2022年05月16日

『インフル病みのペトロフ家』、ロシア映画だからと敬遠しないで! (咲)

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c 2020 – HYPE FILM – KINOPRIME - LOGICAL PICTURES – CHARADES PRODUCTIONS – RAZOR FILM – BORD CADRE FILMS – ARTE FRANCE CINEMA -ZDF

ロシアの過去と現在を刺激的に描く映画『インフル病みのペトロフ家』(キリル・セレブレンニコフ監督/ロシア=フランス=スイス=ドイツ合作)の4月23日(土)からの公開を記念し、5月15日(日)17:30より、無料オンラインレクチャーが開催されました。

 <ロシア・ウクライナ・ベラルーシ映画の知られざる世界 ―今こそ知りたい現状と今後―> と題して、2時間の予定をさらに30分延長して、2時間半にわたり、筑波大学の梶山祐治さんから、3か国の映画事情につて詳しい解説が行われました。

レクチャーの内容の詳細は、後日お届けしますが、気になったのが、冒頭、MCの武井みゆきさん(ムヴィオラ代表)より、『インフル病みのペトロフ家』が、ロシアの映画ということからか入りが悪く、5月27日でイメージフォーラムでの上映の打ち切りが決まったと報告があったことです。
本日のレクチャー参加予定者の方からも、「ロシア映画を観るのが心情的につらいものがありますが、どう折り合いをつけますか?」という質問が寄せられているとのことでした。

このことを聞いて思い出したのが、2月のジョージア映画祭で、『インタビュアー』(1977年、ラナ・ゴゴベリゼ監督)を観たときに、ジョージア映画祭主宰のはらだたけひでさんより伺ったお話です。
『インタビュアー』を岩波ホールで1983年に公開したときに、大韓航空機がソ連の領空を侵犯したとして追撃されるという「大韓航空機撃墜事件」が起こり、当時はソ連だったグルジアの映画ということで、観客からそっぽを向かれたというのです。

私自身は、政治と文化は別という意識があるので、心情的にそういう状況になってしまうのは悲しいことだなぁ〜と。 
『インフル病みのペトロフ家』についていえば、セレブレンニコフ監督は、かねてよりロシアのジョージア侵攻やクリミア併合、LGBTへの抑圧を批判するなど、政権に批判的で、今はロシアを出てドイツにいるのです。さらに、監督のお母さまはウクライナ人!
ロシア映画だからと敬遠せずに、劇場に足を運んでいただければと願います。

『インフル病みのペトロフ家』シネジャ作品紹介




posted by sakiko at 03:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする