2021年09月30日

令和3年度文化庁映画賞(白)

9月27日発表の嬉しいニュースです。

取材させていただいた今村彩子監督と、原義和監督の作品が優秀賞に決定!!
おめでとうございます!!

きこえなかったあの日』今村彩子監督
二重のまち/交代地のうたを編む』小森はるか+瀬尾夏美監督
夜明け前のうた 消された沖縄の障害者』原義和監督
文化庁のページはこちら

今村彩子監督インタビューはこちら
原義和監督インタビューはこちら

授賞式は11月2日、受賞記念上映会は11月6日だそうです。(白)
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2021年09月26日

『スズさん〜昭和の暮らしと家族の物語』大墻敦監督取材(白)

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9月24日(金)

これは11月初めに公開予定のドキュメンタリー昨品です。
ある家族の第2次世界大戦中とその後のお話。
https://kirokueiga-hozon.jp/movie/movie-suzusan

片渕須直監督の『この世界の片隅に』の主人公は「すず」さんでした。
名前は違っても、日本中にすずさんがいたはずです。
自分の祖母や母、叔母たちを思いながら懐かしく観ました。
たいへんな時代であったのに、一日一日工夫して丁寧に生きていた人たち、今の時代にも通じる作品です。
大墻監督の職場の大学までお邪魔して1時間ほどたっぷりお話を伺いました。
これから書き起こします。
10月末には東京国際映画祭が始まりますので、その前にブログに掲載予定です。
掲載しました。こちらです。

お昼に取材が終わり、そのまま東急池上線の「久が原」へ。
スズさんが住んだ家が「昭和のくらし博物館」として公開されています。
小泉和子館長はスズさんの長女で、生活史研究家。

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建物正面

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庭から縁側を見る

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グッズ販売やバザーもあり

2階のミニギャラリーでは「すずさんとスズさん、そしてふたりのリンさん」展開催中でした。(白)
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2021年09月19日

風間志織監督取材(白)

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9月14日(火)
チョコリエッタ』(2014)がリバイバル上映されます。風間監督は高校生のうちにPFF(ぴあフィルムフェスティバル)に入選。2001年の『火星のカノン』、2004年『せかいのおわり』がベルリン映画祭フォーラム部門にノミネートされるなど、早くから花道を歩いて来た方という印象がありました。『チョコリエッタ』にはまだ十代だった菅田将暉さん、森川葵さん、三浦透子さんが顔を見せています。岡山天音さんもいます。今若手俳優として映画界を引っ張っている俳優さんです。
その後、新作発表されなかったので、そのへんとこれからのことを伺おうとお目にかかってきました。
ほぼ書き起こしてまとめたものをお送りして確認していただいています。24日の公開前にはブログに掲載しますので、お楽しみに。(白)

インタビュー記事はこちらです。





posted by shiraishi at 20:27| Comment(0) | 取材 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年09月10日

久しぶりに渋谷へ(白)

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◆9月8日(水)
13時、15時半と試写/ドキュメンタリー2本
どちらも2021年11月公開予定

『これは君の闘争だ』ブラジル/エリザ・カパイ監督
2010年代、高校生たちがバス運賃値上げ、学校の再編に反対してデモを始め、大きな運動に発展した。当時のメンバーだった3人が映像を見ながら解説する声がかぶせてある。若い人たちがこんなに頑張ったのに、ブラジルは2019年極右の大統領が誕生した。そこが解せない。

『記憶の戦争』韓国/イギル・ボラ監督(写真)
『きらめく拍手の音』のイギル・ボラ監督の2作目。1960年代後半から1973年韓国軍はベトナム戦争に参戦した。1968年ベトナム中部の村で起こった民間人虐殺事件。生き残った人々に焦点をあてたもの。家族を殺され自身も大けがを負いながら生き延びたタンさんは韓国を訪れ、当時の軍人に謝ってほしいと願う。
日本でも、元兵隊の人々が口を開かずに来て、亡くなる前に告白したりしている。墓場まで持って行きたいと思っていたのが重荷を下ろして懺悔したくなるのかもしれない。戦争ではみな狂気にかられているだろうし、手を下した兵隊たちも命令に従ったのだろうけど、やったことは消えない。記憶に蓋をしても、なくなるわけではない。いつか手を取り合える日が来てほしい。 (白)

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2021年09月05日

ショーレ・ゴルパリアンさんの自伝本「映画の旅びと イランから日本へ」 (咲)

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映画を通じて、イランと日本の架け橋としてご活躍されてきたショーレ・ゴルパリアンさんから、自伝を書きましたとご案内をいただきました。
9月1日にみすず書房から発刊されたご本がさっそく届いて、目次をみて、気になるところを読んでみたら、面白くて、結局、最初から一気に斜め読みしてしまいました。
(6日の午前中に『WHOLE/ホール』の監督さんたちへのインタビューを控えていて、準備しなくてはいけないのに・・・!)

