2019年10月31日

東京国際映画祭 その3(白)

10月31日(木)TIFF4日目

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東京ミッドタウン日比谷のステップ広場では屋外上映中でした。

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六本木ヒルズ展望台 東京シティビューでは「細野晴臣デビュー50周年記念展」が11月4日まで開催中。
https://tcv.roppongihills.com/jp/exhibitions/hosonokanko/

映画の前に駆け足で観てきました。半世紀もの間、多岐にわたって第一線で活躍してきた細野氏の足跡をたどることができます(撮影可、動画不可)。

アジアの未来『死神の来ない村』(イラン)レザ・ジャマリ監督
山間の村の長老アスランは100歳を越えてなお元気。元死刑執行人で遺族に恨まれるのを恐れてこの村にやってきた。そのときから45年一人も死者がなく、村は老人ばかり。死神が迎えに来ない村では治療中の病人も回復していく。生きるのがしんどくなったアスランと仲間が自殺を図るので、村に駐留する兵隊がそのたびに止めに入る。
独身のお爺ちゃんが、孫くらいの娘に求婚するシーンがあり(父親も自分よりずっと若い)観ていた我らは「厚かましい、図々しい」と散々。

アジアの未来『モーテル・アカシア』(フィリピンほか)ブラッドリー・リュウ監督
不法移民たちを受け入れるモーテル・アカシア。疎遠だった父から引き継ぐために訪れた息子は、大きな秘密に気づく。移民たちは大金を払っているのに満足な食事も温かい部屋もなく、入ってきた人間は2度と出ていけないのだった。
吹雪の中たどり着いたモーテルはいかにも胡散臭く、父親役の俳優はフィリピン人ではなく吸血鬼?ぽい風貌なので、この人が襲ってくるのか?と先読みしたら違いました。外は零下60度と字幕に出ましたが、外景はどこだったのでしょう。そんなに冷えたら樹木の水分が凍ってパキーンと弾けちゃいます。

CROSSCUT ASIA『リリア・カンタペイ、神出鬼没』(フィリピン)アントワネット・ハダオネ監督
リリアは30年もの間、様々な映画で端役を演じてきた。名前を知る人は少なく、魔女や幽霊役の人としてようやく思い出してもらえる。リリアの映画への思い入れは深く、国内の助演女優賞に初めてノミネートされて有頂天。テレビの取材が入り、友人知人を食事つきで招待して番組を待つ…。そして授賞式の日となった。
長い白髪に、役のためか費用のせいか歯が抜けたまま。入れ歯があれば普通に綺麗なおばあちゃんではないかしら。彼女の人生を元に本人が演じているモキュメンタリーです。エキストラのために暗いうちから出かけて、一日がかりだったのにあっというまに出番が終わる場面、受賞を想定して繰り返しスピーチする場面にぐっときます。2011年の作品で、撮影当時75歳だったリリアは2016年に亡くなっています。本当に主演女優賞をもらえたそうで、良かった!

ワールド・フォーカス『私たちの居場所』(タイ)コンデート・ジャトゥランラッサミー監督
英語の得意なスーはフィンランドへの留学が近づいているが、父から許しをもらえていない。親友のベルは進路が決まらないが、認知症の祖母の世話を続けたい。二人は留学前に買い物とやることリストを作って、ベルのバイクであちこち走り回る。
バンコクのアイドルグループBNK48の中心メンバーのジェニスとミュージックが共演。将来の不安で揺れるスーと、気持ちが空回りしていら立つベル、二人の周りの人々を活写。エピソードが多く、もっと短くしても伝わったと思います。(白)
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東京国際映画祭 その2(白)

10月30日(水)TIFF3日目

CROSSCUT ASIA 『それぞれの記憶』(フィリピン)シーグリッド・アーンドレア P・ベルナード監督
ジョージアで出会ったフィリピン人のマーラとホアキムは、短い間に恋に落ちて結婚。幸せな生活が始まると思えたのだが。
時間や場所が変わるので、あれれ?となります。しっかり見直したくなりました。同じ体験をしても人によって記憶が違いますが、これは違いすぎでしょう。どっちが嘘つき??

アジアの未来 『ある妊婦の秘密の日記』(香港)ジョディ・ロック監督
カーメンは広告代理店でバリバリ働き、夫ともラブラブ。昇進が間近というのに予定外の妊娠がわかった。産むかどうか迷って夫に告げずにいたのがばれて夫婦仲は険悪になる。
姑役の余安安のほか知らない若い俳優さんばかりで、自分の年を実感。女性たちのあけすけな会話がおかしい。

アジアの未来 『失われた殺人の記憶』(韓国)キム・ハラ監督
ジョンホは失業したのを妻に打ち明けられず、ギャンブルに手を出して逆転どころか借金が増えていく。別居中の妻が殺されたと警察がやってくるが、飲みすぎて記憶がなく、妻殺しの疑いで追われる身になってしまった。
これも誰の記憶なのか妄想なのか、境目がわからないところあり。追ったり追われたり、とぼけた刑事が緩衝材になっていました。

ワールド・フォーカス 『マローナの素晴らしき旅』(ルーマニア、フランス、ベルギー)アンカ・ダミアン監督
9番目に生れた子犬はママから離されて、曲芸師に飼われる。次に建築業の男、その次は小さな女の子。飼い主が変わるたびに名前も変わり、最後に「マローナ」として一生を終えるまでの回想が自由自在に描かれたアニメーション。
はじめは自由過ぎて目まぐるしかったのですが、子犬の表情や語りに引き込まれました。

Japan Now 『海辺の映画館 キネマの玉手箱』(日本)大林宣彦監督
小さな町の映画館が今夜のオールナイト上映を最後に閉館する。映画好きな3人の若者たちが映画の世界に入った少女を探してタイムリープ。江戸末期から太平洋戦争まで、歴史に残る戦いのシーンに巻き込まれていく。
大林宣彦監督が「尾道」で20年ぶりに撮影を敢行。メッセージがぎっしりと詰まった最新作です。2020年春公開

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『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』ディーン・デュボア監督Q&A
今回シリーズの1,2に加え、この最新作が上映されています。バイキングとドラゴンが闘っていたころのお話。バイキングの少年ヒックが伝説のドラゴンと出会い、傷ついた翼を飛べるように修復してやったことから仲良くなっていくのが1、その5年後ドラゴンはすっかり村に溶け込んで良き仲間になり、長く行方不明だったヒックの母親に再会するのが2。3作目では、あらたな旅立ちが。
バイキングの兜が似合いそうなディーン・デュボア監督、Q&Aでは「ドラゴンのトゥースの設定」「ほかのドラゴンや村人たちのキャラ作り」「ヒックがシリーズを通じて成長していくようす」などについて、ニコニコとお話してくださいました。最新作は12月20日公開です。(白)

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2019年10月29日

東京国際映画祭始まりました!その1(白)

10月28日(月)TIFF1日目

プレスセンターへキットを取りに行って、一番近い試写室(映画祭とは別)で『i新聞記者ドキュメント』ともう1本。
オープニングイベントとレッドカーペットは、(暁)さんと(K)さんが手分けして撮影に走っています。私は2日目から参戦予定。動画中継で雰囲気に浸りました。
『i新聞記者ドキュメント』(森達也監督)は話題になった映画『新聞記者』の原案者/東京新聞社会部記者・望月衣塑子さんを追ったドキュメンタリー。あらためて質疑応答のシーンなどをみると、望月記者のがんばりに頭が下がります。国会前のデモや沖縄でたくさん声をかけられていました。孤立無援にさせてはいけません。試写激込みでした。映画祭でも上映されますが、1日、4日とも満席。11月15日公開です。

10月29日(火)TIFF2日目
1本目は『 ゴーストタウン・アンソロジー』(カナダ)
凍てつく過疎の村で交通事故が起きて一人が死亡。残された家族は喪失感が埋まりません。
以後いるはずのない人間を見たり、空き家に人影が現れたりと不可解な現象が続きます。

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ワールド・フォーカス『ファストフード店の住人たち』ゲスト:ミリアム・ヨン、アーロン・クォック、ウォン・シンファン監督
アーロン・クォックは金融ブローカーからホームレスに転落し、24時間営業のハンバーガー店に集まる人々の中心になる阿博(アボッ)。ミリアム・ヨンは彼に思いを寄せる歌姫シュウホン。香港映画ファンには嬉しい俳優さんたちが登場する群像人情劇。
初めてTIFFのゲストに来日したアーロン・クォック、香港四天王の一人として認識したのは90年代の初め。かれこれ30年になります。「對你愛不完」のめちゃめちゃ可愛かったアーロンをよく覚えています。映画では観ていますが、生アーロンは2002年の日本でのコンサート(シネジャ記事)以来かな。その後結婚してパパになり渋さも加わって、素敵なおじさま(1965年10月26日生まれ54歳!)になっていました。写真は上映前の舞台挨拶。ゲストたちは観客席で一緒に映画を鑑賞、上映後はQ&A。私は上映終了と同時に次の作品へすっとんでいき、続きは(暁)さんが取材。アーロンたちはサイン会や握手会までしてくれたようです。みなさまラッキーでしたね。

ワールド・フォーカス『チェリー・レイン7番地』ヨン・ファン 監督
1967年の香港。飛行機が空を横切る最初のシーンから、今はもうなくなった懐かしい香港の風景がひろがります。大学生が美しい母と娘の住む家を家庭教師として訪れ、独特のテンポでラブストーリーが進んでいきます。
ヨン・ファン監督の美意識と、香港と映画への愛があふれていました。主人公はもちろん美青年で、のぞき見する男子もいれば、一目で彼に執心の元京劇俳優も。人々が歩くのもゆっくりゆったりで、最近のアニメに慣れた目には少々まだるっこしいですが、ヨン・ファン監督の愛する香港のスピードはこれなのでしょう。ボイス・キャストが豪華、監督の人脈の豊かさが伺えます。
『美少年の恋』(1998)ファンのみなさま、ダニエル・ウー、スティーブン・フォンの声を聞き取ってくださいね。(白)

posted by shiraishi at 23:50| Comment(0) | 映画祭 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年10月28日

TSUYOSHI NAGABUCHI CINEMA & LIVE 2019 太陽の家(白)

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オフィシャル写真

きのう10月27日夜、六本木のEXシアターで行なわれた長渕剛さんのイベントに行って参りました。
10月31日故郷の鹿児島を皮切りに、全国10都市17公演のシネマ&ライブツアーのキックオフイベントです。このツアーチケットを買ったファン700名が抽選で招待されました。私はマスコミ席で、熱い長渕ファンに囲まれて圧倒されつつ、とても楽しんできました。

『英二』(1999)以来20年ぶりの主演映画は『太陽の家』、長渕さんは人情に厚い大工の棟梁を演じます。イベントではここでしか見られないメイキングを上映、権野元監督や共演俳優と熱心にディスカッションするようす、子役と遊ぶオフショット、完成映像のダイジェストなどが満載でした。来年の公開をお楽しみに。
続いてライブに突入、客席はオールスタンディングです。「勇次」「明日へ向かって」「泣いてチンピラ」「明日へ続く道」など代表曲を次々と披露、あいまに衣裳も替えていきます。真っ赤なパンツにピンクのジャケットや赤黒のシャツを着こなし、タンクトップから見える筋肉も引き締まっています!攻めの姿勢は続けながら「丸くなりました」とトークで和ませる長渕さん、カッコよかったです!
最後に「主題歌歌おうかな」と作詞作曲した「Orange」を初生披露、客席もサビを一緒に歌いました。デビュー40周年の長渕さん、充実のステージでした。楽しかった〜!(白)

『太陽の家』
監督:権野 元
脚本:江良 至
主題歌:長渕 剛「Orange」/作詞・作曲:長渕 剛
出演:長渕 剛 、飯島直子、山口まゆ、潤浩(ユンホ)、瑛太、 広末涼子、柄本 明、 上田晋也(友情出演)
配給:REGENTS
(C)2019映画「太陽の家」製作委員会
https://taiyonoie-movie.jp/
★2020年1月17日(金)TOHOシネマズ 日比谷 他、全国公開
posted by shiraishi at 10:51| Comment(0) | イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年10月25日

『ゆうやけ子どもクラブ!』井手洋子監督インタビュー(白)

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ゆうやけ子どもクラブは障がい児のための放課後等デイサービスです。1978年に誕生し、現在小平に3つあり、小学1年生から高校3年生までの子どもたちが通っています。その活動を密着取材したドキュメンタリーです。18日(金)に最終試写に行き、子どもクラブの職員さんたちの辛抱強さ、子どもを長い目で見るやさしさ、子どもたちがゆっくりですが、確実に変化し成長していく姿に感動。これは紹介しなくては!と、井手監督にすぐインタビューをお願いしました。
1週間後の本日、代々木上原駅で待ち合わせ。近くのカフェで1時間近くお話を伺いました。

井手監督はフリーで映像ディレクターのお仕事をしています。長編ドキュメンタリー『ショージとタカオ』の監督と言えば「あの*布川事件の!」と気づく方も多いでしょう。
*1967年、桜井昌司と杉山卓男の2人は布川事件の殺人容疑で逮捕され、1970年無期懲役の判決を受けて服役しながらも無罪を訴え続けます。40数年後の2011年再審で無罪判決を受けました。冤罪で服役していた2人が無罪となったニュースを覚えています。井手監督は仮釈放以降無罪になるまでの14年間2人を追って記録し、映画として送り出しました。

私は当時なぜか見ないままで、監督が映画ができるまでを書かれた本「ショージとタカオ」(文藝春秋BOOKS)を先週から読んでいて、井手監督の粘り強さにも感心しています。この本も面白いですよ。
今日は11月18日公開の『ゆうやけ子どもクラブ!』についてのお話で、これから録音を文字に起こします。少しお待ちくださいね。
記事アップしました。
http://cineja-film-report.seesaa.net/article/471684901.html

こちらは代々木上原駅南口からすぐの榎木孝明さんのギャラリー「アートスペースCuore(クオーレ)」です。(咲)さんがこちらで『みとりし』出演の榎木さんにインタビューしました。立ち寄って「日めくりカレンダー」を入手。お隣がデザイナーのクライ・ムキさんのお店。わかりやすい洋裁のテキストが大好きでした。今度ゆっくり見せていただこうっと。(白)

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posted by shiraishi at 22:33| Comment(0) | 取材 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする