comment(0) | 映画鑑賞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『そらのレストラン』をめぐってあれこれ(暁)

京橋テアトルの試写室に行くと、いろいろな作品のポスターが貼ってあって、自分のところには来ていない作品などの情報も知ることができます。それで、1,2ヶ月前から『そらのレストラン』のポスターを見るたびに気になっていました。「北海道・せたなの‶海が見える牧場”豊かな自然が育む、チーズと仲間の物語」というキャッチフレーズが書いてあり、この作品はぜひ観たいと思い、連絡先を調べて12月12日に試写に行ってきました。ほんとはその日に書き始めたのですが、この日は帯状疱疹の話で終わってしまいました。この日、いろいろありました。

実は、この数年ワインやチーズに興味があり、山梨や長野のワイナリーを訪ねたり、去年、今年とチーズをたずねて北海道に行ったり、長野県松本市の放牧牧場のチーズを訪ねたりしています。
それにこの北海道映画シリーズ第一弾の『しあわせのパン』では三島有紀子監督にもインタビューしているので、よけい思い入れがありました。
地域と人と食を描いてきた「北海道映画」シリーズ。1作目の『しあわせのパン』では洞爺湖畔を舞台にパンを作る夫婦と地域の人たちや訪ねて来た人との交流を、2作目の『ぶどうのなみだ』では空知を舞台にワイン作りをする兄弟や家族が描かれ、3作目の今作では、北海道の西端に位置するせたな町で循環農業に取り組む自然派農民ユニット「やまの会」をモデルにして、様々な食材を作る人々と、チーズ作りへの取り組みや継続と地域の仲間の絆が描かれています。それに呼応するように様々な食材を使っておいしい料理が作られ、その輪が広がる様子が描かれていました。チーズ作りの奥深さも知りました。

もとはといえば、田代陽子監督の『空想の森』(2008)という作品の中で、北海道、新得の共働学舎新得農場(さまざまな生い立ちや個性をもったメンバーが共に暮らし、自然の営みと循環の中で勤労生活をおくる農場)で作っている大きな丸いチーズを見て、チーズってあんな大きな塊で作るんだと知った時からの興味です。その後、テレビなどでも各地のチーズを作っている牧場などの紹介があり、そういうところを訪ねてみたいと思ったのです。田代陽子監督の最新作『風のたより』(2015)では北海道七飯、山田農場チーズ工房が作っているヤギチーズも出てきました。
また、2016年のあいち国際女性映画祭では、岩崎靖子監督の『大地の花咲き〜洞爺・佐々木ファーム“喜び”ですべてを繋ぐ〜』が上映され、この作品でも佐々木ファームとこの洞爺地域の生産者と農業フェスティバル、食材にこだわるシェフと、ここの食材を使ったレストランの話が描かれ、それが地域振興につながり、北海道の大地に生きる人々の力強さと苦労、楽しみが描かれていてとてもよかったのです。こんな生活に憧れます。
ヤギのチーズ(シェーブルチーズ)を求めて、去年は北海道清水町の千年の森で
「ランラン・ファーム」のヤギチーズを、今年は田代監督の作品に出てきた山田農場チーズ工房を訪ねようと思ったけど訪ねられず、ヤギチーズだけは函館で購入しました。これらのヤギチーズはちょっと癖があったけどクリーミーでした。
今年は美瑛の山里にあるカフェ・ド・ラペでラクレット料理も食べましたが、これは絶品でした。また来年行ってみたい。
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カフェ・ド・ラペのラクレット料理

『そらのレストラン』を観た後、『パッドマン 5億人の女性を救った男』をTOHOシネマズ シャンテで観る前に、なにかおいしいものを食べたいと思い、そういえば銀座NAGANO(長野県のアンテナショップ)のメルマガで「信州蕎麦Week 2018」の案内が来ていたことを思い出し、ここへ向かいました。しかし予約が必要だったことがわかりあきらめていたら、キャンセルがあって食べることができました。今年は信州で新蕎麦を食べることができなくて残念と思っていたのでうれしかった。イベントルームに入ると、その日は下條村主催の蕎麦料理だった。なんと会費1000円で、ざる蕎麦とガレット(蕎麦粉のお好み焼きのようなもの)、それに飲み物が飲み放題という破格の値段。蕎麦はおいしかったし、りんごの甘煮を乗せたガレットもおいしかった。それに日本酒、アップルタイザー、アップルワインまで飲んでしまった。それで、結局映画はあきらめ(笑)。
この会で、下條村でアップルワインを作っているカネシゲ農園のことを知りました。この日観た『そらのレストラン』と同じような活動をしていることを知り、ぜひ訪ねてみたくなりました。
それにしても信州には130回以上行っているけど、南信州の下條村には行ったことがなかった。でも、なんか名前を最近聞いたなと思ったら、先日作品紹介を書いた『脱皮』という作品のロケ地でした。この作品はシネマジャーナル読者の方も脚本で参加していて、試写に行かせてもらったけど、この作品の佐藤慶子プロデューサーも、この蕎麦会場に来ていて挨拶させてもらいました。奇遇でした。
私は下條村は行ったことがなかったけど、去年行った「満蒙開拓平和記念館」がある阿智村の隣の村ということがわかり、今度チャンスがあったら阿智村に星空を見に行って、下條村に蕎麦を食べに行こうと思った夜でした。

帯状疱疹の吹き出物は、3週間かかってかさぶたが取れ、やっと旅行前に美容院に行けそうです。









posted by akemi at 06:46| Comment(0) | 日々のできごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年12月20日

映画『ぼけますから、よろしくお願いします。』を思い起こした日 (咲)

12月18日の夜、国際移民デーにちなんで、難民問題について考えるトークイベント付『ヒューマン・フロー 大地漂流』の試写会が開かれました。
夜は、父の夕食のことがあって、なるべく予定を入れないようにしているのですが、これはぜひ行ってみたい! 父が昼間、長唄の演奏会に行くというので、帰りに夕飯を食べて帰ってもらうことに。

18日の昼間は、六本木と東銀座で試写を観る予定で、あちこち行き来するからと、17日の夕方、京橋駅でメトロの24時間チケット(600円也)を購入。さっそく、銀座で下車してお気に入りのお店にも寄って、よしよしと。
で、18日。六本木に行くには、新宿からだと大江戸線の方が早いのですが、メトロで行かなくちゃと、丸の内線へ。ここまではよかったのですが、何を思ったのか、メトロの回数券で入場。電車の中で、ハッと気づいて、六本木駅で回数券をキャンセルしてもらわなくてはと。ところが、24時間チケットがない! 朝、出かける前に、財布が重くなっていたので、いらない領収書などを取り出したのです。なんと、いるものまで置いてきてしまったのでした。二重のトホホな行動に、注意力が落ちたのもトシのせい?と、がっくり。24時間チケットで、すいすい行き来できたのに〜と、一日、悔しい思いでした。
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夕方、六本木のキノフィルムズでの『ヒューマン・フロー 大地漂流』試写まで時間があったので、東京ミッドタウン(六本木)のイルミネーションを楽しみ、気分は晴れました。

その後、『ヒューマン・フロー 大地漂流』で、世界各地で故国を去らざるをえなくて難民となった方たちの姿を観て、私は今日一日、なんとささいなことで、気落ちしていたのかと反省。(★映画『ヒューマン・フロー 大地漂流』のこと、上映後のトークのことは、また別に報告します。)

トークが終わって、父に電話。長唄の演奏会の会場に行ったら誰もいなくて、日にちを間違えていたとのこと。親子して、おおボケの一日だったのでした。
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そんな一日に、にわかに思い出したのが、信友直子監督が両親を追ったドキュメンタリー『ぼけますから、よろしくお願いします。』です。認知症に罹った87歳の母を、95歳の父が見守っているという、なんとも身につまされる話。我が家も、96歳の父は耳は遠いながら、すこぶる元気で、私の方がすでに、「ぼけてますから、よろしくお願いします」の状態です。よもや、父に介護される日が??
これからますます増える老々介護。『ぼけますから、よろしくお願いします。』は、必見です。11月3日から全国順次公開中なのですが、好評につき、まだまだ東京でも観るチャンスがあります。
公式サイト
シネジャ作品紹介 







posted by sakiko at 22:07| Comment(0) | 日々のできごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする