2015年01月25日

ペルシア文学者・岡田恵美子先生のお話でイスラームの別の面を知る (咲)

24日、京橋・LIXILギャラリー主催の岡田恵美子先生の講演会「タイルに描かれた物語 ペルシアの神話と恋物語を読み解く」へ。
岡田恵美子先生は、イランに留学したい!と、パーレビー国王宛に手紙を出し、1963年、日本からの初の国費留学生としてテヘラン大学に迎え入れられたという豪快な方。学生時代から、先生のユーモアに溢れる語り口にいつも魅了されて、ほんとに楽しみにしていた講演会でした。

画像を見せながらの解説で、まずは女性の両脇に男性が座っている「野宴図」の組タイル。これは恐らく天国を描いたもの。「コーランの一節に、あの世に行ったら70人の清らかな乙女が迎えてくれると書いてあって、もうすぐ私も行きますけどね、乙女じゃねぇと思ったら、えもいわれぬ若い美男が迎えてくれて、飲んでも酔わないお酒を注いでくれるとコーランにちゃんと書いてあって安心しました」と先生。
ちなみに、若き酌人のことをサーキーといいます。私(咲)は酌人なのです!
yaenzu.jpg

このタイルは、アフガニスタンのザーヒル・シャーがクーデターで王位を廃された後、パキスタン国内に住むパシュトゥーンの一族に譲り渡されたものとのこと。宮殿の壁に貼ったままなら、今はなきものだったかもしれません。


悲恋物語「ホスローとシーリーン」を描いたタイルでは、水浴びしている上半身裸のシーリーンが描かれていて、イスラーム世界でこれはあり?と驚かされますが、ペルシアではOK。お互いに思いながら結ばれないホスローとシーリーンですが、岡田先生いわく、恋物語は悲劇だからこそ残ると。ロミオとジュリエットしかりですね。
khosro va shirin.jpg

photo by Kyoko Oka

最後の質疑応答では、「なんでも聞いてくださいね。イスラーム国のことは駄目よ」と念押しを忘れません。
イランといえば、女性が皆、真っ黒なチャドルを被っていると思っていた方からは、今日のお話でイメージが変わったという感想も。
イランは現在イスラーム政権なので、がちがちの宗教国家とみられがちですが、政府と庶民とでは温度差があります。イスラームが入る前のゾロアスター教時代からの文化を背負ったのが一般的なイランの人たち。歴代の王たちの神話を詩で語った「王書(シャーナーメ)」を太鼓を敲きながら詠むのにあわせてイランの人たちは古式体操をするのですが、イスラーム革命直後、シャー(王)はいけないと、コーランに変えたら、リズムがあわなかったそうです。「あれはアラブのリズムですから」と先生。
そして、日本人には、575のリズムだとしっくりくると、例にあげられたのが、
「この土手に 上るべからず 警視庁」
ほっこり素敵な岡田恵美子先生のお話に、心和んだ一日でした。

lixil tenji.jpg

企画展「タイルが伝える物語-図像の謎解き- 展」は、2月21日まで行われています。
小さな展覧会ですが、西洋、中国、イスラームの3つの部門にわけて、絵が描かれたタイルが展示された素敵な企画です。

期間:2014年12月4日(木)〜2015年2月21日(土)
休館日:水曜日、年末年始
10:00〜18:00 入場無料

会場:LIXILギャラリー1(東京)
東京都中央区京橋 3-6-18 東京建物京橋ビル LIXIL:GINZA 2F
地下鉄メトロ京橋駅より1分
http://www1.lixil.co.jp/gallery/information.html

posted by sakiko at 21:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 日々のできごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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