10月29日までの「中東の作品を追いかけた行動記録」の続きです。
10月30日(日)
★10:45〜12:28 アジアの未来 『クローブとカーネーション』
冬の南東アナトリア。年老いた難民の老人が孫娘を連れ、亡き妻の遺体の入った棺桶を引きながら国境をめざす。なかなか乗せてくれる車はない・・・ 言葉の通じない地で、手助けしてくれる人も。故郷に埋めてあげたいという老人の思いに、しんみり。
ストーリーとQ&Aはこちら
名古屋のミッキーさんのリクエストで、再び東銀座のマトリキッチンへ。 またまたキエフカツレツをいただきました。
同じ映画を観ていた(白)さんも一緒に。
(白)さん、パソコンが壊れたとのことで嘆いていました。(スタッフ日記や作品紹介などの更新ができないそう・・・)
★13:45〜15:26 アジアの未来 『アルトマン・メソッド』
イスラエル。女優のノアは妊娠中。アパートの清掃をしている黒ずくめのアラブ女性に、床が濡れているので、きちんと綺麗にするよう注意する。そんな折、空手道場の経営不振にあえぐ夫が、清掃員に成りすましていたテロリストを「制圧」したことが評判となり、道場は危機を脱する・・・
制圧した場面は映されず、正当防衛だったと語る夫の言葉のみ。アラブ人=テロリストが一人歩きする悲しさ。妻ノアが真実を見抜いたことに救われた思い。
★16:30〜18:07 コンペティション『1976』
1976年、ピノチェト独裁政権下のチリ。裕福な医師の妻カルメンが、司祭から負傷した青年をかくまってほしいと頼まれたことより、平穏な日常を壊される・・・ 今も、世界の各地で命がけで反体制運動に身を投じる人たちがいることに思いが至りました。
10月31日(月)
◇12:42 13:11 『アルトマン・メソッド』 Q&A取材
ナダヴ・アロノヴィッツ(監督/脚本/プロデューサー/編集)、マーヤン・ウェインストック(俳優)、ニル・バラク(俳優)
夫が、清掃員を装ったテロリストのアラブ女性からナイフで刺されそうになったので「制圧」したという場面を映像で見せなかったのは、この物語を妻の目線で描いたからと監督。なるほど!と納得でした。
『アルトマン・メソッド』 Q&A報告はこちらで!
★13:25〜15:10コンペティション 『This is What I Remember』
キルギスの村。クバトは、ロシアに出稼ぎに行き20年間行方不明になっていた父ザールクを見つけて連れ帰る。母は同じ村の男と再婚していて、夫が帰ってきたことを内心喜ぶのですが、ザールクは記憶を失っていて、自分の妻のことも思い出せないのです。(再婚しているので、かえって幸い?) あることがザールクの記憶を呼び戻しそうなラストに、ほろっとさせられました。
アクタン・アリム・クバト監督Q&A報告はこちらで!
◆15:50-16:20 『第三次世界大戦』主演女優マーサ・ヘジャーズィさんに個別インタビュー
小さい頃に抱いた役者になりたいという夢を叶えたこと、短編映画を撮る準備をしていること、本作のために手話を4か月習ったことなどお伺いしました。
また、本作は、映画の撮影現場を映し出していて興味深かったのですが、重要な場面として出てくる食事場面は、実際に本作のスタッフやキャストが一緒に食事をしている姿そのもの。冒頭近くの場面では、エキストラの人たちが床に座って食事しているのですが、これは監督の演出。ほんとは、エキストラの人たちも椅子に座って食事していたそうです。
インタビューと物語の詳細はこちら
★17:05〜18:52 『第三次世界大戦』
再度、拝見。マーサさんにいろいろお話を伺った直後で、前回と違った目で観ることができました。
映画を観終わって、暁さんと一緒に、東京国際映画祭「交流ラウンジ」(有楽町micro FOOD & IDEA MARKETに設置)へ、初めて行ってみました。

インドネシア風カレーをいただきました。美味しかったです。
◇19:50〜20:12『第三次世界大戦』Q&A取材。
マーサ・ヘジャーズィさん(右)と、通訳のショーレゴルパリアンさん。
男性3名からの質問が、申し訳ないのですが、つまらない内容でした。マーサさん、上手にかわして、素敵な回答をされました。
会場には、在住のイラン人の姿も結構見かけました。
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11月1日(火) 休養日に。
夕方6時から、オンラインによる、多文化教育研究プロジェクト連続セミナー第5回「イランの殉教劇(タァズィエ)と多文化の出会い」(山岸智子さん)。
映画祭で、どうしても観たい映画は運よくなかったので、この魅力あるテーマのセミナーを優先。
25日から連続7日映画祭に通ったので、久しぶりに一日家にいて身体を癒しました。
11月2日(水)
東京国際映画祭クロージングの取材は、暁さんに任せて、東京フィルメックスで3本鑑賞。
(東京フィルメックス3本の感想は、別に後日!)
★12:15 - 14:07『地中海熱』(マハ・ハジ監督)
★15:10 - 16:55『ダム』(アリ・チェリ監督)
次の映画まで時間があったので、東京国際映画祭のプレスセンターでクロージングの中継を観ることに。到着したら、ちょうどアジアの未来部門の発表。

おぉ〜なんと! 我がイランの『蝶の命は一日限り』が作品賞受賞!
モハッマドレザ・ワタンデュースト監督には、いくつかの映画の上映後にお会いし、「今の映画どう思った?」と聞かれ、「よかったけど、もちろん、あなたの映画が一番!」と言っていたのでした。(お世辞じゃなく、本心です♪)
リアルタイムで、監督の喜びの言葉を聴くことができました。
作品賞受賞、おめでとうございます!
東京国際映画祭 イラン映画『蝶の命は一日限り』モハッマドレザ・ワタンデュースト監督 Q&A報告(咲)
★18:00 - 20:42『Next Sohee(英題)』(チョン・ジュリ監督)
上映が終わってすぐ、東京国際映画祭コンペティション部門の受賞作品をチェック。
『第三次世界大戦』、審査委員特別賞!
東京グランプリは逃しましたが、受賞はとにかく嬉しい♪
家に帰ってすぐ、クロージングと記者会見のYoutubeのイラン作品の部分を観てみました。
記者会見は、『蝶の命は一日限り』のモハッマドレザ・ワタンデュースト監督と、『第三次世界大戦』マーサ・ヘジャーズィさんが一緒に登壇し、ショーレ・ゴルパリアンさんの通訳で、約30分。 こんなことなら、記者会見取材に行けばよかった! 直接、お祝いの言葉を伝えることができたのにと残念でした。(受賞はもちろん期待していたのですが、ほんとに受賞するとは!)
今年も、中東やイスラーム文化圏絡みの作品を優先して予定を組んだのですが、下記3作品は観ることができませんでした。残念!
『ライフ』(カザフスタン)
『アヘン』(インド)
『コンビニエンスストア』(ウズベキスタン人女性の目を通して描いたモスクワのコンビニ)
中華圏や韓国に比べ、中東やイスラーム文化圏絡みの作品は多かったので、私にとっては充実の東京国際映画祭でした。