2019年11月04日

東京国際映画祭 その7(白)

11月4日(月)TIFF8日目
長いと思っていた映画祭もプレス試写は今日まで。
ワールド・フォーカス『ファイアー・ウィル・カム』(スペイン)オリヴァー・ラクセ監督
山火事を起こして服役していた男が故郷に帰ってきた。老いた母親は帰宅を喜ぶが周囲の反応は冷たい。働き口もなく、母が一人で続けていた牛の世話などをしているが、ある日また山火事が起こる。
一度罪を犯すと、いつまでも過去がついて回ります。狭い田舎ならばなおのこと。何かあれば真っ先に疑いの目で見られてしまいます。それでもここしか戻る場所がなかったのだろうなぁと、決して若くはない男の行く末を思いました。冒頭に調書か裁判記録か、何が書かれているのか不明の分厚い書類が登場します。セリフは非常に少なく、観客の想像力が必要です。

コンペ『ばるぼら』(日本)手塚眞監督
監督の実父である手塚治虫の大人向けの漫画が原作。流行作家の美倉洋介を稲垣吾郎、アルコール依存症のフーテン娘ばるぼらを二階堂ふみ。
11月3日は「手塚治虫誕生日、漫画の日です」と昨日手塚監督が会見で話しています。動画はこちら

Q&A(敬称略)
IMG_2024.jpg
『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』Q&A
左から:コトリンゴ、のん、片渕監督、岩井七世(ななせ)

IMG_2085.jpg

『タイトル、拒絶』Q&A
左から:田中俊介(BOYS AND MEN)、森田想(こころ)、伊藤沙莉(さいり)、山田佳奈監督

IMG_2095.jpg

『i ー新聞記者ドキュメントー』Q&A 森達也監督、望月衣塑子

アリーナイベント
ウルトラ怪獣の誕生「ウルトラQ」から「ウルトラマン」へ
IMG_2067.jpg

黒部進(科学特捜隊ハヤタ隊員)、桜井浩子(フジ・アキコ隊員)

posted by shiraishi at 23:33| Comment(0) | 映画祭 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

東京国際映画祭 その6(白)

11月3日(日)TIFF7日目

特別招待作品『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』(特別先行版)片渕須直監督
2016年のTIFFで『この世界の片隅に』が上映され、公開以来各地でロングランヒットしました。本作はすずが出会った遊郭の少女りんのエピソードはじめ、250以上の新カットを足した長尺版です。まだ編集継続中、完全版ではないそうですが楽しみました。
https://ikutsumono-katasumini.jp/ 12月20日(金)公開

コンペ『チャクトゥーとサルラ』(中国)ワン・ルイ監督
モンゴルの草原で暮らす若い夫婦。夫のチャクトゥーは、たびたびふらりと出かけてしまう。サルラは草原が好きで町では暮らしたくない。仲の良い夫婦だけれど、そこだけは意見が分かれてしまう。どこまでも広がる草原や青く霞む山々の風景は美しいが、厳寒の冬の生活は厳しい。
サルラが流産して初めてチャクトゥーが落ち着くかに見えたのですが。自由な放浪も相手が待ってくれるという甘えがあるからできるのでしょう。チャクトゥーは寅さんタイプで、家族を持って一つ所に落ち着くにはまだまだ若いんですね。そういう人の妻は泣くか、我慢するか、別れるか? ワン・ルイ監督は18年連れ添った奥様に先立たれたそうで、「もっと一緒にいればよかった」という思いもこもっているようです。

IMG_1992.jpg
Q&A ジリムトゥ(主演俳優)ワン・ルイ監督

コンペ『喜劇 愛妻物語』(日本)足立紳監督
売れない脚本家の豪太(濱田岳)は、気の強い妻チカに頭が上がらない。仕事がぽしゃってばかりなので、娘アキと妻の機嫌をとるのに心を砕いている。手打ちうどんの取材のために家族旅行も兼ねて四国に出かける3人。チカとの距離は縮まるのか?
チカの容赦のない罵詈雑言に言い返せない豪太、それでもめげずにあれこれ画策するのが笑えます。チカはきつくならなければ、家計も夫も支えられなかったんだよね、よく頑張ってきたねと言ってあげたいです。豪太を応援しているのは、ゲンをかついだ赤パンツを今も愛用していることでわかります。チャクトゥーも豪太もしっかりしてよね! 2020年公開予定

Q&A参加
IMG_1989.jpg
『猿楽町で会いましょう』Q&A 児山隆監督、石川瑠華(女優)

IMG_2001.jpg
『死を忘れた男』Q&A ヴィクター・ヴー(監督/脚本)
posted by shiraishi at 03:52| Comment(0) | 映画祭 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする