2015年01月07日

『薄氷の殺人』ディアオ・イーナン監督トークイベント(暁)

1月10日に公開されるこの作品の、ディアオ・イーナン監督来日時のトークイベントを掲載します。
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ストーリー
1999年、中国華北地方で発生したバラバラ殺人の謎をめぐってミステリアスな物語が展開する。妻と離婚したばかりのジャン刑事が捜査を担当するが、容疑者兄弟が逮捕時に抵抗し射殺されたため真相は闇の彼方へ。
2004年。ジャンは5年前と似た手口のふたつの殺人事件が起こったことを知り調査に乗り出す。被害者たちは殺される直前、最初の殺人で殺されたリアン・ジージュンの妻ウーと親密な関係があるという。単なる偶然なのか…。
スケート場、スケート靴、雪の街をを伏線に物語は進む。
出演 リャオ・ファン、グイ・ルンメイ、ワン・シュエピン

詳細はシネマジャーナル作品紹介をご覧ください
http://cinemajournal-review.seesaa.net/article/411794702.html

ディアオ・イーナン監督は北京にある中央戯劇学院出身で、『スパイシー・ラブスープ』(98)、『こころの湯』(99)などの脚本を担当。本作は監督3作目。

ティーチイン付き『薄氷の殺人』試写会が行われ、ディアオ・イーナン監督が登場。作品について語った。監督が来日するのは3回目。
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Q.映像美溢れるショットが沢山あり、オリジナリティのあるサスペンス映画だと思います。印象に残っているのは『薄氷の殺人』というタイトルにもあるアイススケートの靴を使った殺人。もともと<アイススケート>を題材にしようと決めていたのでしょうか?

監督:どのように殺人を犯すか、バイオレンスの部分を上手く作ることで、一味違うフィルムノワールの雰囲気が出ると思いました。そして、スケート靴の刃で殺害するという、シンプルかつ美しい方法を思いつきました。思いついたのは良いのですがどのように撮るかが難しかった。撮影現場で俳優にいろいろな動作をやってもらいました。そこで長回しで撮った美しいシーンが皆さんにご覧頂いたスケート靴での殺人シーンです。

Q:中国の冬の風景が印象的でした。スケート靴を殺人のアイテムに使うという以外に冬を選択した理由を。

監督:制作会社から夏の時期に撮ってくれと言われたのですが、冬じゃないとスケート靴が使えないから冬に撮影しました(笑)。

Q:容疑者兄弟が警察に抵抗して射殺されますが、あの二人はどうしてこういう行動をとったのでしょうか?

監督:ヘアサロンでの出来事は、街で予期せぬ出来事が突発的に起こるということを表した。

Q:グイ・ルンメイのスケートが上手かったですね。彼女は台湾の女優ですが彼女を起用した理由は?

監督:謎の女を演じるグイ・ルンメイは、清楚で周りの人の哀れみを誘うような、ついついかばってあげたくなるようなイメージがあり、一方では内に複雑な物を秘めてる。彼女は両方の雰囲気を表現を出来る女優だと思います。彼女が持っているものは、肉体美で男性を誘惑するような魅力ではなく、彼女が持っている危うさに男性は惹かれてしまう。未亡人役にグイを選んだのも、わたしが求めていたものを持っていたから。彼女はスケートはできなかったのですが、役作りのために一生懸命練習して滑ることができるようになりました。ジャン役のリャオ、二人ともコーチをつけてスケート練習をしました。

Q:役者の演技が主役だけでなく、脇役もすばらしかった。どのように演技をつけたのですか?

監督:役者たちには演技しないでくれとお願いした。自分の持っているものを自由に出して、セリフをできるだけ削ぎ落してほしいとも要求しました。
いい演技というのは自由で尊敬に値するものだと思います。安っぽい手馴れた技術だけが際立つ演技は好きではない。役者に大切なのは燃える心を内包した静かな佇まい。

Q:撮影場所は?

監督:95%以上がハルビン。残りが撫順(ブジュン)です。しかし、実際にはどこという地名を出さなくていいと思います。ある東北地方の小さな街ということであれば。

Q.ハルピンやブジュンで撮影したということですが、そこは気温はー30℃〜40℃くらいあると思うのですが、もっと暖かいように感じました。

監督:冬の夜の街にはネオンサインによって様々な色合いが出てくる。その色が温かみを醸し出しているのかもしれない。そしてファンタジックな感想をもたれたのではないでしょうか。実際はものすごい寒さでとても苦労しました。モニターが見えない中で撮影したり、カメラが動かなくなることが何度もありました。もし、美しく白い雪景色を撮ってしまったとしたら、あまりにも詩的で情的な景色になってしまう。私はそういう美しい景色はほしくなかったんです。むしろ汚れた雪景色を好みました。

Q:主人公が踊る重要なシーン。コミカルでもあり美しくもあり印象的でした。このように踊ってほしいというような演出をしたのでしょうか?

監督:彼が内心の苦しみを隠しながら踊るシーンなので、そういう思いを込めて踊ってもらいました。このシーンを撮影したのは最後だったので、みんなで一緒になって踊りました。

Q:ここで使われている曲は?

監督:実はあのシーンで「YMCA」を使おうと思ったのですが、ふさわしくなくて(笑)、欧陽菲菲(オーヤン・フィフィ)さんの曲にしました。「YMCA」だったら全く雰囲気が違っていたでしょう?(笑)

Q:最後に白昼に花火が上がるのですが、これはジャンだったのでしょうか?これは彼女に送るエールだったのでしょうか?

監督:殺人事件の謎解きをする探偵だとしたら、それは正しいと思います。でも、100人が観たら100通りの考え方があっていいと思います。日常生活の中で本当に正しいことや過ちというのは、表に出てこないものだと思います。大事なのは日常のリアルさと人間が抱く感情であると思ったわけです。なのでラストはすべてを明らかにしないことにしました。愛というものは決して二人が一緒にいるから成立するものでなくて、離れていても存在するものだと思います。
『薄氷の殺人』というタイトルは、石炭と氷は現実を表し、白昼の花火は現実離れしたファンタジーだ。これらは同じコインの裏表でもあります。

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posted by akemi at 20:13| Comment(0) | TrackBack(0) | イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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