2024年11月26日

東京フィルメックス 25周年! 井上正幸さんを偲ぶ会の前に、チケット予約の顛末。(咲) 

第一回の東京フィルメックスが開かれたのは、2000年12月。
メイン会場は、今は無き、銀座1丁目のル・テアトル銀座でした。
最優秀作品賞は、ロウ・イエ監督の『ふたりの人魚』。審査員特別賞をイランのハッサン・イェクタパナー監督の『ジョメー』が受賞し、嬉しかったのを思い出します。
その頃、私はまだ会社勤めをしていて、シネジャも読者という立場だったのですが、暁さんから、イラン映画『私が女になった日』のマルジェ・メシュキニ監督(マフマルバフの奥様)にインタビューすることになったけど、ペルシャ語通訳がつかないので、同席してほしいと声がかかりました。通訳の役目はほとんど果たせないと思うけれど、それでもよければとインタビューの場に臨んだところ、ちゃんとショーレ・ゴルパリアンさんが通訳としていらしてました。 
私にとっては、初インタビューでした。この後、あれこれあって、会社を辞めたこともあって、シネマジャーナルのメンバーに加わったのでした。
この時のインタビューの顛末と当時の記事は、こちら

その後、東京フィルメックスのプレスIDを申請するようになり、今年もお蔭様でプレスパスをいただくことができました。
プレス席予約は、11月19日(火)2時からLivePocket Ticket(デジタルチケット販売システム)で受付開始。 この日は、9月19日にご逝去された大学の先輩の井上正幸さんを偲ぶ会が日本工業倶楽部で開かれるので、3時半に東京駅丸の内北口で先輩女性たちと待ち合わせしていました。
さて、2時にどこで作業をしよう・・・と思い巡らし、丸の内南口そばのKITTEビル4階の旧東京中央郵便局長室に決定! 「誰かを思いながら手紙を書ける空間」として、机と椅子があるのです。窓からはレンガ造りの東京駅がばっちり♪

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早めに着いたので、2〜3階にあるインターメディアテク(日本郵便株式会社と東京大学総合研究博物館による「間メディア実験館」)を覗きました。様々な動物の骨がたくさんあって、ちょっとぎょっとするのですが、古代イランのビーズもあるという、なかなか素敵な空間です。とても広くて立派なのに、無料なのも嬉しいです。

2時10分前には、机に向かって座って待機。一斉受付なので、観たい作品の優先順位をつけたリストを手元に置いて作業。スマホの画面だと、字が小さくて、慣れるまでちょっと大変でした。
開会式や、Q&Aのある作品は、どんどん席が埋まって、私好みの通路際は取れませんでしたが、ほぼ半分の作品は通路際をゲット。1時間近くかけて17作品の予約を終えて、予約席の再点検。なんと、開会式の席、D席を取ったつもりが、O席でした。後ろ過ぎる・・・ すでに前方の席はなく、2階席の最前列が空いていたので、申し訳ないけどキャンセルして取り直しました。

なんとか作業を終えて、3時半には東京駅丸の内北口で先輩女性たちと合流。
2か月前のお通夜から、あっという間に2ヵ月経ちました。この日は、井上さんが理事長を務めていた財団法人日本国際教育支援協会主催の偲ぶ会。現役で、仕事から帰宅された夜に急逝されたのです。享年75歳。まだ早すぎます・・・

井上正幸さんは、私が東京外語大ウルドゥー科に入学した時に、4年生。歓迎コンパで、イランの歌「マラーベブース」を歌ってくださったのですが、それが私の初めて耳にしたペルシャ語でした。
井上正幸さんのご尊父である井上英二さんは外務省ペルシャ語留学生として1933年にイランに赴任。その後、1986年に亡くなられるまでイランの為に尽くされました。正幸さんは、ご尊父様の駐在に伴い、1959年、10歳の時にイランで現地の小学校に編入。その後、テヘランのユダヤ人のための中学校で学ばれています。ですので、ペルシャ語はネイティブレベル。
1974年、文部省入省。イギリス留学、パリOECD勤務、ユネスコ常駐代表部勤務などを歴任し、2006年〜2009年 在バングラデシュ日本国大使。退官後、2009年8月よりご逝去されるまで財団法人日本国際教育支援協会理事長として現役でした。
それにしても、大使時代には、閣下と呼ばれた井上さんも、同級生の女性たちからは「井上くん」です。まだ学生紛争真っ只中で、先生のご自宅や井上さんのお宅で集まって授業をしたころの絆は強いです。

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上皇上皇后両陛下が皇太子・皇太子妃時代にイランを訪れた際に、在住日本人小学生を代表して井上正幸さんがご挨拶

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ご尊父・井上英二様の墓碑


★井上さんがイランやアフガ二スタンの人々と深く関わりがあったことから、過去のインタビュー番組が11月24日(日)に再放送されました。

NHWORLD-JAPAN(NHKラジオ国際放送)ペルシャ語
「父の眠る地イランの思い出〜井上正幸さん」 2019年4月28日初回放送

聴き逃し配信を番組ホームページで12月7日(13時)まで視聴できます。
https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/fa/shows/audio/programs/listener/


posted by sakiko at 19:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 追悼 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年11月23日

『盗月者 トウゲツシャ』舞台挨拶(白)

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アンソン・ロー、イーダン・ルイ

11月23日(土)
昨日22日から公開になった『盗月者 トウゲツシャ』のユエン・キムワイ監督の舞台挨拶が行われました(池袋の後、渋谷のHUMAXシネマズでも)。主演のアンソン・ロー、イーダン・ルイのお二人は、香港からオンラインで会場を結んでのご挨拶。画像の真ん中にユエン監督が一緒に写っているのですが、小さい影になってわかりませんね。実際は背の高い方です。
会場に駆け付けたファンからも主演のお二人に質問ができました。後でまとめますね。
こちらに書きおこしました。

映画は監督が目指したスタイリッシュ過ぎない(笑)アクションも笑いもある、しかし警察が出てこない(笑)泥棒映画です。映画祭でシリアスな作品ばかり観ていたので、楽しみました。香港映画がとっても元気だったころのテイストに近いです。
アンソン・ロー、イーダン・ルイは四天王以来の人気と言われるボーイズグループ”MIRROR”のメンバー。ほかにギョン・トウが出演しています。2018年に12人のグループでデビューし、それぞれが個別に多方面で活躍しているそうですが、歌謡界にうとくなってちっとも知りませんでした。チェックチェック。
二人ともハンサムというか可愛いというか、星や花が周りを囲んでいるがごとく。眼福でありました。(白)

posted by shiraishi at 22:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 取材 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年11月19日

ちょっと里帰り(白)

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ナナカマド

11月は母と弟の誕生日と父の命日が飛び飛びにやってきます。いつも涼しさを求めて夏に里帰りするのですが、高齢になった母が少しでも元気なうちに、と早くからバーゲン値段で飛行機のチケットをとっておきました。北海道は電車で行くには遠い。映画祭が終わった翌週5泊6日で出かけたので、家人には申し訳ないのですが勘弁して。
母と同居してくれている姉を温泉に送り出して、母を見ながら留守番に徹し、遠出はしませんでした。母は101歳、耳はますます遠く、足は弱くなりましたが這ってでもトイレに行き、新聞を天眼鏡で読んでいます。ベッドで横になると寝たきりになると思っているらしく、座椅子に寄りかかって居眠りしながら「眠っていない」と言い張る母(笑)。老々介護の姉と両方の不満や愚痴を聞くのが、私のできること。

姉は2泊して充電できたと帰ってきました。これから先はもっと外の助けが必要になります。今介護中の方々は頑張りすぎないように、くれぐれも。自分のご機嫌取りも忘れずに。
人生100年時代を乗り越えた母が残る時間を穏やかに過ごせますように。みんな行く道です(100歳は想像できない)。

20年以上前の父の葬儀のときは積雪がありましたが、年々雪は遅く少なくなっています。今年は一度降って溶けてしまっていたのに、帰る日になって朝から横殴りに吹雪ました。夜便の飛行機は羽田の混雑で遅れ、真夜中に無事帰宅。(白)


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2024年11月07日

「第37回東京国際映画祭」受賞結果

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c2024 TIFF

コンペティション部門
▼東京グランプリ/東京都知事賞:『敵』(監督:吉田大八)
▼審査員特別賞:『アディオス・アミーゴ』(監督:イバン・D・ガオナ)
▼最優秀監督賞:吉田大八『敵』
▼最優秀女優賞:アナマリア・ヴァルトロメイ『トラフィック』
▼最優秀男優賞:長塚京三『敵』
▼最優秀芸術貢献賞:『わが友アンドレ』(監督:ドン・ズージェン)
▼観客賞:『小さな私』(監督:ヤン・リーナー)

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(C)1998 筒井康隆/新潮社 (C)2023 TEKINOMIKATA

アジアの未来部門 
アジアの未来作品賞
『昼のアポロン 夜のアテネ』(監督:エミネ・ユルドゥルム)

毎年始まる前は長いなぁと思う映画祭。終わってみれば、そうでもなく。
今回はシンポジウムや会見取材は若い(私よりは)方におまかせして、映画鑑賞に専念しました。それでもあれもこれも見逃がした、聞き逃したと反省ばかり。いつまで通えるかは予想もできませんが、ひとまず無事終了して通いきれたことに感謝。
映画祭スタッフのみなさま、わがシネジャのお仲間たち、お疲れ様でした。
すぐFilmexが始まりますが、しばしお休み。(白)

posted by shiraishi at 20:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画祭 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年11月05日

第37回東京国際映画祭その3(白)

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ミッドタウン日比谷9Fから見る日比谷公園

11月4日(月)
『嘆きの通り』メキシコ/ワールド・フォーカス
アルトゥーロ・リプステイン監督特集5本のうち、1本だけ拝見できた2015年の作品。
あらゆる犯罪が日常の吹き溜まりのような裏通り。年取った娼婦は元締めに稼ぎを取られるが、良い場所にはもう立たせてもらえない。もう一人の娼婦と昏睡強盗をしようと目論んで薬を手に入れる。客として来たのは小人レスラーの兄弟だった。

『小さな私』中国/コンペ
チュンフ―は20歳の脳性麻痺の青年。母親は心配のあまりチュンフ―を束縛するが、祖母は何でも試させてやりたい。チュンフーは身体は不自由でも成績優秀で大学受験を目指している。学費を稼ごうとカフェの面接に応募したり、祖母が注力する楽団を手伝ったりもする。
明るい女の子と出会ったチュンフーはいっとき「普通の男子」に変わる夢を見る。
『少年の君』(2019)の主演俳優イー・ヤンチェンシーが脳性麻痺の青年役。普段しない動きをずっと続けるのは大変だったはず。どれだけ観察したことやら?

『陽光倶楽部』中国/ワールド・フォーカス
ホアン・シャオミンが知的障害の息子役で、病気の母親の世話をするお話なんですが、肝心なところを見逃してしまいすみません。睡眠不足は解消。

11月5日(火)
『チェイン・リアクションズ』アメリカ/ワールド
『悪魔のいけにえ』(1974/トビー・フーパー監督/原題:The Texas Chain Saw Massacre)を絶賛する5人。そのお一人、三池崇史監督は中学生のときに、チャップリンの『街の灯』を観に行ったら満席で入れず、近くで上映していた『悪魔のいけにえ』を観たそうです! 違いすぎです(笑)。それですごく驚いて、映画界に進んで来られたわけで、人生は不思議。そして『街の灯』はいまだに未見だそうです。
ホラー苦手な私は、絶対見ることはないだろうと思っていたのに、その作品の名場面を繰り返し観てしまいました。なるほどと感じるところあれど、一人で全編観る勇気はないです。映画史上の傑作でこれに影響をうけた映画人は多いとのこと。
少年ジャンプ連載漫画「チェンソーマン」の著者、藤本タツキさんもこの映画のチェンソーからイメージしたようですよ。

11月6日(水)
『マルチェロ・ミオ』フランス、イタリア/クロージング
マルチェロ・マストロヤンニの娘、キアラ・マストロヤンニが鏡の中に父の顔を見て、父の人生を生きようとする。男装して父のようにメガネや帽子を身につけ(父娘似ている!)、自分をマルチェロと呼ばせる。母のカトリーヌ・ドヌーヴをはじめ、ファブリス・ルキーニ、ニコール・ガルシア、メルヴィル・プポーらが自分自身を演じている。
クリストフ・オノレ監督・脚本のコメディで、ところどころに真実がまじっているようです。

posted by shiraishi at 20:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画祭 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする