ポレポレ東中野にて
左から佐伯誠さん(司会)、川端潤 監督、大石 始さん
作品紹介
これまで日本ではほとんど紹介されることのなかったミャンマーの伝統音楽。ピュアなミャンマーの伝統音楽を残したいという想いで、2013年4月から5月の40日間、ミャンマーの最大都市ヤンゴン、その中心部から離れたプロデューサーの自宅に併設されたスタジオに機材を持ち込み、録音。アーカイブとしても非常に価値のある音源CD制作。その一部始終を撮影した貴重なドキュメンタリー。
全ての演奏は現地の演奏家によるもので、収録曲はおよそ100曲。その中でサインワイン、フネー、チーなどの楽器の演奏風景を中心に描かれる。ミャンマーの伝統楽器をミュージシャン達がどの様に演奏し、歌い、考え、悩み、相談してレコーディングしていくのかが描かれる。
伝統音楽を知らしめたいというこの試み。僧院やヤンゴン芸術大学の若者たちの姿も出てくるし、ミャンマーの正月の水かけ祭りの様子も収められ、変貌しつつあるミャンマーの現状も見えてくる―。
公式HP http://www.airplanelabel.com/myanmar/
シネマジャーナル作品紹介
http://cinemajournal-review.seesaa.net/article/421161156.html
「ひょんなこと」をキーワードにトークショー
ひょうんな出会い、ひょんなことから始まったミャンマーでのレコーディング。
「サインワイン」という楽器のことがひとしきり話題に。21の太鼓から作られていて、バーカッションのようなメロディを出す。宇宙的な感じ。チューニングの方法は漆などを塗ったりして面白い。リズムがよれていたり、音が外れているように感じたりもするけど、決めの部分はあるので、全体でこういう音なんだとわかる。
これまで、ミャンマーの情報はほとんどなかったし、ミャンマーの人自身が、アーカイブ(保存記録)されていなかったと思うので、今回の企画はとても貴重。
文献を通してではなく、映像で観ると、ミャンマーにどんな音楽があるか体感できる。
今回はミャンマーの伝統音楽を収録しているのだけど、ミャンマーの若者は、今、海外から音楽がどんどん入ってきて、海外の音楽にあこがれている部分もあるのでは?
今回の映像は水かけ祭りや、街中の光景もずいぶんあり、物売りの声とか、雑踏、ノイズなど、ミャンマーの空気感にあふれている。
水かけ祭り、雨の音、川など、アジアの湿気のよさが伝わってくる。
今は、ミャンマー=ヤンゴンが、すごい勢いで変わっている時期。その貴重な時期を描いていると思う。
というようなことが話されました。
なおヤンゴンとは「戦いの終わり」という意味だそうです。
サインワイン