2020年08月09日

『ファヒム パリが見た奇跡』に、難民認定の壁の高さを思う (咲)

8月14日(金)に公開される映画『ファヒム パリが見た奇跡』。
バングラデシュの少年ファヒムが、父と共に難民としてやってきたフランスで、チェスのフランス王者となり滞在許可証を得た実話に基づく物語。
fahim.jpg

ポスターを見て、これは観たい!と思った映画でした。

今、世界には紛争や迫害など様々な事情で、住み慣れた故国を離れ、難民となる人が後を絶ちません。移動途中で命を落とす人もいれば、やっとの思いでたどり着いた地から、強制送還される人もいます。

本作は、運よくフランスに受け入れてもらったファヒムの物語ですが、滞在許可を手にするまでには、紆余曲折、大変な思いをしています。 
チェスの達人としての能力に長けていただけでなく、出会った人々の助けがあったからこそ得ることのできた幸せな居場所。 人と人との繋がりの大切さを教えてくれる物語です。


『ファヒム パリが見た奇跡』
監督・脚本:ピエール=フランソワ・マルタン=ラヴァル
出演・:アサド・アーメッド、ジェラール・ドパルデュー、ミザヌル・ラハマン、イザベル・ナンティ

*物語*
2010年代初頭の政変に揺れるバングラデシュ。 反政府運動に関わっていたファヒムの父は、息子がチェスのチャンピオンになったことから有名になって、脅迫を受けるようになり、フランスへの亡命を決意する。 落ち着いたら家族を呼び寄せようと、母親や兄弟たちと別れ、二人で旅立つ。 セーヌ河畔で野宿していたところを保護され、難民センターに入居。難民申請の結果が出るまで滞在できることになる。
さっそく近くのチェス教室に行くが、有能だが独特な指導をするコーチのシルヴァンとは、なかなか折り合わない。次第にコーチと心を通わせ、教室の仲間の家に泊まり歩きながらフランス王者を目指してトーナメントに挑戦する。
一方、父親は難民申請を却下され、野宿しながら強制送還されることにおびえていた・・・

2019年/フランス/シネマスコープ/カラー/デジタル/ 107分
後援:フランス大使館、アンスティチュ・フランセ、ユニフランス
提供:東京テアトル、東北新社 
配給:東京テアトル/STAR CHANNEL MOVIES
(C) POLO-EDDY BRIERE.
公式サイト:https://fahim-movie.com/
★8月14日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて全国公開



移民局での難民申請の折、ベンガル語の通訳が、なぜか不利になるような間違った訳ばかりします。 これでは滞在許可が下りるはずはないと、はらはらします。半年後の面接の時には、ファヒムがフランス語をかなりわかるようになっていて、通訳の間違いを指摘します。 どうやら、インド出身のベンガル人で、バングラデシュからの移民を排除したい意図があったらしいことが明かされます。

この場面で思ったのが、言葉の壁。
法廷通訳をしている知人友人が数人いますが、裁判という場なので、特に正確に双方の考えを伝えなくてはと気を使うと言っています。
通訳の責任は大きいです。

ところで、フランスが滞在許可書や国籍を付与する条件の中に、「フランス語が話せる」という項目があります。
ファヒムは学校にも行き、どんどんフランス語を身に着けていきますが、父親は人と接する機会も少なく、なかなか話せるようになりません。
ちなみに、私も何度かフランス語に挑戦しましたが挫折。フランスには受け入れてもらえそうにありません。

そして、ファヒムは、チェスの12歳以下のフランス王者になったことから、滞在許可を得ることができました。 え〜、そんなことで許可されるの?とちょっとびっくりでしたが、外国人の滞在許可基準の中に、「文化、芸術、スポーツなどで特別な才能がある人」「社会に貢献した人」と言う項目があるのです。

我が日本は、どうでしょう・・・
いろいろな思いがよぎります。




posted by sakiko at 19:45| Comment(0) | 映画雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする