◆ビッグ・ビッグ・ワールド
監督:レハ・エルデム 2016年、トルコ
身寄りのないアリと妹のズハル。孤児院から抜け出すためアリは罪を犯し、妹を連れ森に逃げる。アリが働きに出ている間、ズハルは蛇や狼の潜む森で一人過ごすが、襲ってくるのは人間だった・・・
9本の長編作品すべてが東京国際映画祭で上映されているトルコのレハ・エルデム監督。
かつて『時間と風』が上映された時、前作のスピード感のある『ラン・フォー・マネー』とあまりにも対照的なゆったりとした時の流れに、同じ監督の作品?と驚きました。エルデム監督にお伺いしたら、毎回違うテイストで作りたいとおっしゃっていました。
その言葉の通り、その後に作られた映画も、毎回、描かれるトーンが違います。でも、その底に流れるのは、自然と人との共生。そして、自分探しをする主人公たち。
記者会見 (10/31)
レハ・エルデム監督(右)と、オメル・アタイさん(プロデューサー/プロダクション・デザイナー)が登壇。
レハ・エルデム監督(右)
「森は大きな危険のあるところです。でも、ほんとに複雑な問題は大都市にある。帰属性を確かめるものがないことへの恐怖は、今の世界の状況ではないかと思います」
オメル・アタイさん(左)
「これまでの9作品を共に作ってきましたが、いつも興奮させられます。映画を作る喜びと感動があります」
アリを演じたのは、監督が通りで見つけてきた少年。純粋にエネルギーを秘めた顔に惹かれ抜擢。(美少年でした!) 才能があって、役柄をよく理解して演じてくれたと絶賛。妹ズハル役は、俳優として教育を受けているプロの役者。実年齢23〜4歳ですが、少年よりちゃんと若く見える顔立ち。