2022年10月30日

東京国際映画祭 中東の作品を追いかけた行動記録です (咲)

10月24日(月)に開幕した第35回東京国際映画祭も、あっという間に半ばを過ぎました。
今年は、イランやトルコをはじめ、私の気になる地域の作品が多くて、それだけで予定がいっぱいになる嬉しいラインナップ。Q&Aも時間が取れる限り、取材しました。
備忘録で、映画祭期間の行動記録だけ簡単に!

10月24日(月)
体力温存で、レッドカーペット&オープニングセレモニーは取材に行かず、自宅でリアルタイムで動画配信を観ました。
東京ミッドタウン日比谷のステップ広場から仲通りにかけて敷かれた165mのレッドカーペット。黒っぽい幕が両脇に張られて、一般観客からは見えません。コロナ感染対策だとは思いつつ、ちょっと寂しい。やっぱり観客ありきだと思いました。
レッドカーペット
https://www.youtube.com/watch?v=pyRMzDipAjI
オープニングセレモニー
https://www.youtube.com/watch?v=4ufrMZlcvgI


10月25日(火)
★13:30〜14:47 アジアの未来 『蝶の命は一日限り』
イラン北部のダムに沈んだ村の老いた女性。イラン・イラク戦争で亡くなった息子は、遺言で村の高台の墓に埋葬したが、ダムが出来て、今は湖に浮かぶ小島になってしまった。入島を禁じられた彼女は、なんとか息子の墓に行こうとする・・・
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映画を観終わって、ロビーにショーレ・ゴルパリアンさん! そして、モハッマドレザ・ワタンデュースト監督もいらして、お話することができました。
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緑の多い小高い山の雰囲気から、「マーザンダラーン州ですか?」とお聞きしたら、大当たり。監督の故郷の町サーリーの近くだそうです。サーリーには、20数年前に行ったことがあるとお伝えしたら、監督、嬉しそうになさっていました。


★15:40〜17:36アジアの未来 『突然に』
夫と一緒に30年ぶりにドイツからイスタンブルに帰ってきたレイハン。突然、嗅覚障害に襲われた彼女は、海辺の町を訪れる。長い間、離れて暮らしていた母との確執は、なかなか解けない・・・
イスタンブルの町がどんよりしていて、レイハンの気持ちを表したようでした。
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次の上映まで1時間ちょっとあるので、久しぶりにお会いする名古屋のミッキーさんと、東銀座のロシア料理「マトリキッチン」へ。 ボルシチとキエフカツレツ、そしてデザートはカボチャのムース。

★19:00〜20:45ユース TIFFティーンズ『ザ・ウォーター』スペイン他 
スペイン南東部の小さな村で、ひと夏を過ごす若者たち。
女性監督エレナ・ロペス・リエラが自らの出身地で撮影した長編デビュー作。
洪水に襲われる村の姿に、タイトルは、それが由来なのかと!
 

10月26日(水)
★11:15〜12:5アジアの未来『へその緒』
中国・内モンゴル。ミュージシャンの青年は、認知症が進み故郷に帰りたいという母を引き取り、大草原の家に連れ帰る。徘徊する母を心配して、綱で繋いでいるのが、へその緒のよう!

名古屋のミッキーさんが、携帯を昨日行ったマトリキッチンに忘れたかもしれないとのことで、再び、マトリキッチンへ。 お昼時で超満員で、携帯がなかったことだけ確かめて、隣のお蕎麦屋さんでランチ。このお蕎麦屋さんも美味しいです。

★14:05〜15:36アジアの未来 『私たちの場所』
インド、ボパールの町。トランスジェンダーの二人は住居を追い出され、新たな家を探すが難航する。性的マイノリティに対する不寛容と差別は、カーストの壁以上に厚いことに驚きました。

◆16:51〜17:21 『突然に』 Q&A取材
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メリサ・オネル(監督/プロデューサー/脚本)、フェリデ・チチェキオウル(脚本)、メルイェム・ヤヴズ (撮影監督)
来日したのも女性3人でしたが、女性の多い製作チームだったそうです。
Q&A報告はこちら

★18:35〜20:53 『ザ・ビースト』 監督:ロドリゴ・ソロゴイェン
スペイン、ガリシア地方の人里離れた山間の村に移住してきて、野菜を育てるフランス人の中年夫婦。隣に暮らす地元の有力者一家から嫌がらせを受ける・・・
大事に育てたトマトを臨家の兄弟に台無しにされてしまいます。この後、どうなるのか気になったのですが、Q&A取材の為、20時頃退出

◆20:16 20:46 コンペティション『カイマック』
北マケドニアの首都スコピエの集合住宅を舞台に繰り広げられる群像コメディ。
カイマックは、トルコやバルカン半島でよく食べられるクロテッドクリームのような乳製品。
映画をまだ観ないままにQ&Aを取材。
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ミルチョ・マンチェフスキ(監督/脚本/エクゼクティブ・プロデューサー)、サラ・クリモスカ(俳優)、アナ・ストヤノスカ(俳優)


10月27日(木)
★10:10〜『ライフ』 
カザフスタンの異才エミール・バイガジンの監督第5作。 171分の作品。残念ながら、最初の30分しか時間を取れず、主人公の若い男性が、人の人生を映像化する仕事に就いたところまでで退出。

★11:00〜12:43アジアの未来 『消えゆく燈火』 
香港の町を彩るネオンサイン。腕利きの職人だった夫が亡くなり、妻は夫の思い出を胸に、ネオン製作の夢を継ごうと決意する。サイモン・ヤム演じる夫とシルヴィア・チャン演じる妻。観る前から、期待満々。味わい深い作品でした。香港からどんどん消えていく名物のネオンの看板。映画のラストは、海に沈んでしまった水上レストランでした。
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アジアクロッシングのアジコさんと、コリドー街にあるトルコ料理「イスタンブール」へ。 ランチ 1100円。ミートボールの煮込み。

★14:00〜15:58 アジアの未来『i ai』
我が故郷に近い明石が舞台というので、期待して観ましたが・・・・ (これ以上、言及しないでおきます) 

◆16:16〜16:46 『へその緒』Q&A
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チャオ・スーシュエ(監督/脚本)、リウ・フイ(プロデューサー)
リウ・フイさんの黒いブーツに注目。草原では、このブーツなのですね。

★17:20〜19:06 コンペティション『カイマック』
群像コメディと紹介にありましたが、コメディというより、狭い集合住宅という世界の中で入り乱れた男女の関係でした。これをコメディというべきか・・・

◆20:15〜20:45 『This Is What I Remember』 キルギス
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アクタン・アリム・クバト(監督/脚本)
『あの娘と自転車に乗って』『馬を放つ』などの後日談ともいえる作品とのこと。(映画未見で取材)

アクタン・アリム・クバト監督Q&A報告はこちらで! 


◆21:1021:25『楽日』
上映前の舞台挨拶取材。 
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ツァイ・ミンリャン(監督)、リー・カンション(俳優)、三田村恭伸(俳優)
ほんとは、懐かしい『青春神話』のトークを取材したかったのですが、時間的に断念。
でも、シャオカンの変わらぬ姿を生で見れて、嬉しいひと時でした。


10月28日(金)
◆12:47〜13:17  『蝶の命は一日限り』 Q&A取材 
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モハッマドレザ・ワタンデュースト監督 (ワタンドゥーストと表記した方が発音に近いと思います)
蝶の命が一日と短いのと同様、人生も短いことを感じ取ってほしいと監督。

東京国際映画祭 イラン映画『蝶の命は一日限り』モハッマドレザ・ワタンデュースト監督 Q&A報告(咲)

★14:05〜15:39コンペティション 『アシュカル』 監督:ユセフ・チェビ
チュニスの郊外カルタゴの民主化運動の最中に工事が中断された建設現場で黒焦げの死体が連続して発見される。男女ふたりの刑事が捜査を始めるが、妨害に合う・・・
背景になっているジャスミン革命について、もう少し、説明があればわかりやすいのではと思いました。

4時から東京フィルメックスのプレスチケット申し込み開始なので、ミッキーさんとマックでお茶しながら待機するも、案内がなかなか届きません。 いつ案内が来るか気になりながら、Q&A取材に。

◆16:43〜17:13 アジアの未来 『クローブとカーネーション』
作品未見のまま取材。南東トルコを舞台に難民や、言葉の違う民族のことを描いた作品。
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ベキル・ビュルビュル(監督/脚本/編集)、ハリル・カルダス(プロデューサー)
Q&A報告はこちら


19:20からの『ヌズーフ』上映直前に、東京フィルメックスから予約用URLが届きました。
大急ぎで、29日のパナヒ監督の映画のみ予約しましたが、ほんの数分の間に、角の席はすべて予約済になっていました。 ずっと待機していたのに、間が悪かったです。残念!

★19:20〜21:04 『ヌズーフ/魂、水、人々の移動』 英・シリア・仏 
シリア、ダマスカス。爆撃で屋根に大きな穴が開いてしまった家。周囲の住民たちは皆、避難したのに、住み続けることに固執する父親。そんな中でも、14歳の少女は淡い恋に芽生える・・・


10月29日(土)
★10:20〜12:07 コンペティション『第三次世界大戦』 監督:ホウマン・セイエディ
今回、一番楽しみにしていたイラン映画。
映画の撮影現場で日雇いで働いていた男が、エキストラから、さらにヒトラー役に抜擢される・・・ 思わず、審査員席からも笑いが起こりました。
主演女優マーサ・ヘジャ-ズィさんインタビューとQ&A報告はこちら

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中東好きの友人Mさんと、コリドー街のトルコ料理「イスタンブール」へ。 茄子のムサカ。休日メニューで、1320円。

☆東京フィルメックス 14:50 - 16:55 開会式+ 『ノー・ベアーズ』(パナヒ監督/イラン)
トルコ・イスタンブルを舞台に、ヨーロッパに出国を試みるイラン人夫婦を描いた作品を、トルコ国境に近い村に滞在して、リモートで指示を出すパナヒ監督。自由を求める人たちの姿が、この7月に収監されてしまったパナヒ監督の思いに重なりました。

ショーレ・ゴルパリアンさんと一緒に、『第三次世界大戦』に出演している女優のマーサ・ヘジャーズィさんも会場にいらしてました。マーサさん、映画の中の雰囲気とちょっと違ったので、ショーレさんに言われて気が付いた次第でした。

★18:00〜19:56 コンペティション 『テルアビブ・ベイルート』 監督:ミハル・ボガニム
1980年代から長く続いたイスラエルとレバノン間の紛争を背景に、国境によって分断された家族を描いた物語。
父親と恋人がとても似ていて(父親が若く見える)、あれっ?と、くらくら。
映画が終わって、ミッキーさんと、暁さんと、3人で中華をいただきながら、人間関係がわかりにくかったね〜と、皆、同じで、ちょっと安心しました。



posted by sakiko at 03:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画祭 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする