2013年02月19日

『ビデオ・アート誕生50周年』レ・ザンスタン・ビデオ(咲)

先日、(白)さんと一緒にシネマート六本木で開催を知った文化庁メディア芸術祭。
サイトで上映会をチェックしてみたら、18日、海外フェスティバル「ビデオ・アートと地中海」の監督さんたちの名前がどれもアラブ系。これは観なくては!と行ってきました。
マルセイユに本拠地を置く「レ・ザンスタン・ビデオ」によるビデオ・アート誕生50周年記念イベントだったのですが、10本の短編はモロッコ、アルジェリア、シリア、チュニジア、パレスチナ、レバノンと、どれも私の興味ある地域のものでした。
その中で、とてもショッキングだったのが、『シックポイント(イスラエルのチェックポイントに向かうためのファッション)』(シャリーフ・ワーキド/パレスチナ/2003年)。
次々に登場する男性モデルの服装は、どれもお腹の部分が見えたり、チャックですぐ開けられるようになったりしているユニークなもの。ファッションショーが終わって、モノクロの写真が映し出されます。どれもが検問所でシャツをめくってお腹を見せたり、ズボンをずらしたりしている姿。イスラエル兵が検問所でパレスチナの人たちに行っている屈辱的な検問の実態に唖然。爆弾や武器を隠し持っていないかのチェックなのですが、長時間待たされる上に、こんな目にあわされても、パレスチナの人たちは隔離された地域から外に出る必要があるのだと思うと、もう悲しくて、どうしてこんな理不尽がと。
16日に、東大でインティファーダについての研究発表を聴く機会がありました。「抵抗の軌跡と1987年インティファーダ」について時系列を追って若手研究者から詳細な分析のあった後、ジャーナリストで映画監督の土井敏邦さんが「インティファーダは民衆の蜂起なのに、その民衆の顔が見えてこない」とコメントされました。『シックポイント』はわずか7分の作品ですが、民衆の苦しみがずっしり。映像の力ですね。

さて、10本の作品の上映後のQ&Aで、「やっぱりアラブでは女性を映像にするのは難しいのでしょうか?」という質問が。(あ〜なんとステレオタイプな考え方!) 「レ・ザンスタン・ビデオ」共同創設者でアーティスティック・ディレクターのマルク・メルシエさんがこれに答えて、「アラブ世界を取りまとめて語ることはできません。各国ごとに状況が違います。私自身、15年前からアラブ世界で映像を撮っていますが、女性のアーティストがビデオというツールで自己表現している姿をみています。映画ではできなかったことです。映画は国家権力に撮影許可を貰わないといけませんが、ビデオは許可がいりません。女性たちは権力に対する解放と共に男性からの解放として表現しています」と女性も自らカメラを武器に活躍している様を語ってくださいました。

『ビデオ・アート誕生50周年』レ・ザンスタン・ビデオのイベントは、19日、20日、21日にも行われます。
詳細はこちら http://www.institutfrancais.jp/tokyo/dbem_taxonomy_category_slug/film/fes_Clauss2-e1359438868673.jpg コピーライトマーク Nicolas Clauss




posted by sakiko at 09:44| Comment(0) | TrackBack(0) | イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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