映画にかかわる前のショーレさんの若いころの人生は、衝撃でした!
日本人男性を追いかけて来日。イラン・イラク戦争の時期だったこともあって、約10年日本で暮らした後、失恋も相まって帰国。イランでご結婚するも、ショーレさんが日本の永住権を取っていたことから、ご主人に日本に行こうと言われ、1991年12月に再来日。ご本人は不本意だったようですが、お陰で私たち日本人は、多くのイラン映画を観る機会に恵まれることになりました。
2度目の来日で、最初にイラン映画に関わる仕事をされたのは、1992年。モフセン・マフマルバフ監督の『サイクリスト』の日本語字幕。
私が初めてショーレさんにお会いしたのは、1995年のアジアフォーカス・福岡映画祭でイラン映画特集が組まれた時のことでした。
ショーレさんの歩みには、私自身のそのときそのときの思い出が蘇りました。
まさに、日本におけるイラン映画の歴史に重なります。

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2010年 東京フィルメックス
『トスカーナの贋作』上映後のキアロスタミ監督の和やかなQ&A

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2013年 第26回東京国際映画祭
左より、『ルールを曲げろ』ベーナム・ベーザディ監督と主演のネダ・ジェブライーリさん、アミール・ナデリ監督、ショーレ・ゴルパリアンさん


なにより興味深かったのが、キアロスタミ監督とアミール・ナデリ監督とのエピソード。
対照的な二人の巨匠の素顔がとてもよくわかります。ショーレさんが、個性的な巨匠たちのお相手でご苦労されたことも! 

ぜひご一読いただければと思います。
(ちょっとお高いので、図書館へのリクエストでも!)

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『映画の旅びと イランから日本へ』
著者:ショーレ・ゴルパリアン
みすず書房
発行日 2021年9月 1日
定価 3,960円 (本体:3,600円)
頁数 272頁
ISBN 978-4-622-09033-5
Cコード C0074
https://www.msz.co.jp/book/detail/09033/

目次
はじめに

序章 イランに生まれて
二つの町で/革命前のイラン映画/革命前夜

第1章 イランから日本へ
日本に行きたい/昭和最後の日本で/イラン大使の秘書として/イラン人と日本人

第2章 日本からイランへ
しばし日本とお別れ/日本のドラマをイランへ/イラン映画のニューウェーブ

第3章 再び日本へ
異国で子どもをかかえて/イランの映画を日本へ/クロサワとキアロスタミ

第4章 キアロスタミのかたわらで
日本のキアロスタミ/キアロスタミの映画/キアロスタミの哲学

第5章 イラン映画の監督たち
アミール・ナデリ/モフセン・マフマルバフ/マジッド・マジディ/アボルファズル・ジャリリ/カマル・タブリーズィー/ジャファル・パナヒ/バフマン・ゴバディ/アスガー・ファルハディ/イラン映画の現在

第6章 イランと日本を映画でつなぐ
合作映画をプロデュース/日本の監督がイランで撮る

第7章 イランの二巨匠が日本で撮る
ナデリの『CUT』/キアロスタミの『ライク・サムワン・イン・ラブ』/キアロスタミとの別れ

終章 四十年の軌跡
映画祭と映画人

索引・編集者付記

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ショーレさんにお世話になった取材の数々から一部をご紹介!

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『子供の情景』ハナ・マフマルバフ監督来日レポート
http://www.cinemajournal.net/special/2009/kodomo/index.html

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イラン映画『彼女が消えた浜辺』
アスガー・ファルハディ監督インタビュー
http://www.cinemajournal.net/special/2010/about_elly/index.html

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イラン映画『セールスマン』
主演女優タラネ・アリドゥスティさんがやってきた!
http://www.cinemajournal.net/special/2017/salesman/index.html

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イラン映画『バイオリン弾き』
モハンマド・アリ・タレビ監督インタビュー
http://www.cinemajournal.net/special/2017/violinist/index.html

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2019年 東京国際映画祭『ジャスト 6.5』 監督&俳優インタビュー
http://cineja3filmfestival.seesaa.net/article/471579541.html

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イランのショーレ・ゴルパリアンさんが日本映画ペンクラブ賞特別功労賞受賞 (咲)
http://cinemajournal.seesaa.net/article/464654333.html

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『ホテルニュームーン』ショーレ・ゴルパリアンさんに聞く
http://cineja-film-report.seesaa.net/article/477396950.html



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