2014年03月24日

『アクト・オブ・キリング』 監督来日記者会見 (千)

3月20日(木)有楽町の外国人記者クラブにて試写上映後の
ジョシュア・オッペンハイマー監督来日記者会見へ行ってきました。

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こちらの作品、去年の山形国際ドキュメンタリー映画祭で
『殺人という行為』と云う題名で上映され最優秀賞を受賞しております。
*その時の様子はシネジャ89号に掲載有り
今回『アクト・オブ・キリング』として劇場公開されるのは
オリジナル159分を121分に再編集したものです。
私は劇場版は未見なのですが、劇場公開版のほうが面白いという方も
いらっしゃいました。2時間超の長尺は劇場公開には不利なのでしょうし
あまりにも重いテーマですので…。1960年代半ば、インドネシアで実際に
あった大虐殺を加害者側(アンワル氏ほか)から描いた作品です。
カンボジアの虐殺についてはメディアでも取り上げられ、日本でも話題に
なりましたが10万人から100万人ともいわれる規模の大虐殺が
インドネシアであったなんて まったく知りませんでした。
ポル・ポトによる虐殺なら大騒ぎしても、インドネシアのスハルト政権を
支援していたアメリカや日本では「不都合な真実」だったんでしょうか…。
もともと監督は、インドネシアのパーム油プランテーションで働く人たちの
ドキュメンタリーを撮るつもりだったそうですが、パンチャシラ青年団のことを
映画にして すべての人に向けて「恐怖を感じずに過去と向き合う場をつくる」
という強いモチベーションで この映画の制作に取り組んだということです。
虐殺の当事者たちに取材を申し込み、41人目にしてOKをもらったのが
アンワル氏。撮影した映像は、1200時間もあったそうです。

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世界中の映画祭で50以上の賞を獲り、アカデミー賞にもノミネートされ
この映画の影響で、インドネシア政府のスポークスマンが
「65年の虐殺は間違いだった」と正式発表したということです。
アンワル氏は、場合によっては「極悪人」と呼ばれるような人かもしれない。
しかし、インドネシアではずっと「悪の共産主義を倒したヒーロー」として
要職にありました。
映画の中で虐殺を再現するアンワル氏は、この映画の内容をほとんど
忘れていました。自分が苦悩し、嘔吐する場面も覚えていなかったそうです。
本国インドネシアで上映できないこの映画を、アンワルさんにもう一度
みせる機会を監督はもうけました。アンワルさんは、
「自分であるという事がどういうことかわかる」と言ったそうです。
殺人という行為は、被害者のいのちだけでなく、加害者の心をも破壊
「自分が自分であること」をわからなくさせてしまうんですね。
オッペンハイマー監督は、この映画がアンワルさんの「癒し」になったと
理解しているようです。 殺人が心を破壊し、映画が心を癒す…。
いろいろと御意見は分かれる映画だと思いますが、この春、
必見の映画であります。

〜孫に囲まれ笑顔のアンワル氏〜
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(C)Final Cut for Real Aps, Piraya Film AS and Novaya Zemlya LTD, 2012
アクト・オブ・キリング公式サイト
2014年4月12日より渋谷イメージフォーラムほか全国順次ロードショー!

(取材 山村千絵)

posted by chie at 17:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 取材 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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