2015年06月04日

『サイの季節』7/11公開を前に、3度目の正直で来日したゴバディ監督と嬉しい再会 (咲)

2012年東京フィルメックスのクロージング作品として上映された『サイの季節』。3年の時を経て、この7月11日より一般公開されるのを前に、バフマン・ゴバディ監督が来日されました。
東京フィルメックスの時にも、2013年アジアフォーカス・福岡国際映画祭で上映された時にも登壇予定で、個別取材の時間まで決まっていたのに、来日叶わず、3度目の正直でやっとお会いすることができました。なんと、10年ぶりの再会でした。

『ペルシャ猫を誰も知らない』撮影後、イランに戻れないでいるゴバディ監督。トルコで撮った『サイの季節』は、1979年のイラン革命の折に、反政府的な詩を書いたとして捕えられ、30年間収監されていたクルド人詩人サヘルの物語。サヘル役は革命前のイラン映画の大スター、ベヘルーズ・ヴォスギー。生き別れになる妻ミナ役には、イタリアの女優モニカ・ベルッチを起用。
題材といい、大胆に肌を見せたことといい、決して今のイランでは撮れない作品。
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サイが走り、亀が落ちる姿は何を象徴しているのか? いつかゴバディ監督に直接聞いてみたいという思いが叶いました。
「ペンをカメラに変えて詩を書いたのです。映画を観て帰った後も、観た人の頭にイメージが残って、あれは何だったのだろうと思い返していただけると嬉しい」との答え。人それぞれが映像から色々なことを感じてほしいということなのでした。


夕方5時から東京外国語大学でトークイベントが開かれました。
都内から電車で移動されてきたゴバディ監督。久しぶりの来日で、日本人と接して、ほんとに嬉しかったようで、「イラン人と日本人、どちらと一緒に過ごしたい?と聞かれたら、日本人!」とおっしゃって、通訳のショーレ・ゴルパリアンさんは、「イラン人の私はえ〜っと、ちょっと怒っているのですが」と言葉を添えられました。
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挨拶のあと、かつてイラン国営放送に勤務されたことのあるジャーナリスト大村一朗氏と対談。映画の内容に踏み込んだトークが小一時間続きました。

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質疑応答の時間には、前から2列目に陣取っていたトルコ系クルドの人たちからも熱い思いが寄せられました。クルド女性が歌を披露。哀愁のある美しい歌声にうっとりでした。

監督も、この場で歌うことはできないけれど、今作っている映画の中で自分が歌っているものが携帯に入っているのでと、聴かせてくださいました。
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自分の歌にじっと耳を傾けるゴバディ監督でした。
ここで聴けます! ↓
https://www.youtube.com/watch?v=M6Z_XcQo49I

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予定を大幅に超えて、最後にフォトセッションのはずが、あっというまに会場のクルドの人たちが監督を取り囲みました。

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ひとしきりクルドの人たちと交流されたあと、まずはペルシア語専攻の学生さんたちと記念撮影

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やっと対談のお相手、大村一朗氏とのフォトセッション

この後も、会場に詰めかけた人たちとの交流が続きました。
ファンと接することができて、監督、ほんとに嬉しそうでした。

この映画の醍醐味は大きなスクリーンで観てこそ!と、ゴバディ監督。
ぜひ劇場に足をお運びください。

★『サイの季節』 7月11日よりシネマート新宿ほかで全国公開。
公式サイト:http://rhinoseason-espacesarou.com


☆インタビューやトークイベントの模様は、シネマジャーナル本誌94号(6月下旬発行)と、Web版特別記事でどうぞ!

Web版シネマジャーナル特別記事「バフマン・ゴバディ監督来日レポート」
http://www.cinemajournal.net/special/2015/rhinoseason/index.html
●バフマン・ゴバディ監督インタビュー
●トークイベント@東京外国語大学
posted by sakiko at 10:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 取材 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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