2017年11月23日

東京フィルメックス 中国映画『シャーマンの村』 病を治すのも神頼みの寒村  (咲)  

11月21日(火) 11:20〜
『シャーマンの村』Immortals in the Village / 跳大神
中国 / 2017 / 109分 / 監督:ユー・グァンイー(YU Guangyi)

中国東北部の村のシャーマンたちを4年以上にわたって追ったドキュメンタリー。
貧しい村で、病気に罹ると、まずはシャーマンに邪気を払ってもらう村人たち。
医療費が高くて医者にかかれない事情が切々と伝わってきました。
病は気からとはいえ、病を邪気を払うだけでは治せないことも。
シャーマン自身、妻は38日間の闘病の後、あの世に旅立ちました。
交通事故に気をつけろとシャーマンから予知されていた息子も交通事故で命を落とします。
ある家から火が出ます。シャーマンにも手に負えなくて、燃え盛る家を見守るしかありません。
それでもシャーマンたちを信じたい村の人たち・・・
若い人たちが都会にどんどん出て行って、消え行く文化を捉えた一作。

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上映後、ユー・グァンイー監督が登壇。
東京フィルメックスには4回目の参加。「コンニチハ。外国に来たというより、親戚のところに帰ってきた思い」と優しい笑顔の監督。
撮影地は、中国東北部の監督の故郷の村から8キロのところにある黒龍江省五常市の村。
ハルビンからは230キロの地。
シャーマンたちとの出会いは、東京フィルメックスでも上映された監督の前作『最後の木こりたち』(2007)を撮り始めた2004年頃。撮影は2007年秋から。
東京フィルメックスでの上映がワールドプレミア。撮影開始から、10年経っての初お目見えとなりました。

「医療が充分整ってなくて、医療費も高い中、シャーマンたちが人々の心のよりどころになっています。神の導きに従って、人間がどう生きるかを描きたかった」
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監督も村の人たちも漢族。少数民族の文化だったシャーマンが漢族にも入り、山東省や河北省に多かったものが、黒龍江省にも入ってきたのは百年ほど前。「文革時代には、宗教が一切禁止されて、あまりにも暗い時代だったので話したくない」と語る監督。
今は、政府としてはシャーマンの存在は見て見ぬふり。奨励も反対もしていないとのこと。

この村の人たちには見てもらえたのかとの質問には、「映画は国の指導者や都会にいる人が観るものと思っています」との答えが。もっとも、前作を出演した村の人たちに観てもらったら、リアルに撮られていて子どもたちにも観てもらえると喜んでくれたとか。『シャーマンの村』の人々もいつか映画の中の自分たちや親世代を観て、嬉しく思ってくれることでしょう。

東京フィルメックス ディリーニュースでQ&Aの詳細をどうぞ!
11/21 『シャーマンの村』ユー・グァンイー監督Q&A
http://filmex.net/2017/news/immortalsinthevillage

★『シャーマンの村』は、11月23日(木)21:15から、もう一度上映されます。



posted by sakiko at 12:32| Comment(0) | 映画祭 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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