
ここは海辺の町。レストランのオーナーの鈴原美帆は絶世の美女

店は彼女をひと目みたいというお客で大繁盛している。
店の2階は美帆の私室兼事務所で、常にモニター画面で客を見ている。
ある日、一人の客に美帆は目をとめる。
映画館にあるチラシやポスターには美しい顔とまるで無残な顔が1対のようになっている。
この相対する2人が同じ女性とは思いもしないだろう・・・ストーリーを読むまでは。
こんなに醜いなら、私なら親として整形させるが、
幼い時は整形も無理だから、やっぱりひどい苛めにあうだろう。
ここでは、親までがこの子を苛めているので、おばぁには堪えた。
孤立無援で美しい顔になる道のりが丁寧に描かれていた。
大杉漣さんが誠実な整形外科医を演じていて、整形の順番もお金のことも丁寧に説明していた。
徐々に和子の顔はマシになっていくが、そこをすっ飛ばさないで映している。
美しい顔を得て、幸せがくるかどうかは観てのお楽しみ。
監督さんはじめ、脚本、撮影、特殊メイクさんたち全部女性!
※主演の高岡早紀さん


ノルウェーのオスロ。夫の暴力から逃れるために、アナと8歳の息子アンデシュは保護プログラムのもとで公営アパートに移り住んだ。だがアナの不安は消えず、転校先の学校にもついて行き、帰りまでに待つ間、電気店で「チャイルドコール」という監視用の機器を買う。そのとき親切にしてくれた中年の店員・ヘルゲと知り合う。
筋道をちゃんと把握できないと承知できない方にはちょいとオススメできないかもしれない。
映像どおりにも取れない、これはこうだ!と言い切れない茫洋とした展開に途中で気づく。
最後には今までのは何だったのか?と思う。
そこんところが「何?この作品!同情して損したわぁ」とけなしちゃうのか
「彼女はその痛々しい過去に正面から向き合えない気持ちがよくわかる」という二通りの感想が聞けると思う。
後味もあまりよくないし、あとひき度も高い。
いい意味でも悪い意味でも「観たこと」を忘れちゃうような作品ではない。
3日たった今でも、この作品をひき摺っている。
ノオミ・ラパスと店員男クリストファー・ヨーネルが見つめ合う眼差しがとても温かいのが救い。
※私たちが日常生活の中で「これは本当の出来事です」と正確に思い出すことができるだろうか。
「こうあってほしい」や、「こうあってほしくない」が頭をもたげて来て、
現実と妄想の中間を行ったり来たりすることはないとは言い切れない。