2019年02月24日

「食の宝庫キルギス」出版記念ランチ会 (咲)

2月23日、キルギスはおいしい 「食の宝庫キルギス」出版記念ランチ会へ。
会場は、祖師ヶ谷大蔵のギャラリーカフェ ジョルジュ。
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著者である、おいしい中央アジア協会 専務理事の先崎将弘氏の講演会付き。
(キルギスといえば、山高のフェルトの帽子”カルパック”をかぶっての講演でした。)

先崎将弘著「食の宝庫キルギス」群像社刊 
ISBN978-4-903619-91-0 C0339  900円(税別)

中央アジア5カ国のうち、ウズベキスタンとタジキスタンには行ったことがあるけど、キルギスは未踏。お料理も初めて。

映画『山嶺の女王 クルマンジャン』(サディック・シェル・ニヤーズ監督/2014年)、『アンダー・ヘヴン』(ダルミラ・チレプベルゲノワ監督/2015年)、そしてアクタン・アリム・クバト監督の『あの娘と自転車に乗って』(1998年)、『明りを灯す人』(2010年)、『馬を放つ』(2017年)などで、キルギスというと高い山々に囲まれた草原の国、そして遊牧民が主体の国というイメージを持っていました。
日本人に風貌のよく似たキルギス人の人口比率が高いのですが、ウズベキスタンに近い地には定住民のウズベク人もいるし、沿海州から強制移住させられた朝鮮族や、中国に近い地には、中国から移住してきた回族をルーツにする民族もいて、実は多民族国家。旧ソ連なのでロシア人もいます。

今回、用意してくださった料理も、バラエティに富んでいました。
料理人は、青年海外協力隊でキルギスで料理指導をしていた酒庭伊織さん。
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遊牧民の小麦料理から、ベシュバルマク(茹でた麺の上に、羊・馬・牛などの肉を乗せたご馳走料理。今回は牛肉:写真上)とボルソック(揚げパン)写真下の一番手前。キルギスでは、宴会の時、お皿とお皿の間に埋め尽くすようにボルソックを敷き詰めるそうです。

定住民の料理からディムダマ(肉と野菜の蒸し煮、肉じゃが風)。写真下の手前から3番目のお皿。
水の少ないウズベキスタンの水を使わないお料理。キルギスは水は豊かですが、と先崎さん。
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少数民族の料理から、ドゥンガン人のアシュリャンフー(じゃがいものでん粉をゼリー状に固めたものを酸味のあるスープでいただく冷たい麺料理)写真上の手前から2番目。

この、ドゥンガン人、19世紀の清朝時代の中国西北部の回族が太平天国の乱に呼応して蜂起したものの鎮圧され、当時ロシア帝国領だった中央アジアに逃れた民族集団。元々漢語を使っていたのが、ニコライ2世よりキリル文字を与えられ、今では漢字を解さないとのこと。現在、カザフスタンとキルギスに居住。リャンフーは、漢字だと「涼粉」。アシュは料理。ペルシア語でも、アーシュは料理のこと。(スープの総称もアーシュです。)
お酢がきいて、少し唐辛子も入って、とてもさっぱりした味。これは初めて経験した料理でした。

お料理も映画と同様、その国の文化や歴史を知ることのできるツールなのだと実感した催しでした。

この後、グリーンイメージ国際環境映像祭の『黄金の魚 アフリカの魚(仮題)』に間に合うように移動。
この映画では、西アフリカでの人の移動についても語られていて、いろいろな事情で人が生まれた地を離れなければならない歴史が繰り返されていることを思いました。

posted by sakiko at 22:23| Comment(0) | イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

恵比寿映像祭 最終日

2月24日(日)
『ウロボロス』バスマ・アルシャリフ監督
自らの尾を噛む蛇、ウロボロスは、死と同時に復活の象徴である。ガザから始まるこの実験的な劇映画では、LA、モハーヴェ砂漠、マテラ、マルティーナ・フランカ、そしてブルターニュという異なる場所で、ある男が別れの痛みを繰り返し体験する。男の痛みは傷ついたガザと重なるが、舞台となっている他の地域もまた、長い歴史のなかで繰り返された破壊や忘却、再生を、風景の中に刻んでいる。(映像祭HPより)

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逆回しの映像が多く使われていて、台詞が少なく、想像力の必要な作品でした。ガザというとイスラエルとパレスチナの紛争で破壊されたところ、くらいの知識しかないのでこれは(咲)さんに観てほしかったです。理解力が不足のところに、アフタートークに田浪亜央江さん(中東地域研究・パレスチナ文化研究が専門)が登壇して、細かく解説。ありがたかったです。アルシャリフ監督は、円環する破壊と再生の歴史を表現したこと、暴力を直接描かない工夫をしたというのが腑に落ちました。

日仏会館でインスタレーション「ワールドツアー」を鑑賞。
映画は『ワイルドツアー』ですが、インスタレーションは「ワールドツアー」でした。
3面のスクリーンにそれぞれ違う映像が投影されています。映画に参加した学生たちが撮影した映像が次々と変化していきます。たくさんの若い人たちが熱心に見つめていました。

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いくつもの会場でさまざまな試みをしていた映像祭。少ない体験でしたが、普段劇場用の作品ばかり観ているので、斬新なアイディアや映像に驚きました。また来年びっくりしに行こうとおもいます。(白)
posted by shiraishi at 20:48| Comment(0) | 映画祭 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする