2017年09月16日

「山形国際ドキュメンタリー映画祭」東京記者会見で、山ドキ気分を味わう(咲)

アジア初の国際ドキュメンタリー映画祭として1989年から隔年で開催されてきた「山形国際ドキュメンタリー映画祭」。今年で記念すべき15回目を迎えました。

会期:10月5日[木]〜12日[木] 8日間
会場:山形市中央公民館(アズ七日町)、山形市民会館、
フォーラム山形、山形美術館、とんがりビル KUGURU ほか
公式HP: http://www.yidff.jp/home.html

毎回行きたいと思いつつ、今年も残念ながら行けないのですが、せめて山ドキ気分をと、9月5日に都内で開かれた記者会見に参加してきました。

山形国際ドキュメンタリー映画祭2017 東京・記者会見

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写真:山形国際ドキュメンタリー映画祭事務局提供

日時:9月5日(火) 2時〜3時 
会場:東京藝術学舎 外延キャンパス

登壇者:インターナショナル・コンペティション部門より 原一男監督、我妻和樹監督
   同部門審査員を代表して七里圭さん、アジア千波万波の審査員を代表して塩崎登史子さん


まずは、山形国際ドキュメンタリー映画祭 東京事務局長の濱地佳さんより、映画祭全体の概要と下記5部門について説明がありました。

◆インターナショナル・コンペティション 15作品
121の国と地域から応募された1,146本より厳選した15作品を上映。
日本からは、『ニッポン国 VS 泉南石綿村』(原一男監督)と『願いと揺らぎ』(我妻和樹監督)の2作品。日本人監督作品が2作品入選したのは、97年開催以来20年ぶりの快挙。

◆アジア千波万波

アジアのドキュメンタリー作家を応援し、発表の場を生み出すことを目的とした部門。アジアの作家の成長を誰よりも強く望んだ小川紳介監督の意志を受け継ぐ意味を込めて「小川紳介賞」が設けられている。今年は63の国と地域から645本の応募。上映21作品のうち日本の作品は3作品。

◆日本プログラム
日本のいまを独自の視点で捉えたドキュメンタリーを紹介。

◆ともにある Cinema with Us
2011年3月11日の東日本大震災から生まれた作品を取り上げるプログラムの4回目。

◆やまがたと映画
「世界一の映画館」と言われながらも歴史的な大火の火元となった酒田市の伝説的映画館グリーン・ハウスをめぐる上映と展示。また、脚本家伊藤和典の実家である上山トキワ館にて撮影された押井守監督の実写作品の上映という、今はなき山形の二つの映画館についての企画を通して、我々と映画と地域を繋ぐ場所、映画館のマジックを浮かびあがらせる。

次に、今年の目玉であるアフリカ特集について、シネマアフリカの吉田みほさんから発表。
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◆「アフリカを/から観る」
山形では、これまで北アフリカを含むアラブ映画を紹介してきましたが、今回はサハラ以南のアフリカに注目。
今、なぜアフリカか?
アフリカでの映画製作も増え、映画にはアフリカのおかれている状況が反映されている。
日本にいると遠く感じるけれど、21世紀になってアフリカが注目されてきて、経済も発展してきている。一方で資源の争奪戦もあって、今、あらたなアフリカ分割の時代。
また、テロとの闘いや、原理主義の台頭など、激動の時代でもある。
ばら色でもなく、暗黒の時代でもない。
その中で多くの人たちが声をあげていて、映画という形もその一つ。
今までは描かれる側だったが、自らの視点で描き始めている。
下記3部門で、様々な角度からアフリカを観る企画。
第1部 自画像を描き直すアフリカ
第2部 アフリカの抱える課題 それぞれの視角
第3部 はじけるアフリカルチャー
関連イベントして、アフリカ音楽を味わいつくす「アフリカナイト」も開催。


続いて、スイスのフレディ・ムーラー監督特集について、土田環さんより紹介。
◆「共振する身体 −フレディ・M・ムーラー特集」
『山の焚火』で知られている、スイスを代表する映画作家フレディ・M・ムーラーの特集。
初期の実験映画や、芸術家を対象とするドキュメンタリー作品をまとめて上映。1986年にアテネフランセ文化センターが特集上映を組んで以来、30年ぶり。
ムーラーは、山形で集団的映画製作を続けた、日本のドキュメンタリー映画作家・小川紳介とも親交があり、山形県牧野村を来日時に訪問している。


さらに、パレスティナ・アラブ特集について、加藤初代さんより紹介。
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◆「政治と映画:パレスティナ・レバノン70s-80s」
アラブに関する3回目の特集。
第1部 パレスティナ革命とミリタント映画
60年代末にはじまる世界的革命運動/闘争の中で、世界の映画人が、イギリス統治下の1930年代にまで遡る「パレスティナ革命」に共鳴して作った「ミリタント映画」を特集。「ミリタント映画」関係者によると、このテーマの特集としては国際的にも充実したラインナップ。のちにその時代を考察した作品も上映。革命史的映画史的にみどころが多く、映画そのものも楽しめる。

第2部 ジョスリーン・サアブのレバノンそしてベイルート
日本ではまだあまり知られていないが、アラブを代表するレバノンの女性映画作家であるジョスリーン・サアブの詩的/私的エッセイフィルムのベイルート3部作。レバノン内戦のあらゆる主要人物が登場する作品、またレバノンに関する映画フッテージを集め娯楽作品として再構成したサアブの代表作を上映。
*サアブは今回のインターナショナル・コンペティション審査員。

【関連イベント】
*10/7(土)16:25-
『赤軍−−P.F.L.P・世界戦争宣言』上映後に足立正生とパレスティナの映画監督ムハンナド・ヤークービのトークを予定。ヤークービが運営メンバーであるSubversive Filmの取り組む「ミリタント映画」アーカイブ活動や、足立が半生を捧げた「パレスティナ革命」と「ミリタント映画」の関わりについて語りあう。

*10/7(土)19:20-
『騒乱のレバノン』上映後ジョスリーン・サアブによるQ&A

*10/9(月・祝)19:20-
『昔々ベイルートで』上映後ジョスリーン・サアブによるQ&A


●審査員登壇
各部門の解説が終わり、審査員を代表して、インターナショナル・コンペティション部門審査員 七里圭さんと、アジア千波万波の審査員 塩崎登史子さんが登壇。

●スペシャルゲスト登壇
最後にスペシャルゲストとして、インターナショナル・コンペティション部門で上映される日本映画の二人の監督が登壇。

『ニッポン国 VS 泉南石綿村』原一男監督

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「私はこれまで、尖った人たちを主人公に映画を撮ってきました。しかし今回の映画の主人公は、まったく尖っていない普通の人たちです。普通の人たちを撮るのがこんなにも難しいのかと、七転八倒しながら制作しました」

『願いと揺らぎ』我妻和樹監督
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「「コンペ出品のお知らせをいただいてびっくりしました。多くの人に観ていただきたい内容になっています」

記者会見に参加して、アフリカ特集やパレスティナ・アラブ特集をはじめ、興味深い作品がたくさんあって、山形に行けないのが、ほんとに残念です。来年、山ドキin 東京で上映される機会を心待ちにしたいと思います。


posted by sakiko at 17:31| Comment(0) | 映画祭 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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