2015年11月28日

東京フィルメックス  『悲情城市』ホウ・シャオシェン監督、『念念』シルヴィア・チャン監督登壇の豪華な一日(咲)

東京フィルメックスも、あっという間に授賞式の日を迎えました。
コンペティション、どの作品が受賞するでしょうか・・・
そして、観客賞は?

さて、昨日27日(金)も充実のフィルメックスでした。

◆14時から台湾映画『悲情城市』
恐らく4〜5回観ていると思うのですが、何年ぶりだったのでしょう・・・
懐かしさと共に、戦前、基隆に住んでいた母のことを思い出して胸がいっぱいになりました。母と一緒に観たこともあるのですが、この映画で描かれている「2・28事件」のことを、台湾人の同級生から一度も聞いたことがなかったとびっくりしていました。母が台湾の親友から当時のことを聞かされたのは、『悲情城市』の作られた1989年から数年経った頃だったと思います。基隆の川が血で染まったことを親友はずっと語れないでいたと明かしたそうです。
DSCF2525 hou.JPG
上映後にホウ・シャオシェン監督がにこやかに登壇。
会場から、「かつて観たときに、日本人親子が畳の上で台湾人に別れの挨拶をする場面があったと記憶しているのが今回なかったようですが」との質問があがりました。私にも印象深い場面だったのですが、今回寝ていて見過ごしたかなと思ったら、監督より「いくつか修正版を作ったときに、なくしてしまったかも」との説明がありました。日本人と台湾人の友好的な関係を感じられる場面だけに、カットされたのはちょっと残念です。
『悲情城市』は、それまで商業映画や監督自身の体験をもとにした映画を作っていた監督にとってターニングポイントとなった作品。それまで描かれなかった台湾の歴史に目を向けたもので、それは台湾の人たちや、世界の人たちにとっても貴重な宝。デジタル版は作成されておらず、ちょっと雨の降る傷だらけの35mmでの上映。 このことについて、監督は「DCPは化学的、フィルムは物理的なもの。どちらが信用できるかそれぞれ違う。DCP化が安全かどうかはわからない」と語りました。また、保存については、国が文化として保存したいと思うかどうかにかかってくるとも。

この度、フィルメックスのために緊急来日されたホウ・シャオシェン監督。
11/21に行なわれた台北金馬奨では監督作『黒衣の刺客』が作品賞を始め、最多となる5部門を受賞したばかり。多忙なスケジュールの合間を縫っての来日です。
29日(日)に上映される『風櫃(フンクイ)の少年』(DCP版)、『戯夢人生』(35mm)の上映後にも、また登壇されます。

11/29(日)10:00『風櫃の少年』上映後リチャード・サチェンスキ氏のトークに引き続き、登壇。
11/29(日)13:20『戯夢人生』上映後Q&A



◆18:20からも台湾を舞台にした『念念』(台湾・香港 2015年)
監督は、今回コンペティション審査員を務めているシルヴィア・チャン。
台東の沖に浮かぶ緑島。大都会に憧れる母親は娘メイを連れて島を出てしまう。メイの兄ナンは父親と共に緑島で暮らし続けていたが、成長し、やがて父親が心臓発作で急死。消息不明になってしまった妹を探しに台北にいく・・・  
兄妹の物語に、メイの恋人でオリンピックをめざすボクサーの物語も絡んで、3人の思いが情感豊かに描かれています。
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上映後、シルヴィア・チャン監督が登壇。上下青の颯爽としたパンツスタイル。
「蔭山征彦さんの脚本が自分の机の上にあったのは定めでした。読んで切なくて、男性の家族への思い、父母へのわだかまりに、一人の母として心を打たれました」と、この脚本を映画化するに至った思いを語りました。もともとの脚本では、舞台は台湾と北海道。あまりに遠いので、台東の離島・緑島に舞台を変えたそうです。かつてはいくつも監獄のあった島。今では監獄は一つ残されるのみで、ダイビングもできることから観光の島になりつつあるとのこと。補足の撮影は通常しないのに、今回は撮影が終ってからもう一度緑島を訪れて、島だけを撮ったほど気になる場所のようです。
DSCF2566.JPG
『念念』は、29日(日)17時よりもう一度上映されます。

(残念ながらシルヴィア・チャン監督の登壇はありません)

◆21:15からスリランカ映画『白い光の闇』
最初の医学生が医師免許を放棄して僧侶になったエピソードと、腎臓の売買をする男の話までは覚えているのですが、その後は、私自身が黒い闇の中に・・・・  さすがにレイトは無理でした。
posted by sakiko at 08:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画祭 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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