去年の東京フィルメックスで『プレジデント』のタイトルで上映され、観客賞を授賞した作品が12月12日より日本で一般公開されるのを前に、マフマルバフ監督が来日。10月20日、お話を聴く機会をいただきました。
一昨年の東京フィルメックス以来、2年ぶりの再会。
握手の手を差し伸べてくださるマフマルバフ監督。
命の危険に何度もさらされている監督。ほんとに、無事お会いできましたという思い。
「サミラjanやハナjanもお元気ですか〜?」「皆、元気だよ」と監督。
(janは、ペルシア語で 日本語の「ちゃん」に当たります)
2013年の東京フィルメックスで審査委員長をされた折のインタビューの時に撮ったオレンジを高く掲げた写真とインタビュー記事を掲載したシネマジャーナル90号をお渡しする。
「もう2年前なんだね」
窓辺でテーブルをはさんで2誌合同での取材。
通訳はお馴染みのショーレ・ゴルパリアンさん。
椅子が離れすぎていて、こんなに遠く座っていると、自分が独裁者になった気分になってしまうので・・・と、椅子を近づけて〜とお願いされます。ぐっと近づいてのインタビュー。
まずは、もう1誌の方から先に質問。
と、途中で突然立ち上がる監督。
『独裁者と小さな孫』のポスターパネルを取りにいって、自分の脇に置かれました。前の取材で、白い壁を背景に撮影するために、離れたところにあったのでした。
さらに、机の上にあったペットボトルが撮影に邪魔と気が付いて、床に置いてくださる。
ほんとに、お気遣いの監督!
こんな雰囲気で行ったインタビューの詳細は、後日お届けしますが、印象的だった発言を二つ、お届けします。
「今はどこにお住まいですか?」の質問に、「今はロンドンに居を置いていますが、その質問をされたら、地球の上に住んでいると答えます」 (そうだった! 前にもそうおっしゃったのでした!)
「国境はいつかすべてなくなる。私は一歩先をいっているのです」
「暴力を起こすのは、普通の国民。生まれた時には、皆、純粋な人間だった。大きくなるにつれ、自分たちの中には、純粋さと共に独裁者も存在するようになる。権力を手にすれば、独裁者になるかもしれない。映画を観て、自分の中に存在している独裁者の部分を見つめ直して悪いところを変えていこうと思っていただければと思う」
『独裁者と小さな孫』
公式サイトhttp://dokusaisha.jp
★2015年12月12日(土)新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町 他全国公開
2015年10月24日
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