2021年04月25日

レスリー追悼コンサートは、生活困窮者へのチャリティイベントでした! (咲)

この2か月ほど、1年1回発行のシネマジャーナル本誌の編集に追われていたのですが、4月19日(月)に、やっと104号を印刷会社に入稿してきました。
4月28日に出来上がります! 

2017年夏の100号までは、1年3回(もっと以前は4回)発行していたのですが、101号以降、1年1回の発行に切り替えました。
発行をいつにするかは、私の独断で4月末に決めました。
1年間の映画祭報告を中心にしつつも、4月1日のレスリー・チャン追悼記事を、あまりタイミングが遅くならないように掲載したいという思いがあってのことでした。

レスリー・チャン追悼記事を書いてくださる遠藤智子さんは、どんなことがあっても4月1日には香港にいらしていたのですが、さすがに去年も今年もコロナで無理。それでも、4月1日に何があったかを踏まえて4月10日までに原稿を書いてほしいと、かなりご無理なお願いをしていました。少し遅れて12日には原稿を届けられそうとのことだったのですが、仕事の大トラブルに巻き込まれたとのメール。遠藤さんは、社会的弱者やDV被害者などに寄り添う仕事をされているので、どうやら何かあったらしいと想像しました。
で、なんとか16日夜に原稿が届いて、19日に入稿となった次第です。

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4月1日のレスリー・チャン メモリアルコンサートがいかに素晴らしかったかは、スタッフ日記に書いたのですが、遠藤さんからの原稿が届いて、あのコンサートがただただレスリーを追悼するものでなく、香港の生活に困窮した皆さんのためのチャリティイベントだったことがわかりました。
集まった収益は経費を差し引かずに惜食堂=Food Angelに寄付されたとのことで、なんと、170万ドルが集まったそうです。
これだけでなく、ファンクラブも「想您6575。張國榮18週年紀念活動2021」というチャリティイベントを開催。「有心人」生活用品包(生活必需品のキット?)、ランチボックス、果物などを401個配布したとのこと。「レスリーの優しさを継続し、善と美の光を広めるために」この活動に取り組んだのだそうです。
詳しいことは、104号の記事「≪想你 張國榮≫ 香港に行けないと具合が悪くなるのだった」をぜひお読みください!

思えば、香港に行くと、よくチャリティイベントをやっていました。
テレビでもやっていたし、大きなモールに明星(スター)が来るというので行ってみるとチャリティイベントだったということもありました。
そういったチャリティがすごく身近にある感じがしました。
そんな人たちが暮らす香港・・・ これからどうなっていくことでしょう。


posted by sakiko at 20:15| Comment(0) | 追悼 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年04月18日

根津神社に行ってきました(白)

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乙女稲荷の千本鳥居


つつじの見ごろが過ぎてしまいましたが、滑り込みで出かけてきました。開苑は25日(日)まで。
コロナ禍でお出かけを控えている人が多いせいか、例年のような行列もなし(画像のように小高いところに上がるには200円の協力金が必要です)。文京区の公式チャンネルに2016年の動画がありました。こちらで散策気分を味わってください。10分ほどです。(白)


posted by shiraishi at 16:04| Comment(0) | 日々のできごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年04月11日

『生きろ 島田叡―戦中最後の沖縄県知事』にリーダーのあるべき姿を思う。(咲)

1年1回発行のシネマジャーナル本誌104号の入稿日が間近に迫っているのですが、4月6日(火)、1時からロシアのアニメ『クー!キン・ザ・ザ』の最終試写があって渋谷まで出かけてきました。
2016年に観た実写版『不思議惑星キン・ザ・ザ デジタル・リマスター版』が何とも不思議な世界で面白かったので、これは絶対見逃せないという次第でした。
実写版の方がインパクトありましたが、アニメも負けず劣らず脱力系の作品で楽しみました。

この日の試写予定は、これ1本。渋谷まで行くので、何か観るべき映画はないかと検索したら、ありました! 
しかも、映画美学校試写室での『クー!キン・ザ・ザ』が終わってから8分後から、同じ建物3階のユーロスペースでの上映。

という次第で、『生きろ 島田叡―戦中最後の沖縄県知事』を観てきました。
これは見逃してはいけない映画でした。
『クー!キン・ザ・ザ』の試写で会ったK氏に、このあと、この映画を観ると言ったら、「順序が逆の方がいいんじゃないの?」と言われましたが、いえいえ、逆だったら、『クー!キン・ザ・ザ』を観ることができないほど衝撃を受けました。

『生きろ 島田叡―戦中最後の沖縄県知事』
監督:佐古忠彦 2021年/DCP/5.1ch/118分 
公式サイト:http://ikiro.arc-films.co.jp/
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1945年(昭和20年)1月12日、大阪府内政部長(大阪府のナンバー2)だった島田叡氏は、沖縄県知事の辞令を受け取ります。前年の10月10日、米軍の大空襲で那覇は壊滅的な打撃を受け、前任の県知事は東京に行ったまま帰任せず空席になっていたのです。選挙で選ぶ今と違って、県知事は内務省官僚が任命されていたと知りました。

当然のことながら、家族全員から反対されます。
「これが若い者ならば、赤紙1枚で否応なしに行かなければならないのではないか。それを俺が固辞できる自由をいいことに断ったとなれば、もう卑怯者として外も歩けなくなる。俺は死にとうないから誰かが行って死んでくれとは、よう言わん」と決意を変えず、1945年1月31日、佐世保経由、沖縄へ。
着任してすぐ、県民の食糧不足を補うため、台湾に交渉して米を運んで貰います。沖縄の隅々まで行き渡る様、手配しますが、軍に横取りされたケースも多々あったようです。
沖縄南部の人たちを疎開させなければいけない戦況とわかっているのに、行政が滞っていた為に疎開できないでいたことにも心を痛めたようです。

佐古忠彦監督は、米軍上陸必至の死地であることを悟って県知事として赴任し、60万県民の命を委ねられた内務官僚・島田叡の人物像を、映像も音声も存在しない中で、当時を知る人々の証言で浮き彫りにしています。

玉砕しろと日本軍から散々言われてきた沖縄の人たちが、島田叡氏の「命を大事にしなさい」という言葉にびっくりしながらも、お陰で生き延びたと証言していました。

島田叡氏は、神戸市須磨の生まれで、父が長く勤務した兵庫高校の前身、神戸二中の卒業生でした。17歳で志願して、沖縄戦を経験した方が、やはり兵庫県出身で、島田叡氏は同郷であることを喜び、煙草を1本差しだそうとして、「未成年だね」と、紙に包んだ黒砂糖をくださったそうです。無事故郷に帰れよという思いが籠っていたのではないでしょうか。

家に帰って父に話したら、兵庫高校の正門近くに島田叡氏の銅像があって、有名な人物だと知っていたけれど、詳しい功績は知らなかったとのこと。以前は、校庭の奥にあるプールのそばにあった銅像が、校舎の建て替えの時に正門のそばに格上げになったことも教えてくれました。

島田叡氏は、沖縄戦組織的戦闘終結直後、摩文仁の軍医部壕を出てから消息を絶たれていて、どんな最期を迎えられたのかは不明です。
摩文仁の丘にある慰霊塔「島守の塔」に、島田叡の名が刻まれていて、本土出身の内務省の官僚が、個人名まで記され沖縄で慰霊の対象となっていることに、沖縄の人たちの思いを感じます。

映画は、日本軍が沖縄を捨て石にしたことも、またまたずっしり教えてくれました。
権力を持つ者のあるべき姿を考えさせられたドキュメンタリーでした。
生き証人のいるうちに映画を作ってくださったことに感謝です。


posted by sakiko at 19:39| Comment(0) | 映画雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

香港・日本合作ドキュメンタリー映画 「BlueIsland 憂鬱之島」 クラウドファンディング

2018年に日本公開された『乱世備忘 僕らの雨傘運動』の陳梓桓(チャン・ジーウン)監督が、最新作『憂鬱之島 BlueIsland 』(仮)の完成のためのクラウドファンディングのプロジェクトを立ち上げています。日本チーム側の太秦さんから提供された内容を掲載します。
ますます厳しい状況になっていく香港の状況。シネマジャーナルでは、『乱世備忘 僕らの雨傘運』の山形国際ドキュメンタリー映画祭上映時(2017年)と、この作品の日本公開時(2018年)に陳梓桓監督にインタビューしていますので、少しでも役立てばと思いHPに掲載させていただきます。山形で交換した名刺には、すでにこの「BlueIsland 憂鬱之島」というタイトルが書いてあり、この作品作りに取り掛かっていると話していました(暁)。

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左から蔡廉明(アンドリュー・チョイ)、陳梓桓(チャン・ジーウン)、任硯聰(ピーター・ヤム)

香港では雨傘運動以後、一国二制度の理念と自由が徐々に蝕まれてきました。そして、逃亡犯条例への反対運動の 200 万人デモを経て、 2020 年 7 月 1 日に施行された国家安全維持法により、加速度的に香港の中の自由空間が狭められてきています。私たちは「このまま香港の自由が弾圧されるのを、 何もせず黙認するわけにはいかない 」 と考えています。
香港の中で悪戦苦闘している仲間たちを支援するため、私たち自身がハブの役目を担い、この日本からできるだけ広く、世界へ、香港の人々が肌で感じている閉塞感とそこから見出そうとしている希望を伝えたいと考えています。
その中で、『乱世備忘 僕らの雨傘運動』のチャン・ジーウン監督、『10年』の プロデューサーである アンドリュー・チョイ 、 『地厚天高』を製作した ピーター・ヤム の香港チーム が映画 『 BlueIsland 憂鬱之島』(仮)の製作をしています。この映画の完成に向けて今年の 1月にクラウドファンディングのプロジェクトを立ち上げました。

映画 『憂鬱之島 BlueIsland 』 (仮)

クラウドファンディング
PLATFORM:Aーport
URL : https://a-port.asahi.com/projects/blueisland2021/

<香港抗議活動の記録A Film on Hong Kong Protests >を日本から世界へ

目標金額:10,000,000円
プロジェクトの終了日時:2021 年 5 月 5 日(水・祝)
残り日数:33 日
支援者:370人
集まっている金額:3,93 5 ,333 円
達成率:39%(4 月 2 日 、 1 7 時現在)
※リターンの内容は、上記クラウドファンディングサイトを参照ください。

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【ストーリー】
文化大革命からの避難、香港の60年代の反植民地闘争、1989 年の天安門事件、 3つの時代を経験した彼らが、自らの運命が決定づけられたあの日々をどのように受け入れてきたのか 。あの日、あの時代を、ふと振り返って見ると、貫こうとした 信念は記憶と共に、その人自身の心の中に抗いようのない傷跡を残している、目には見えなくとも。
天安門事件を経験して自らを脱走兵と戒める林耀強、文化大革命から逃れるために命を懸けて海に飛び込み恋人と共に海を渡った陳克治、「中国人」から「世界人」となり、抵抗者から経済人へ変わった石中英。違う時代を生きた実在する 3 人をドキュメンタリーとドラマを融合させて描いていく。
歴史の大きな流れの中で生まれた激動期が 、今日の香港へと繋がる 。そして、今日の 路上に溢れる若者たちは香港の歴史をどのように見つめ、 香港の未来をいかに想像するのか?

2021年公開予定、劇場:東京・渋谷ユーロスペース
Twitter https://twitter.com/blueisland2021

香港チーム
監督:陳梓桓(チャン・ジーウン)『乱世備忘』 【邦題『乱世備忘 僕らの雨傘運動』】
製作:任硯聰(ピーター・ヤム) 『地厚天高』『乱世備忘』
共同製作:蔡廉明(アンドリュー・チョイ) 『十年』【邦題『十年 TEN YEARS 』】

日本チーム
共同製作プロデュ―サー
小林三四郎(太秦株式会社 代表)
馬奈木厳太郎(弁護士・プロデューサー)

【お問合わせ】
太秦株式会社 小林三四郎
〒151 0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷 5 16 10 代々木エアハイツ 301
TEL:035367 6073 MAIL:info@uzumasa film.com

*参照 
シネマジャーナルHP、香港雨傘運動、香港民主化運動を扱った、作品・監督インタビューなどの特別記事

・『革命まで』 2015年 香港
山形国際ドキュメンタリー映画祭2015にて
郭達俊(クォック・タッチュン)監督&江瓊珠(コン・キンチュー)監督インタビュー
http://www.cinemajournal.net/special/2016/kakumeimade/index.html

●『乱世備忘 僕らの雨傘運動』
陳梓桓(チャン・ジーウン)監督インタビュー
山形国際ドキュメンタリー映画祭2017にて  2017年10月11日
http://www.cinemajournal.net/special/2017/yellowing/index.html

●『乱世備忘-僕らの雨傘運動』
立教大学での先行特別試写会に陳梓桓(チャン・ジーウン)監督登壇
2018年07月15日
http://cineja-film-report.seesaa.net/article/460534957.html

●『乱世備忘 僕らの雨傘運動』
陳梓桓(チャン・ジーウン)監督インタビュー(公開時)
2018年07月22日
http://cineja-film-report.seesaa.net/article/460641864.html

●TBSドキュメンタリー映画祭 先行特別上映会&トークイベント
[香港、沖縄、今と未来へ/香港2019×生きろ 島田叡]
http://cineja-film-report.seesaa.net/article/480604321.html

posted by akemi at 11:41| Comment(0) | イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年04月04日

『ラモとガベ(原題)』@岩波ホールで久しぶりの神保町 (咲)

3月13日(土)から岩波ホールで開かれていた特集上映<映画で見る現代チベット>の最終日の4月2日(金)、1時からの『ラモとガベ(原題)』を観に行ってきました。
最終日で混むだろうと、早めに行ってチケットを購入。
1席おきとはいえ、やっぱり通路際の好きな席に座りたいし、映画の前に「ろしあ亭」でロシア料理を食べたいという思いもありました。

久しぶりの岩波ホール。
地下鉄から地下1階にあがったら、2軒あったお食事処はシャッターが下りてました。廊下の奥にあるお手洗い(一応お食事処専用だった)も閉まってました。
そして、「岩波ホールのチケットは10階で購入ください」との案内板。かつては、1階で販売していました。
しばらく行かないうちに、いろいろ変わりました。

11時半過ぎには、ろしあ亭へ。
世界一美味しい豚肉料理グリヤーシか、ロールキャベツか迷って、結局ロールキャベツに。美味しかったです♪
ボルシチは、レストラン「マトリョーシカ」の方が美味しいかな。

食べ終わった12時頃には、続々人が入ってきたので、早々に退散。
久しぶりに神保町を歩いてみました。
お堀端まで行って桜・・・と思いましたが、手前ですでに葉桜なのがわかってやめました。

いろいろな語学書や辞書を置いている山田書店は健在かしらと行ってみました。
ここは美術書や浮世絵がメインのようですが、語学書や旅本もあるので、かつてよく利用していました。
語学書や旅本がすっかり少なくなっていたので、伺ってみたら、今や、どちらもネットの時代になって売れないとのこと。夏頃には在庫セールをして、取り扱い品目を変更するそうです。
恩師と先輩が編纂した小辞典が、定価8000円のところ、2000円になっていたので、ほかの旅本と一緒に購入。お釣りが多くて、え?と思ったら、もう1000円でいいですよと。
お安くするので、ほかにも欲しいものがあったら・・・と言われ、アルバニア語単語帳を200円でゲット。なんだか申し訳ない思い。

さて、楽しみにしていた『ラモとガベ(原題)』
先に観たMさんから、よくわからないところがあったと言われていたので、一生懸命観ていたのですが、ところどころふっと寝てしまいました。(でも、肝心なところは見逃してないと思います。)

物語は・・・
ラモとガベが婚姻届を出しに行くと、ガベは結婚しているから、離婚してから来いと言われます。思えば、4年前に結婚が決まったのに、相手の女性から結納品が返されて、ガベは恥をかかされたのでした。結婚届を出したつもりはなかったのに、誰かが出してしまったらしいとわかり、とにかく離婚手続きが必要。ところが、婚姻届上の妻は、出家しているとわかり、本来、結婚出来ない身だから、役所に行けないといわれます。仕方なく死亡届の偽造を依頼するガベ。そうこうするうち、役所の担当者を連れて、寺に行き、婚姻届上の妻から離婚届にサインをもらい、離婚は成立します。
一方、ラモは、正月に行われる英雄叙事詩「ケサル王物語」の歌舞劇で、罪のために地獄に落ちた女性アタク・ラモの役を演じることになっていて、稽古に大忙し。積み深い女性の役はしたくないとごねるのですが、謝礼が結構な高額なのでやめるわけにもいきません。
ラモには小学生の甥っ子がいるのですが、その子が学校でいじめられると言って不登校に。それまたラモの悩みなのですが、実は、いじめられている理由を聞いて、ラモはびっくりします。ここからは、物語のキモなので明かしませんが、ラモとガベは無事結婚できるのかどうか、機会があったら、ぜひ映画をご覧ください。
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『ラモとガベ(原題)』 
原題:拉姆与嘎贝 英語題:Lhamo and Skalbe
監督:ソンタルジャ
出演: ソナム・ニマ(ガベ)、デキ(ラモ)、スィチョクジャ(ジャシ)
詳細:https://note.com/moviola/n/ne5414579373d

posted by sakiko at 19:46| Comment(0) | 映画鑑賞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする